此花のアニメ&漫画タイム

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当麻への所用でまた”遺体”発見する正太郎だったが!?第参骨(第3話)「夏に眠る骨」 感想 櫻子さんの足元には死体が埋まっている

此花(このはな)です

今回は櫻子さんの足元には死体が埋まっている。の第参骨「夏に眠る骨」の感想を書いていきたいと思います

第3話は何と言ったらいいでしょうか、鴻上さんのお話って感じですかね。
事件の推理って感じではないお話でした。

さて、本編へ行きましょうか!
最初は櫻子さんの家で正太郎君の”何の骨か?当てるクイズです”
「わかった!えぞリスだ!」
正太郎は骨を見つめ、櫻子さんにそういう

「不正解、台湾リスだ」
種類によって、骨の違いがあるのか…
櫻子さんの容赦ない言葉にずーんと落ち込む正太郎君

「リスだと分かっただけで大進歩ですよ、坊ちゃん。
 始めのころはいつもキッチンに逃げ込んでいらしたでしょう?」
ばあやさんがそうやってフォローしてくれる
まぁ、そうだよね。些細な違いっぽいし

「そうでしたね…(確かに、この光景にもすっかり慣れたよな。
 少しは成長してるってことかな)」
ふっと正太郎が笑うと、櫻子さんが声をかけてくる

「ところで、うちに遊びに来たということは
 期末テストは終わったんだろう?」
「あっはい!」

「明日、所用があって当麻に行くのだが、
 君も来るか?少年」

あっ、少年に戻ってる…
少年という言葉に正太郎が反応した

「薔子(しょうこ)さんの差し入れか?」
ばあやが何か持ってきたようで、櫻子さんが言う
「ええ、坊ちゃんにとおしゃって」
正太郎に?まぁ…食べるからなぁ

「ん?どうした。食べないのか」
反応を示さない正太郎に櫻子さんは聞く
「結局、まだ少年のままなんですね」
前回の時は…無意識っぽかったし

「当然だ。君は未成年だろう?」
当然だといった顔で櫻子さんは言った
「そういうことじゃ…」
小さく正太郎はつぶやく

「だって!こないだは
 正太郎って名前で呼んでくれたじゃないですか!」

すると、櫻子さんは「覚えてないな…」という
「それより行くのか?行かないのか?」
櫻子さんの言葉にぷいっとそっぽ向く正太郎

「そういえば、
 そろそろ当麻では伝助すいかが出回る時期ですねぇ」
ばあやが言う
「ばあやの好物だったな」

「はい。あれは食べなければ夏は始まりません」
ちらりと正太郎をみたぞ(笑)ばあや
「しゃりしゃりっとしたあの触感。キーンと冷やした果肉をひと匙が含めば、
 驚くほど甘い果実が口いっぱいにあふれて」

「行きます!お供します!」
正太郎(笑)食べ物につられすぎ

「そうか」
「でも!その代わり、夏はやっぱり…」
言葉の途中でOPにいったし…正太郎はどこかへ行く気だな


「まったく…君にこんな趣味があったとは…」
やってきたのは洞窟
夏は暑いし、洞窟の中は涼しいからな

櫻子さんがふいにつまづくと、さっと手を掴む正太郎
「大丈夫ですか?」
「…すまない」

その言葉と表情に少し顔を赤らめる
「い、行きましょうか」
櫻子さんの手を引っ張りながら、洞窟を進んだ

「(確かに…櫻子さんにとって、僕はただの少年なのかもしれない。
 人間嫌いで人との関わりを避けてきた櫻子さんのことだ。
 僕のことを友達…と認識しているのかも正直怪しい。…もう少し頼りにしてくれても)」

すると、暗かった洞窟から光が見えた。
「人間の細胞は太陽の光を浴びることで活性が高まる。
 さぁ、行こう少年」
いつの間にか、正太郎の手を離れた櫻子さんが出口でそういった

