此花のアニメ&漫画タイム

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明かされたもう一つの骨と盗まれた猫の骨の正体!第8話(第捌骨)「託された骨 (後編)」 感想 櫻子さんの足元には死体が埋まっている

此花(このはな)です

今回は櫻子さんの足元には死体が埋まっている。の第8話「託された骨(後編)」の感想を書いていきたいと思います

第8話は前回の続きだという事で理科室に残されていた遺骨を届けに行く所から始まります。櫻子さんが会っていた叔父との会話も気になりますが、猫の標本について気になるところです。今回は正太郎が謎解きと言う感じでした。

さて、本編の感想に行きましょうか!
最初は正太郎と磯崎先生の会話です。
佐々木先生が残した標本たちを片付け終わり、正太郎は遺族へ渡す予定であるはずの”本たち”が残っていることに気付く

「これ、佐々木先生の家族に引き渡すんじゃなかったんですか?」
そう聞くと、訳を説明してくれた
「それがさ、こっちで処分してほしいっていうんだ。
 ここまで来るのは難しいっていうから、まとめて宅配便で送ろうと思ってね」

そんな話を聞いて、正太郎は―
「あの…僕が届けに行ってもいいですか?」
「舘脇が?」

「一応、遺品だし…。
 直接手渡した方がいいと思うんです」

「(本当のことをいうと…僕は女性の骨をここに置いていた佐々木先生という人が知りたかった。それが分かれば、もう少し…あの人の事が分かるような…そんな気が、するんだ)」
正太郎は…前回、飼い猫の話であんなことがあって、優れた標本師であった佐々木先生を知れば、櫻子さんの事が知れるんじゃないかと思ったのか
次の日、正太郎は櫻子さんの家を訪ねた。
「何の用だ?」
お礼のケーキを持ってだ
不機嫌そうな顔で現れた櫻子さんは無言でケーキを受け取って、そのまま家の中に入ろうとする

正太郎は片足でドアを止め、中に入ろうとするのを止めた
「…なんだ?」
「あの、それとちょっとお願いがあるんです」
「お願い?」

そのお願いを櫻子さんは受けてくれた。
「ありがとうございます。……一人で運ぶのは大変だったので」
正太郎は佐々木先生の遺品を家族に運ぶための車を頼んだのだった。

「櫻子さん、もしかして僕の事、避けてますか?」
信号待ちで止まった時、正太郎はそう切り出した。
その言葉に櫻子さんはピクリと反応を示す

「僕、何かしましたか?
 それとも僕と一緒にいると、何かまずい事でも?」
「別にそういうわけではない。ただ、少し疲れているだけだ」

櫻子さん…
やっぱ、叔父に会いに行った話が関係してるのかな。あと、猫

「そういえば、猫の骨が見つからないんですよ。
 櫻子さん知りませんか?」
正太郎は櫻子さんの反応を見ながら、そう聞く
「猫とは?」

「学校に合った標本です」
「猫の骨など知るものか」
櫻子さんは否定した

「いいえ、確かに櫻子さんは猫の骨って僕に言いました」
うん、前回櫻子さんは確かに言ってた
「それは、私の勘違いだろう」

「…勘違い?」
「私だって、間違いくらいあるさ」
そう言われてしまい、何も言えなくなる正太郎だった
前回の最後の櫻子さんのセリフと言い、猫の死因が大きく関係してそうなのは間違いなさそうなのに…

佐々木先生の家族がいる場所についた。

「佐々木厚朗の姉、春馬小雪です。
 生まれつき足が不自由なものでこのまま失礼します」

「いえ、こちらこそ押しかけてしまって…。
 あの…それでこれがあの学校で見つかったものです」
正太郎が言う

「わざわざ届けてくださるなんて
 本当にありがとうございます」
「あぁ、いえ」

そのタイミングで櫻子さんの感嘆する声が聞こえた
櫻子さんはひざを折り、姉である小雪さんの足元を見る
「珍しい足だ」

そう言うと、小雪さんは”はい?”ときょとんとした

「このつま先だよ。人差し指が一番長く、次いで親指と中指、そして薬指と小指の長さが同じだ。これはケルト型と呼ばれていて、非常に珍しい」
(笑)相変わらずの骨格のことか

