此花のアニメ&漫画タイム

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「あの子はやっぱり、心の優しい女の子なんです」アスラの笑顔とシハナの決意。第3回「光の力」 感想 精霊の守り人Ⅱ悲しき破壊神

此花(このはな)です

今回は精霊の守り人Ⅱ悲しき破壊神の第3回「光の力」の感想を書いていきたいと思います

第3回「光の力」
あらすじ
バルサ綾瀬はるか)はアスラ(鈴木梨央)を狙う刺客から逃れて国境の街に住むマーサ(渡辺えり)の衣装店に身を寄せ、アスラが笑顔を取り戻すのを見てホッとする。

一方、人質となったタンダ(東出昌大)はスファル(柄本明)から、アスラに宿ったのは破壊神で、再び人々が恐怖に支配されるのを許すのかとただされ、バルサの逃亡先を教えてしまう。その頃、サンガル王国に囚われたチャグム(板垣瑞生)は何者かに命を狙われていた。

公式より
第3回「光の力」|精霊の守り人 悲しき破壊神|NHK大河ファンタジー

3回はマーサの衣装店の話がすっごい良かった。
アスラの笑顔が見れてよかったなぁ…

タルハマヤ神話は原作とちょっとだけ違って、サーダ・タルハヤマになった少女が両親を目の前で殺されているという話が追加されていた。確かに憎しみや怒りに宿る神様なので、お話としてはありえる話かもなって思った。

そのサーダ・タルハヤマを倒すまでの経緯はなかったけれど……
他のシーンでやるのかな?