「行こうって、どこにです?」
正太郎が言う
「ちょっとした散歩だよ」

やってきたのは”鍾乳洞グリーンパーク”の森
「ちょっ、大丈夫なんですか?
 もう、思いっきりけもの道ですけど!」
正太郎が心配そうに言う

「いいじゃないか。けものが通る道ならけものがいる。
 その屍もしかりだ」
(笑)櫻子さんらしいというか…まったく

櫻子さんの後をついていきながら、正太郎は思う
「(そうたろうって…誰なんだろう?
 そうたろう…しょうたろう…僕と一字違いか)」

「あの、櫻子さん?」
「なんだ?」
「えっと…その…」
言い淀んでいると、

「トイレならその辺でしたまえ」
櫻子さんはそう言った
「違いますよ!」
あわてて否定する

「ではなんだ?」
「あの、そうたろうって…」
言いかけた時、どこかから悲鳴が上がった。

はっと二人は声のする方が見る
そこには登山客と思われるリュックを背負った女性がいた
「ひとが…人の骨が!!」

「やめてください!一人でなんかあったらどうするんですか!」
あわてて止めに入るが、櫻子さんは聞かない
「君一人いたとしても、そう変わりはしないだろうよ」
櫻子さんってば…

櫻子さんは人の骨を見つけると、ぱぁっと表情が輝かせた
「みたまえ、少年!」
「いやです!」
正太郎は目を自分の腕で覆う
ふつう、人の骨なんて見たくないです

「いや、見るべきだ。
 これこそ、自然の神秘だよ!」
すごくテンションあがってらっしゃる櫻子さん

「いいかい?死体が野ざらしになると、
 すぐさまハエがかぎつけ卵を産み付ける」

「孵化した蛆は死肉を食べ、瞬く間に成長する。
 さらにそれを捕食する昆虫や小動物が集まり、
 そして束の間に命の楽園になるんだ!」

すごく正太郎君の体勢が(笑)

カップルがその様子に逃げ出しちゃうし…あーあ。
そりゃ逃げる気持ちはわかるけど…

「すばらしいだろう、少年。食物連鎖という大きな生命の輪は
 肉体が代謝をやめ、細胞が崩壊した後も私たちを包み込んでいるんだ」
正太郎君の冷めた表情が…もう慣れてるんだな

そんな表情に不思議そうにする櫻子さん
「ん?なんだ。君は心をうたれないのか?」
心は…うたれませんね、うん

「じゃあ、そろそろ通報しますよ」
正太郎君は完全に櫻子さん無視ですな
「きっと君は左の肺が通常よりも大きいんだろうな…」

「はい?」
「本来、肺は心臓を包み込むために左側が小さく作られている。
 だが、君は無常だ。あまりにも心がなさすぎる」
うーん、ふつうの人間だったら、むしろそれで引くかと…?

そう話している間に正太郎が警察に連絡していた
「ったく…またお前たちかよ!」
あっ、1話で出てたおっちゃん
「いえ、その前にカップルがいたんですが…」

「で、一応聞くけど、
 仏さんに心当たりはないんだな」
念を押す的な感じでそう聞かれ、
「心当たりはないが、推測はできる」
櫻子さんは動き出す

「あっ!櫻子さん!」
やばいと思ったのだろう、正太郎が言う
「さぁ、謎を解こうじゃないか」
あーあ、勝手にやらないでー

「遺体の着衣からして、死んだのは春か、秋。
 雪の残る春にここまで来るのは困難だから、おそらく秋だ」
突然、遺体をチェックする櫻子に検視官が注意をするが、聞かない

その様子に警部さんと正太郎があわてて止めにくるが、淡々と検視結果を語る櫻子さん
「おい!おまえ!また勝手に…」

「しかも遺体の一部はミイラ化している。
 冬の間に死蝋(しろう)化したものが気温の上昇にともない、乾燥したのだろう。ゆえに、去年の秋以前に失踪した人物を探すべきだろうね」
その言葉に警部さん何とも言えない表情…(笑)

「歯の状態からして、かなりの高齢者とみていい、
 それから遺骨の上位頸椎に骨折が見られる。おそらくそこの崖から転落したのだろう。
 だが、直接の死因が窒息死だろうね」

警部さん、若い警部と何か話してる…?
警部さん、なんか企んでる?櫻子さんに言っても聞かないからな…。
何か手も打ってあったのだろうか

「頸椎の骨折により神経が絶たれ、
 自発呼吸ができなかったことが原因だ」
櫻子さん、夢中になって全然気づいてないけど…

「それにしても、こんなにもきれいに骨が残っているとは実に奇跡的だ!
 ふつうはけものが持っていてしまう。よほど運がいい。
 まぁ、本人は間違いなくそんなことを思っていないだろうがね」

そんなことを言っていると、警部さんが櫻子さんの肩に手を置く
「ん?なんだ。もっと詳しい話が聞きたいのか?」
絶対違う…!