「さ、櫻子さん!」
櫻子さんの発言を咎めるように正太郎は言うが、小雪さんは笑っていた
「懐かしいですわ。弟も同じことを言っていました。
 父も弟も同じ足をしていましたので」
あぁ、そうだった。かなり骨の事が詳しい先生のご親族だった

「私のおじきも夏場はサンダルの足が見るのが
 楽しみだと言っているよ」
「弟もそうでしたわ」
「私も楽しみなんだ」
ニコリと笑った櫻子

それを見ていた正太郎
「(どういう会話なんだ…。
 でも、ちょっと場が和んだみたいだし)」
(笑)本当にね

正太郎は遺品を小雪さんに一つずつ見せる
「まぁ!寄生木。そうですか…弟の所に。元々は私のだったんですが、
 なっちゃんもお気に入りでよく二人で読みましたわ」

なっちゃんってあの…」
正太郎が言いよどむ
「骨の女か?」
櫻子さんが直球で言った

一瞬息をのむ正太郎
「えぇ、そうです。曽根夏子です。
 私の世話係でかつては親友でもありました」

「そうだったんですか…(かつては…か)」
それを聞いて、短歌が書かれた写真を自分のポケットにしまった
正太郎…

「あの、他には?」
そう尋ねた小雪さん
「あぁ、今出しますね」
紙袋の中身を全部出す

「これで終わりです」
メガネを最後にそう言った正太郎
「そう、ですか…」
少し残念そうな顔をする小雪さん

「学校関係や衣類などもありましたけど、必要でしたか?
 …あとは、古い写真とか」
「いえ、もう一つ骨が見つかると思ったんです」

え? もうひとつあるの?
「骨? 動物の標本ですか?」
驚いたように正太郎が聞くと

「いえ、人間の…赤ん坊の骨です」
まさかの情報だった
「人間の赤ん坊…流石にそれは…」

「誰の骨だ?」
櫻子さんがそう聞く
「さ、櫻子さん!」
直球で聞く櫻子さんに正太郎は言う

なっちゃん……夏子が生んだ子供の骨です」
その骨が佐々木先生の所にあると思っていた?

「私の家は大きな商家でしたが、ある日父が私の世話係として、夏子を連れて来たんです。遊郭勤めだった母が亡くなり、父親もしれない夏子を私の父が引き取った、というのは後から知りました。

 私も弟も夏子とすぐに打ち解け、こんなに楽しい日々はないというぐらい幸せな日々がずっと続いていました」

「私が17ぐらいの頃です。夏子が未婚のまま、身ごもってしまい私が静養していた離れで子供を産み落としたんです。でも……早産でその子はすぐに亡くなりました」
…なるほど

「その…父親はもしかして」
正太郎が言うが、小雪さんは否定した
「弟は夏子を愛していたようでしたが、でも夏子は自分をわきまえていました。そういう時代でした。決して弟ではありません」

「泣きながら夏子はその不憫な子供を捨てに行きました。長い夜が過ぎ、青ざめた夏子がうちに帰ってきて私に言いました。子供を埋めたのを弟に知られてしまった、と」

「教師になると言って、親に勘当された弟に夏子が嫁ぐこともありませんでした。二人にミゾが出来たことは確かでしょう」
小雪さんは手のひらで顔をおおう

「私が嫁ぐと同時に夏子はすぐに家を出てしまいました。数年後に彼女が一人で亡くなったと知り、私達で遺骨を引き取ったんですが、弟はずっと夏子を忘れられなかったんでしょうね。あの時の不幸な赤ん坊を今でも思い出すんです。

