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大木の記憶を夢を見る男の話。第20話(最終話)「常の樹(とこしえのき)」 感想 蟲師 続章

此花(このはな)です。

今回は、蟲師 続章の第20話(最終話)「常の樹(とこしえのき)」の感想を書いていきたいと思います

20話は、植物の記憶を持つ蟲の話でした。
この話は悲しいお話が続いていたので、ちょっとほっとしました。
いい話で終わってよかったです。

さて、詳しい内容にいきましょうか!



一人の男が旅の途中で一本の大木で一休みをした。
その樹の側で、男はすもものような実を見つける。
旅の途中だった男は、その実を食料として、食べるのだった。

その男は故郷の里で家族を尋ねる。
男はかんたと言った。かんたは大工をしており、知らない土地で働くのが好きだった。
妻はそんなかんたの旅を少しだけ不満でいた。

かんたには娘がおり、その娘は父がいない時にさびしがっていたためだ。
それでも、かんたは
「知らない土地を腕一本で渡っていくのが面白い」
と言って、旅をするのをやめなかった。

娘にはよく知らない土地の話をしていた。
かんたも家を空けるのを心苦しかったためだ。
それでもこの生きがいは譲れなかった。

かんたはある夢を見る。
まるで、大きな木の目線のような、ずっと永い時を歩んでいるような記憶。
その目線はかんたにとって見覚えがあるもので…。

ある時、団子屋で白い髪の男に出会う。
旅の途中で同じように休んでいたようで、その男を見て思い出す。
昔、白い男に出会った事があると。

白い髪の男はかんたに対して、かんたには会ったことがないと言うが、かんたは続けた。
列をなして、小さい頃の白い髪の男が歩いており、その先頭には老人がいたと。
その話に白い髪の男は訝しむんだ様子。

その態度に慌ててかんたは
「でたらめ言ってんじゃねぇ。…急に思い出したんだ…」
そう訴えた。それでも、男は行ってしまった。

かんたはその夢の場所がどこなのか?を捜し歩いていた。
またカンタは夢を見る、大木の記憶を。
今度は里が出来ていく様子を見せてくれていた。

その様子でかんたは気が付く。
それはかんたの故郷の里だったのだ。
「これで謎が解ける」
とかんたは夢の大木を探す。

すると、その場所には大きな木の切り株があった。
驚くかんた。
その大木の切り株に腰を下ろした。

少し時が経ち、里へと帰ろうか思ったとき、それは起こった。
切り株におろした足が抜けないのだ。
「おい! 誰かいないか!」

その声に惹かれてか、一人の男が現れた。
それは以前会った白い髪の男。
「助けてくれ。足が・・・」
その足はまるで樹のように固くなっていた。

「遅かったか・・・」
そう言った男。
村人を呼び、かんたは助け出され、家に戻った。

その白い髪の男は、ギンコと言った。
「おまえさんに会った後、ふと思い当たる事があってな」
そう話しだし、ギンコの話によると、それは覚木(さとりぎ)という蟲が原因らしい。

「一人の人が知り得るはずもない、ある一定の場所のはるか昔の出来事をまるで、
 その目で見てきたかのような、つぶさに語る者がいる」
ギンコはかんたに対し、すもものような赤い実を先ごろ食ったはずだ、とそう断定した。

その言葉にうなづくかんた。
「それは覚木(さとりぎ)という蟲だ。木の内部に宿り、養分を得るものだが、木の本体が危機に陥ると赤い花のようなものをつけ、やがてひとつの実に姿を変えて木から離れる。その実には木の記憶が封じ込められている。そして、獣や鳥に食われると、その体内に巣食い、宿主が木に近づくのを待つ。
宿主が長い間、木に触れていると木と融合し動けなくさせ、やがて完全に木と同化させてしまう」

その話にかんたは、治す方法をギンコに求めた。
「治す術はみつかっていない」
そう答えたギンコにかんたは提案した。

宿主が死ぬフリをすればいいんじゃないか?と。
すると、ギンコはたとえ、赤い花がつけることがあっても、実をつけることはない、とそう言った。
覚木(さとりぎ)という蟲は、本当の危機とそれ以外の危機を見極めることが出来るらしい。それはおそらく、それを見極めるために木の膨大の記憶を利用する。

その言葉に動揺するかんた。
そんな姿にかんたの母はおまえが生きてくれるだけで嬉しいよ、とかんたを慰める。
家族みんなで助けるから・・・とそう言うと、かんたは言った