すると、にこりと警部さん笑って
「えぇ、そうしていただけると助かるんですがね…」
(笑)絶対、信用できない笑み!

「遺骨の状態からして、
 まず初めに判別すべきことは性別を判別することだ」
まったく気づいてない櫻子さんも櫻子さんだ…。
ため息をはく正太郎

場面が変わって、櫻子さんの家ー
おそらく少し時間が進んだと思う
「じゃ、あれ以来ずっとすねてるんですか?櫻子さん」
正太郎は椅子に座って、ばあやに言う

「えぇ、今回ばかりは直江様に痛くしかられたようで」
あー婚約者に怒られたのか。
 一番効くのはそういうことですよね…(笑)

「すみません…。僕がついていながら…」
正太郎が謝る

「坊ちゃんのせいじゃありませんよ。
 おちいさい時から骨のことになるともう」
「小さい時から?」

「えぇ、きっとオジサマの影響です」
小さい頃からやっていたのなら、まぁばあやも慣れてるよな、そりゃ
「さぁさぁ!冷たいうちに持ってていただけますか?」
ばあやがでんすけスイカをもって、正太郎にそういう

正太郎は櫻子さんの部屋をノックして、部屋へと入る
「お嬢様、冷えっ冷えの
 でんすけスイカをお持ちいたしましたよ」

ばあやのまねをして、そういう正太郎だが、櫻子さんは何も言わない
「やっぱり、すねてる」
キョロキョロとあたりを見回すと、写真が飾ってあった

その写真立てを掴むと
「それがそうたろうだよ」
櫻子さんは言った

「え?」
「私の死んだ弟だ」
私もえ?ってなったよ。教えてくれるんだ

「ずっとそれが聞きたかったんだろう?」
まぁ、前に言いかけてたから、わかってたんだろうね
正太郎が沈黙していると、櫻子さんはくるりと椅子を回してこちらを見た

「完成だ。またせたな。
 では冷えっ冷えのうちにいただこうじゃないか」
そんなに気にしていない雰囲気…?

「(そんなこともあって、僕はすっかり忘れてしまっていた。僕たちが見つけた骨のことを。
 遺骨にはその持ち主がいて、その人には家族がいるってことを)」

時は終業式ー
ようやく夏休みということで変える準備をしていると、
クラスメイトの今井が正太郎にお客さんだと言う

そこには”鴻上百合子さん”がいた

場所を喫茶店に移動し、話をすることになった
「ごめんね、学校じゃ…ちょっと話しづらくて」
少し沈んだ様子の鴻上さん

「あ、あのここのシフォンケーキ、おいしいんだ。
 よかったら…」
そんな様子をなんとか和らげようと、正太郎は提案する

「じゃ、半分こしようか」
鴻上さんは笑って言った
ぱくりとシフォンケーキを食べる正太郎

「ん~この絹のような触感!
 ふわっふわの生クリームと溶けて」

「あのね、舘脇くん。
 ここのシフォンケーキ、おばあちゃんも大好きだったんだ…」
鴻上さんがそう言うと、
「へぇ、そうなんだ」
返したとき、スプーンの落ちる音がした。

「どうして……
 どうしてもっと気遣ってあげられなかったんだろう」
そうつぶやいた

「鴻上、さん?」
「ありがとう、舘脇君」
急なお礼に戸惑う正太郎

「警察から聞いたの。舘脇くんなんでしょ?

 おばあちゃんの、骨を見つけてくれたの」
鴻上さんの祖母の骨だったのか…

「うちのおばあちゃん、去年の秋から行方不明だったの。ある日、急に消えちゃった。
 まるでふと思いついて、近所へ出かけたように。何もかもがそのままだった。
 部屋の電気もつけたまま、書置きひとつ残ってなかった。

おじいちゃんの介護が嫌になって、発作的に家出したとか周りの人は
 色々と言ってたけど、でも…私は信じてた。
 おばあちゃんはそんな人じゃない、自殺なんてしないって!」
鴻上…さん。