 叶うのなら夏子と共に赤ん坊の骨を私たちのお墓に入れてやりたいと
 ……そうですか、弟の所には」

「だが、別の場所に置かれている可能性はある」
櫻子さんは言った
「え?」
小雪さんが顔を上げる

「寄生木(やどぎり)だ」
寄生木の本を持った。そこには春光台にて、と書かれている。

場面が変わる

「春光台には寄生木の石碑がある」
やってきたのは”春光台”
「蘆花(ろか)、寄生木ゆかりの地…」

「このあたりで何かを埋めるなら…
 この白樺の根元が適当だろう」
正太郎が根元を掘り進めると、カチンと掘る音とは違う音がした

確認すると、骨ではなく何か箱のようなものが出てきた
「オルゴールみたいですね」
正太郎は言う
櫻子さんが中身を開けると

「まさか…本当にあるなんて…」
中に小さい骨と大きな骨が入っていた
小雪が言っていたことは本当だったんだな

櫻子さんはゴム手袋をして、その骨を観察する
「地中に埋めたものを一度掘り出して
 これに納めたらしい。ん?」
「どうしたんですか?」

大きい骨を見て
「これは成人女性の腰椎のかけらだな…」
とつぶやく
「成人女性の?」

「おそらく理科室で見つけた夏子という女のものだろう。
 ……あぁ、そうか」
櫻子さんは途中で何かに気付いたようで、笑い出した
「…櫻子さん?」

「乳だ。なるほど…マミラリプロレス、
 この二つの突起のことをラテン語で小さな乳房と呼ぶんだよ」
なるほどね、この骨だけを赤ん坊と共に埋めた理由か、それが

「それって?」
「おそらく佐々木先生が入れたんだ。
 彼らしいじゃないか」

「つまり、夏子さんが亡くなった後、
 赤ちゃんの骨を掘り越してオルゴールに詰めてまた埋めたってことですか?」
正太郎は聞く
「おそらくそうだ」

その大きな骨を見た後、櫻子さんは小さい骨たちを見る

「なんだ…これは」
「何か…?」

「いや、ひとまずあのご婦人の所に帰ろう」
あの骨に何かある?

こうして、オルゴールをもって、小雪さんの所へ戻る二人
「これは!私から夏子に贈ったオルゴールです」
そのオルゴールは夏子さんに贈ったもの…

「おそらく遺骨と一緒に佐々木先生が引き取ったものだろう」
櫻子さんが言う
「いったいどこに?」

「あなたが探していたのはこれだね?」
櫻子さんに言われ、はっとして小雪さんがオルゴールのふたをあける
「じゃ、まさか…!」

「あぁ!!これで、一緒にお墓に入れてやれます…」
その骨にすり寄るようにオルゴールに頬を当てる
「それがいい。
 いずれ本当の母親も同じ墓に入ることになるのだからな」

えっ!?じゃ…
「あなたも佐々木先生と夏子と同じ墓に入るんだろう?」
「櫻子さん、それはどういう?」
正太郎は不思議そうにする

子供を産んだのは夏子ではない。
 あなただね

「え?」

「夏子が自ら子供を埋めに行ったとあなたは話した。
 最初に埋めたのがどこだったのか知らないが、なんにせよ出産直後にそれを行うのは下手すれば命に関わる危険な行為だ。そもそも彼女がわざわざあなたの部屋で出産した理由は?」

そう聞かれ動揺した顔をしたまま、小雪さんは言いよどむ
「それは……」
「それはつまり、その場なければならない理由があったんだろう。
 そのオルゴールに入っている赤ん坊の拇指(ぼし)は第3指と同じ長さだった」

「第3指…?」
正太郎はつぶやく
「つまり、あの赤ん坊の足のつま先は貴方と同じケルト型なんだよ」
かなり珍しいケルト型の骨…。だからこそ、櫻子さんはそう推理した

ケルト型のつま先は本当に珍しい。仮にあの赤ん坊を夏子が生んだとするなら、
 確率論的に赤ん坊の父親は…」
「(佐々木先生か、でなければお二人のお父さんってことに…!)」

「違います。この子は母親に似たんです」
はっきりと小雪さんは言った
「生んだのはこの私ですから」
…何か話せなかった理由があったんだろうな。隠していたのは

「私は…父の知り合いで時折家を訪れていた人に
 恋をしてしまいましたの」

「夏子は素敵な恋文を代筆してくれたり、色々と手引きをしてくれました。でもその人に家庭があることを知り、私達は別れました」

「でもその時、私のお腹には…おいわるく縁談の話をすすめており、
 どうするか思いあぐねているうちに…」
早産してしまった…と。相当なストレスがかかっていたんだろうな

「その後、先程のお話通りです。夏子は私を守ってくれたんです。
 弟との恋路を捨ててでも。皆に先立たれ、気が付けば私一人になっていました。
 これも自業自得というものなのかもしれませんわ」
小雪さん…。

小雪さんと別れ、正太郎と櫻子さんの二人は車に乗って、家路へと向かう
「骨を手元に置いておくほどなら、
 何故佐々木先生は最初から夏子さんとの思いを遂げなかったんだろう…」
車内で正太郎がつぶやく