「冗談じゃねぇ! 皆の世話になっていくなんてまっぴらだ」
ギンコに救いを求めた。
そんなかんたの様子にギンコはその夜、知り合いなどに覚木(さとりぎ)の情報を求める手紙を出した。

ギンコは切られてしまったあの木の思い出を思い出していた。
それはまだ、ギンコがワタリの集団にいた頃の話だ。
あの大木の下で、ワタリの長老はその大木のことを話しはじめる。

「この木は1000年もここに立ち続けているという」
長老が話を始めると、ギンコの隣にいたイサザが眠りこけていた。
その様子を注意すると、イサザは何度も聞いている話だからと反論した。

「何でも聞け。忘れぬように。
 おまえもいずれ、若いワタリに言い伝えるようにな」
イサザに言い聞かせる。

「この木はもう、長いこと覚木(さとりぎ)が住んどる。そいつが長い間で二度ほど花をつけたことがあるという。これがその花じゃ。一度目に咲いたのは550年ほど昔、この地に大地震があった時、地が割れ根から倒れそうになったが、なんとか生き延びたという。2度目は170年程前、この木に雷が落ち傷を負った。
 しかし、近くの里の者たちが懸命にその傷を治し、再びこの木は生き永らえた」

長老は下にある里を指を指した。
「ほらあそこに見える里だ。あの里の者らがここに来たのは300年程前、山を開くのにこの木を切ろうとしたら、どうやっても切れなかった。それで人々はこの木を畏れ、やがて神木と祭り大事にしたのだという。
 ここは光脈筋だ。長く生きた木は特殊な力を持つ。人の力が及ばんこともある」

「わしも子どもの頃から色んな巨木を見てきたが、これほど大きく見える木はそうはない。
 だが、この木をおとずれる里の者の姿が減った。そいつは少々、気にかかる」
少し心配そうに長老は言った。

そんな記憶を思い出しながら、ギンコはあの木の元へと訪れた。
すると、かんたの母がその切り株に祈っていた。
「かつては神木だったそうですね」
ギンコは声をかける。

ギンコが木を切られた理由を問うと、母は15年前のことを話しはじめた。
「皆、怯えていたんです。このままでは里が終わりだと…」

あれは15年ほど前、当時里の大半の者が杣人(そまびと)として、木を育て、売る事を生業にしていました。
そんな時、大規模な山火事が起こった。里はお金を得るすべを無くし、あの神木と言われていた杉の大木を材木屋が大金で買いたいと里に持ちかけてきていた。里の一部の反対があったものの、その木を切りにいった。

里の者たちでその木の元へ行くと、杉の大木は赤い花が一斉に咲きほこっていた。
木が怒っているんだとそう言いあう里の者たち。
それでも一人の里の者が、その大木に斧を入れた。

すると、斧は木にすんなりと入り、それを見て、
一斉に里の者たちが大木に斧を入れていってしまった。
そうして、大木が倒された。そこから、光酒が流れ出す。

「その木は里全体がしばし暮らせるほどの額で売れました。そして焼けた山も不思議な速さで甦っていきました。当時、幼かったかんたが無事に育ったのはこの木のおかげなんです。ああしなければ、今の里がなかったでしょう。
 でも、あの時あの木は怒っていたのでしょうね。これは報いなんでしょうか・・・」
涙を流す母にギンコは言った。

「草木は怒ったりしませんよ。でも、何も感じないわけでも何もしないわけでもない。ある種の木は害虫が大量に沸くと、その葉から毒を出して、自分の身を守る。草木は自ら動けない。だが、その分周囲の変化を敏感に感じ取り、時にそれに応じて自らを変える術を持つ。その木には人や斧を寄せ付けないほどの力がある。それがなぜ、その時は切れたのか」

「それはその木が自らその身を切られるように変化させたせいのなのかもしれない。
 傷ついた山全体の為に」
ギンコの言葉に母は驚いた。木がそんなことを・・・。

「もし、そうだとしたら私たちは本当に
 大事なものをなくしてしまったんだわ」
母はそうつぶやいた。

ギンコはかんたにある薬を渡す。
それで治るのか!とそう聞くかんただが、その薬は蟲の成長を抑えるもので、
根本的に治すものではないという。

ギンコもギンコで色々とふみなど出して、情報を集めたが、
良い返事のものはなかったと、かんたに伝える。
今後とも調査は続けるつもりで、何かあったらここにふみをくれと言って、
ギンコはその里から去った。