「おばあさん、自殺だったの?」
正太郎が聞くと、鴻上さんはうなづいた
「うん。警察が言ってた、よくあることだって」


「で、なぜ私まで行かなくてはならない?
 今日はサルの骨接ぎをする予定だったんだぞ!」
正太郎は櫻子さんを連れ、鴻上の家に来ていた。

「会ってお礼が言いたいそうです」
正太郎はそういうと、「礼などいらない。迷惑だ」と不満そう
いーちゃんの時、助けてもらったでしょう?」
それを言われ、ぐっとつまった櫻子さん
自覚はしてるんだ…。

「わざわざありがとう。九条さんも来てくれたんだね」
「うん」

「ちょっと変わってるけど、悪い人じゃないからさ」
正太郎の言葉に櫻子さんがちょっと反応したぞ
「知ってる。いーちゃんの事件の時に
 私にも九条さんの声が聞こえたから、優しい人ね」

そんな言葉に正太郎はちょっと戸惑う
「ところで二人は…その…」
鴻上さんが言いかけると、正太郎はあわてて否定する
「いやいや、そういうのじゃ全然ないから」
(笑)直接的なことは言っていないけど、言葉のあやでなんとなくだよな

「私、てっきり…」
鴻上さんはそう思ってたのか…(笑)
まぁ、どういう関係か説明するのに苦労する関係性というか…

「僕らはなんていうかその……あっ!保護者みたいな?」
「舘脇くんの?」
いや、櫻子さんの

「いや、僕が櫻子さんの」
本人を前にして、それが言える正太郎君もすごいなと思うけど
「いい絵だな」
ふと、櫻子さんは言った

「祖父が書いたんです」
鴻上さんが答える
「うまの筋肉が非常に正確に美しく描かれている。
 よほど、被写体を観察したうえで描いたんだろう」

「その言葉、分かるうちに
 おじいちゃんに聞かせてあげたかったな」
鴻上さんが言った
わかるうちにって事はわからなくなってきてるってことか?

「そ、そういえばご家族は?」
正太郎が聞くと、
「ごめんね。
 今お母さん、おじいちゃんのデイケアの迎えに行ってて…」
と鴻上さん

「迷惑だった?」
「ううん、全然。
 でも…今になって、おばあちゃんが毎日どんなに大変だったか、やっと分かったかな。おばあちゃん、住み慣れた場所がいいからって当麻の家で寝たきりのおじいちゃんを介護してたの。時々電話しても、大丈夫だからって。

 けど、ほんとは全然大丈夫じゃなかった。
 おじいちゃん、認知症も進んでて……ひどいよね。」
ぎゅっと、手を握り締める

「私たち、それすら知らなかった。おばあちゃんの言葉を真に受けて、
 任せっぱなしにして…
 ううん、ほんとはわかってて、気づかないふりをしたかっただけなのかも…」
そんな鴻上さんの言葉に正太郎は慰めようとするが…

「私たちが!おばあちゃんを追い詰めた!
 私たちが…私のせいで!」


頬に涙がこぼれ、崩れ落ちる

「涙は血液から血漿成分を抜いた液体だ。
 つまり、泣くと水分だけが失われ、一時的に血液が濃くなる。
 体に悪い、のみたまえ」
鴻上さんにお茶を差し出す櫻子さん

「冷めておいしくはないだろうがね」
お茶を受け取り、ごくりと飲んだ
「それでいい」
櫻子さんなりの慰め方なんだろうな

帰り際、鴻上さんから”馬の絵”をもらった櫻子さん
「ありがとう。大切にするよ」
ニコリと笑った
「では戻るとしようか、少年」

帰ろうとすると、鴻上さんは
「あの!九条さん」
「ん?」

「ひとつ、お願いしていいですか?」
そう言った
「なんだ?」

「私に教えてほしいんです!
 おばあちゃんがどこで、どんな風に亡くなったのか」

鴻上さんは真剣な表情で言う


そのお願いを聞き、祖母の亡くなった現場へと鴻上と共に行くことになった櫻子と正太郎
山を登っていく櫻子
「おばあちゃん、こんな山道を…」
そうつぶやく鴻上さんに櫻子は