「君の悪い癖だ」
櫻子さんは言った
「はい?」
この時のシーンの意味が分からなかったんだけど、あぁ見直して気づいた。
佐々木先生は赤ん坊の父親を分かってたという前提で正太郎君は話したのか

「真実は必ずしも一つであると限らない」
「どういうことですか?」

「佐々木先生は赤子が夏子の子だと思い込んでいた。
 お姉さんの子なら骨の一部入れてあげる理由がありませんからね」
正太郎は言う

「そのため、自分の家系に多いつま先の特徴を見て、
 夏子の父は自分の父だと思ってしまったのではないか?」
その言葉に正太郎は驚く

「夏子さんにお父さんはいないって…」
”「父親もしれない夏子を私の父が引き取った…」”
小雪さんの言葉を思い出し、あぁと納得する正太郎
「そうか…」

「それならば、夏子が佐々木家に来た経緯も納得する」
櫻子さんは言う
「確かに…お父さんが連れて来たって言ってましたね」

「あの骨の状態からして、先生は数年で掘り起こしていたのだろう。
 そしてその時に自分と夏子が異母兄弟であると思い込んでしまったんだ」
それだったら、身を引く理由も分かる気がする

「そうか…だからだったんですね。
 (だからといって、好きだった人の骨を手元に置いておいたり、掘り起こす行為は普通じゃないと思う。櫻子さんにはわかるんだ。そんな佐々木先生の気持ちが)」

手元に骨を置いておくというのは普通の人から見れば、異常だと思う、か…。
正太郎は小雪さんと夏子さんが写っている写真があるポケットに手を当てる
「あっ、櫻子さん」

車を止めさせ、北鎮記念館の前で降りる正太郎
「大丈夫です。バスで帰れますから。
 ちょっと調べもの思い出しちゃって」
そう言って、櫻子さんと別れた

”「旭川が舞台の話らしいね。
 確か…北鎮記念館にパネルがあったなぁ」”

そう言った磯崎先生の言葉があったからだ。

そうして、正太郎はまた小雪のもとを訪ねた
「何度もお邪魔してすいません」

正太郎はその写真を小雪さんに渡す
「私と夏子です。…懐かしい」

「あの、裏を見ていただけますか?」
そう言われ、短歌が書いてある裏を見る小雪さん

「北鎮記念館でその短歌の意味を調べてきました」

そう話すと、小雪さんが
「寄生木(やどぎり)のモデルになった主人公が亡くなったことを知った徳富蘆花が春光台で謡ったと言われているものですわね」
意味を語ってくれた

「ご存じだったんですね」
「これは…蘆花が人の別れに対する断腸の思いを詠ったものなんです」

それを聞いて、手を頭にやる正太郎
「そうみたいですね。僕、勝手にその短歌をよくないものだと誤解して、
 渡しそびれちゃってすいませんでした」
「そうでしたの」

「本を読むのが大好きだったなっちゃんらしいわ…」
小雪さんが語る声に涙がやどる
その瞬間、蛍光灯の光が暗くなって

「自分が永くないこと知って、
 あの子はこの写真に別れの想いを記したのかもしれませんね」

若いころの姿となり、涙をこぼした
「ごめんね…本当にごめんね…なっちゃん!」

この短歌が小雪さんを救ったならいいな
場面が変わり、学校の理科室ー
正太郎は人体標本を見ていた

「真実は一つとは限らないか…。…ひとつじゃない…レイディアス(坐骨)。
…そうか!」

場所が変わって、九条家
「貴方はいつだって、物事には骨が
 理由があると言ってましたよね」
放課後、櫻子さんに会いに来た正太郎はある骨を見せる

「理由、とは?」
櫻子さんはつぶやく

「あなたが学校の骨を盗んだ理由です」
その言葉に
「話だけは聞いてやろう」
櫻子さんは言う

「よく考えれば、珍しくもない猫の骨をあなたが盗むこと自体が不自然なんです。理科室に張られた骨格のポスターを見て気づきました。
 
アルナ…つまり尺骨は二の腕から手首までの間に二股に分かれた骨の一方で橈骨、レイディアスです。なぜ、上腕骨でなく、大腿骨ではなく尺骨なのか?
それはアルナと対をなす”レイディアス”の名前を持つ猫もいたんじゃないですか?」
なるほど、だから…その盗んだ骨がレイディアスだったとしたら、辻褄が合うと?