かんたはずっと里に住むようになり、
娘の双葉にも旅の話ができなくなっていった。
「(あの木のせいで、何でおれがこんな目に…
 とうに切られた木のくせに、なぜいつまでも俺に居座り続ける)」

そんなことを思っていると、木のようになった足から赤い花が咲いた。
すぐにギンコへとふみをやり、呼び寄せた。
ギンコが里にやってきた頃には、足のそこらじゅうに赤い花が咲いていた。

身体の調子を聞くギンコだが、かんたの体調は悪くない。
「なら、何か起こる前兆だ。あんたの身に危険が及ぶ何か」

その日の夜、かんたは目を覚ました。
「(なんだろう…。この気配、草木を騒いでいる。この気配は知っている。遙か、はるか昔に一度・・・。
 思い出せ、思い出せ。あの時、何が起こった?)」

その後、里全体の者をかんたは呼び出した。
安全な場所へとギンコに背負われ、かんたは里の者を移動させる。
その日の夜、里に大地震が襲った。

里の家屋は押しつぶされ、里は壊滅していた。
地震後、危機が去ったのが分かるのように赤い花が消えた。

里の者たちは家屋の再建を始める。
かんたの呼びかけで、里の者全員が助かっており、里の者はかんたの話をしていた。
かんたがあの15年前に切った大木に取り憑かれ、それ以来はるか昔のことが分かるようになったと。
「わしらはまたあの大杉に助けられたのかもしれんな」

そんな所へかんたが様子を見にやってくる。
木のようになった足のため、大工仕事が出来ないことを謝っていた。
「気にするな、命の恩人なんだからよ」

「あの大杉を切ってしまった事は今でもみな、古傷のように残ってんだ。受けた恩ももう返せない。
だから、おまえにかえさせてくれ。困ったことがあったら、里の皆で助ける。
 またあの木が教えてくれることがあったら、わしらにも教えてくれ」
その言葉に少し驚いたような表情するかんた。

気の遠くなるような永い、永い、永い時間。この地には一本の木が立っていた。
深く深く、根をおろし、高く高く、広く枝をはり、この地に生まれては消える者たちの移ろいを、変わらず、
静かに、見下ろしていた。

松葉づえを使い、娘の双葉に声をかけるかんた。
「おーい、双葉。こっちにおいで。一本の木の話をしようか。
 ずっとずぅーとこの山に立っていた大きな木の、話しても話しても終わらない話だ」



今回は、大地震を予知し、里を救うという結末でいい方向で終わりました。
あの大木は、確か550年前に大地震を経験していたんでしたね。
その前兆を大木が覚えており、それをかんたに与えたのが里を助けることになりました。

前回も前々回も少ししこり残る終わり方をしたので、今回はどうかな?って思っていたのですが、
良い結末になって嬉しいです。まぁ、どっちになっても自然ですけどね、蟲師の結末は。

結果的には、奥さんが望んでいた里に留まる生活になったんだなって思います。
それは必然だったのでしょうか? それも運なのでしょうか?
どちらになるかはわかるはずもありませんが、まぁいい結末になってほっとしてます。

その大木はずっと里を救ってきたんですね。
雷に落ちた時、里の者がその大木を助けたという話がありますから、その恩返しなんでしょうか?
断定はできませんが、でもそうだったらいいなって思います。

毎回詳しい内容を自分で組み立てて書いてます。
間違ってたら、申し訳ありません。
というのを入れようと考えていたのですが、最終回まで忘れていました(笑)
書くたびに忘れるんですよね。

そうそう、蟲師の最後の話「銀の雫」が劇場上映することが
 最後にお知らせとして終わりました。
特別編でやるのかなって思ったら、まさかの映画化で驚いてます。

まぁ、また記事に書こうと思うので、その時はどうぞよろしく。

声優情報
幹太(かんた) 辻本耕志
幹太の母   清野佳津美

幹太の妻   雪乃さやか
ふたば    秋葉月花
 
ワタリの長老 羽佐間道夫
イサザ(少年) 小清水亜美

今回、声優さん多いな…。
またイサザが出てましたね。
今度は少年の頃の声優さんでした。

調べたら、俳優さんや女優さんばかりだぁ…。
ベテランの声優さんもいた。
知らない声優さんばかりである。

劇場版楽しみにしてます。
映画という形なのか、よく分からないですけど。

ここまで読んでくれてありがとうございました。
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