「一人で寝たきりの夫を介護していたなら、体力はあったんだろう。
 本来、介護とは君たちのような若い人間でも決して楽なことではないんだ」
淡々と言った

正太郎が咎めようとするが、鴻上さんがとめる
「いいの、舘脇君。介護ってね、楽じゃないよ…ほんと」
色々あるんだろうがな…

「当然だ。生きた人間を支えるんだ、容易であるはずがない」
「そう…ですよね」
「この先だ」
櫻子さんが指をさす

先に進み、現場へとやってきた3人

「ここだ」
櫻子さんは言う。
「君の祖母はそこにうつぶせで倒れていた。
 あの辺から落ちたのだろう」

「こんな……さみしい所で…」
鴻上さんがつぶやく
「寂しい所ではない。日当たりもいいし、景色も開けている」

「でも!何もありません。警察に言われました、おばあちゃんは夜のうちに家を出たって。電気がつけっぱなしでポストに朝刊を残っていたから…
 どうして、どうして、暗い中をこんな所まで…!」
顔を伏せる鴻上さんに櫻子はため息を吐いた

「遺骨の初見から私が言えることは少なくとも
 君の祖母は絶命するまで、長く苦しんだわけではないということだ」

「だから…だから崖から飛び降りたっていうんですか。
 楽に死ねるから…」
その言葉に少し驚いた顔をする櫻子さん

「何を言っている…?
 君の祖母はここを死に場所に選んでなどいないだろう?」

「どういうことですか?」
正太郎が聞く
「自明の理だ。あの程度の高さから飛び降りたところで普通は死なないよ。
 自殺はかるなら確実に死ねる場所がいくらでもある」

「でも警察は!」
鴻上さんが言うが、櫻子さんは
「馬鹿らしい。
 君の祖母は確かにあの崖から転落した。だが、それは意図したところではない。
 亡くなったのは打ち所が悪かっただけ、事故だよ」

「そんな…じゃ、どうしておばあちゃんはここに…」
鴻上さんはつぶやく
「君はそれが知りたくてここに来たのだろう?」
理由を知るために櫻子さんに頼んだんだよね?

「登ってみればわかる」
櫻子さんはそう言った。
その言葉に、鴻上さんは走り出す!

「(おばあちゃん…おばあちゃんは何をしたかったの?
 教えて、おばあちゃんは最後に…何を!)」
森を抜け、ぱぁっと視界が開けた

「これで分かっただろう?みたまえ」

櫻子さんが指をさすが、二人とも気づかない
「あーまったく、君たちは何も見ていないんだな
 この景色を」

あの飾ってあった”絵”を
「おじいちゃんの…絵…」
はっときがついて、つぶやく

最初見たときは全然気づかなくて…玄関に飾ってあった絵だった。
しかも、櫻子さんずっと見つめてたのに…

「そうか、あの絵はここから見た夕日を描いたものだったんだ」
正太郎は言う

「毎日見てたのに、気づかなかったなんて…」
「やれやれ…少年、よくそれで高校に受かったものだな。
 方向を確認したまえ」
方向?あー夕日じゃなくて、朝日なの?

櫻子さんから方位磁石を渡される
「こっちが北ってことは…」
「おじいちゃんが描いたのは…夕日じゃない。
 東から登る朝日」

「ご名答。君の祖母が夜中に出たのはこのためだ。
 夫が描いた同じ朝日をここに見に来たんだよ」
櫻子さんは言う
「朝日を…」

「人間の脳は朝日を浴びると、セロトニンという物質が分泌される。セロトニンは通称幸福ホルモンと言われていて、心を穏やかに、快活にさせる効果がある。
 
 つまり、人間は朝日を見ると、元気になるんだ。君の祖母は何かを得るために自分を鼓舞するために来た。決して死ぬためじゃない。絶望したのでもない。
 生きようとして、ここを選んだ

「生きようとして」
「もっともこれは私の推論に過ぎない。
 私なら警察よりも自分が知る祖母の人となりを信じるね」
結構、説得力があるお話だったよ?

「おばあちゃんは朝が早い人でした。
 朝一番に畑に出るのが好きだって、元気の源だって…」
鴻上さんはつぶやく

「そっか…そうだったんだ…。
 おばあちゃんは…朝日をこれからもおじいちゃんと生きていく為に」
涙がこぼれた

ふとその先がオレンジ色に染まって、おばあちゃんが現れた
「(おばあちゃん…!)」

「(そうだね!
 おばあちゃん…すごく元気が出るよね!)」

涙を拭いて、鴻上さんは笑った

祖母の死ぬ真相がわかったおかげで、鴻上さんの心は救われた気がする
あの朝日の絵が、より櫻子さんの推論が真実味が増した。
次回はどうなることやら…

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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