「あなたが欲しがる猫の骨と言えば、これしかない。
 学校にあった猫の標本、あなたが盗んだ骨こそがレイディアスの骨なんです。そして、もうひとつ」

「続けたまえ」
櫻子さんは黙ってそう一言
「櫻子さん、あなたはうちの高校の卒業生だったんですね」
「なぜ、そう思うんだ?」

「骨がつながるからです。文化祭の時、迷わず理科室にいた事」
”「違うな。これは佐々木先生のものではないと思う」”
「佐々木先生の名前をすでに知っていた。さらに言うなら、明星高校は10年前までは女子高でした。女子高なら、お嬢様の櫻子さんが通っていても不思議じゃないですしね」

その正太郎の話にパチパチと拍手をする櫻子さん
「少年にしては上出来だ。
 君は洞察力は足りないが、観察力はある」

「ちょっとした違和感だったのですっかり忘れてましたが」
「私よりよほど探偵向きかもしれないぞ」
櫻子さんは言う

「私の技術は佐々木先生から学んだものなんだ」
えっ?そうなのか
「本当にいい先生だったよ」

箱を開けると、猫の標本があった
「君の言う通り、これがレイディアスだ」

「しかし、見たいとは思っていたが
 手元に置いておこうとは思っていなかった」
「じゃ、どうして?」
正太郎は驚く

「修繕が必要だった。
 この骨は特別な物だから持ち帰ってやりたかっただけだ」
「なら言ってくれればよかったのに…」
つぶやく正太郎

「君だよ、君が”猫の生きていた頃などいう話をするから
 だから返したくなくなった」
その言葉に正太郎はちょっとした驚きの表情浮かべる
やっぱり、櫻子さんもそういう一面があるんだな…

「アルナとレイディアスは本当に仲が良かった。昔のように一緒に置いてやりたかったんだ。そもそも!私の骨ともいえる標本だ!
 私が持っていて何が悪い!」
感情的にそう言う櫻子さん

「本当にくだらない事だ…。感情的で愚かな人間と同じじゃないか…。
 犬の方がよほど自制心があるというものだ」

「あの日も雨だった…。アルナとレイディアスは
 何者かに毒を盛られて死んだんだ。二匹とも……とても苦しんでね」
毒と言う言葉に正太郎ははっとする
そんな気がしてたんだ…。叔父さんの所に行った理由も猫の事を関係しているんじゃないかと…

「佐々木先生は何も聞きはしなかったが、私の望んでいたことを理解してくれた。彼は本当にすぐれた標本師だった」

「このことがきっかけで私は先生から丁寧な指導を受けるようになった。
 そして、私をたった一人の愛弟子だとそう言ってくれたんだ」
「思い出の…きっかけの標本なんですね」

「余計な話をしない人だったが、
 一度だけ彼の伴侶について話をしたことがある」
その言葉にはっとする

「添い遂げる事がかなわない相手だったが、彼女が死してやっと
 自分たちはひとつになれた。そばにいてくれるんだと彼は私にそう話した」
櫻子さんは言う
「じゃあ、その時はもうあそこに…」

「彼にとって死はやすらぎであり、完成された形だった。
 彼は間違いなく幸福だったと思う」

「レイディアスは…返さなくてもいいです」
正太郎はそう言った
「なに?」
驚いた顔で櫻子さんは顔を上げる

「磯崎先生に話しました。狐の骨と交換でいいそうです」
まったく正太郎君は優しいね。まぁ、そういう事情ならしょうがないもんな…
「少年…!!」
嬉しそうな表情を見せる櫻子さん

「じゃ、いつまでもこんな箱に閉じ込めておかないで、レイディアスを組み立てましょう!お手伝いします」
「ばあや!少年に紅茶を頼む」
櫻子さんがばあやに言う

正太郎が組み立てをやろうとするが、どれからやっていいか分からない
「えーっと…で、何から始めれば?」

叔父さんとした会話が描写される
「深入りするつもりはありません。事実を知りたいだけです。でないと、私は…」

意味深な感じで終わった…。
やはり、猫の変死がその叔父さんのファイルに関係してるという事か?
このシリーズ、その話が分かって終わるのかな…

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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