今回は神の守り人中心!って言えるくらい、かなり尺を割いていた。
チャグム側の動きがあんまりなかった。チャグムが自分から動こうと決意するまでだったし…

さて、本編の感想へ行きましょうか!
最初はバルサがアスラに問いかけるシーンから
「これまで何があったのか、話してくれるかな」
「え?」

「チキサとアスラに、何があったのか」
バルサはアスラに問いかける
「カミサマ、のこと?」

「どうしてその、カミサマになった」
たどたどしく、バルサは言う
「お母さんが招いたから」

「どこで?」
「深い森の中……カミサマのお墓。そこにはタルの神様がいるの。
 だけど今は、タル人は入ってはいけないの」

禁域の森の中ー回想―
母・トリーシアと兄・チキサと一緒にやって来たアスラ
アスラの目にはあちこちに光るものが見えていた。

「チキサ、お前はここで待っていなさい」
そう言う母・トリーシア
このシーンだけ、色がないのが怖い

母と二人だけで奥へと進むアスラ
「ここにはカミサマがいるのよ」
「カミサマ…?」
「恐れなくてもいいのよ、間違っているのは他の人たちだから」

「今はロタの神様が置かれているけれど、本当に神様が見えるのは」
母・トリーシアはそっとアスラの両手を包む
「あたし達、タルの民だけ」

トリーシアにとって、アスラは”光”だからなぁ…
かけがえのないもの。

奥へと進むと、そこにはミイラになった少女の遺体があった
トリーシアはひざを折り、聖句を繰り返す
タルハマヤという神様の名を言ってるくらいしかわからなかった…。

「あっ、光の輪…?」
アスラが驚きを口に出すと、母・トリーシアは嬉しそうに言う
「アスラ! 貴方にはそれが見えるのね」

「えぇ、見えるわ。母様には見えないの?」
「貴女の、胸にあるのと同じ」
アスラの問いには答えず、さぁっと光の輪へと導くトリーシア

「眩しすぎる光は人の目をくらませる。光を見てるのに、
 闇を見ていると思い込むのよ」
「本当に神様が見えるのは私達、タルの民だけ」

「さぁアスラ。
 その聖なる宿り木の輪を手に取りなさい」

「怖いわ…」怯えるアスラ
「大丈夫。大丈夫、お母さんがついてる。
 これはあなたに訪れたタルの運命なのよ」

こうしてアスラは聖なる宿り木の輪を手に取った
その瞬間、血まみれになった少女が大樹へと向かっている映像が流れ、
飛び起きるアスラ

「怖い夢を見たんだね」
バルサは言う
「ここはどこ?」
そう動揺した様子でアスラは言う

「ここは遊牧民の野営地だ。
 昨日からここにいる」
淡々と答えるバルサ

アスラはバルサの手をつかみ
バルサはずっといる?」
問いかける
「あぁ、いるよ。私はあんたの用心棒を引き受けたんだ」

バルサの答えに不思議そうな様子を見せるアスラ
「用心棒…?」
「だから、安心してもう少しお眠り」
アスラはバルサにくっついて、怖い夢を見ないようにする

だが、やけに濃い朝霧にバルサは”カシャル”達に居場所がバレたと気づく
アスラにここにいるように告げ、

「いいかいアスラ、何があってもカミサマを招いちゃいけないよ」
「どうして?」
「私はあんたの用心棒だ。あんたを守るのが私の役目だよ」

バルサは死なない?」
「あぁ、絶対に」
バルサはカシャルたちに戦いを開始!

霧の中で矢を防ぎ、見えない敵に対処するバルサかっこいい!
短槍にヒモをくくりつけ、その見えない敵に向かって、槍を放つ
紐を使って、首を縛り上げ、意識を失わせるバルサ

アスラが外に飛び出してくると「アスラ!来ちゃいけない!」バルサは叫ぶ
でもその瞬間、危ない!とアスラは叫ぶ
バルサの後ろに”カシャル”がいたのだ

その攻撃を避け、紐をつけた短槍を放つと、見事に槍はカシャルに命中する。
動けないように足にバルサは矢を突き刺した

「……殺したの?」
「殺してないよ。気を失っているだけだ」
バルサは決して人を殺さない。

「殺して見ろ、化け物!」
意識があったカシャルはアスラにそう言い放つ
「ここにいる皆がばけもんだと思って、お前を見ているぞ」

その言葉にあたりを見回すアスラ
霧は晴れ、遊牧民たちが集まってきていた
「あんたを試しているだけだ。気にするな」
バルサは言う

「俺たちを殺さなければ、お前の兄が死ぬぞ!」
その言葉にはっとカシャルを見るアスラ
「母親と同じようになるぞ!」

悪意のある言葉に怒りの表情を見せるアスラ
「そうだ、やれ! 
 ここにいる皆を殺してしまえ、化け物!」

「さぁ、行こうアスラ」
バルサがこの場所から立ち去ろうとアスラを促すが、アスラは燃え上がる感情を押さえられなかった
「殺して……あいつを殺して!」
「アスラ……」

そんな出来事があり、
友好的だった遊牧民たちはこの場から立ち去るように言う
何もせず、立ち去るように言うのはまだ良い方かな……

草原の中を馬でかける二人
その姿をスファルのマロ鷹が見つけていた
バルサはどうやら、ロタと新ヨゴの国境にひろがる
 四路街(しろがい)に向かったようだ」

すふぁるが言う

「また逃げられたんですね」
タンダがそう言うと、シハナがタンダを蹴り上げる
痛そう…

「四路街であの女が行きそうなところを教えろ」
シハナがそう言い放つが、タンダは答えない
「さぁね」

シハナはタンダ達を縛っている縄を外した
バルサがここには戻ってこない”と踏んだようだ
「好きにすればいい」
「そんなことしたって、
 俺とチキサが四路街に向かうはずもないでしょう」

「そうかな? 本当に放っておけるのかな?アスラを。
 放っておけばどうなるか、兄のお前ならわかる筈だ」
シハナはチキサに言う

「タル人はその恐ろしい神の力を使って、この世を支配してきたことを。
 お前の母親なら話しているだろうからね」
そのシハナの言葉に
チキサは教え込まれた、疑っていた母の教えを叫んだ

「支配などしていない!平和を守って来たんだ!
 それを勝手に滅ぼしたのはお前ら、ロタ人じゃないか!
 だから、母さんが処刑されたとき、神様が怒ったんだ!」

「怒ったのは妹だよ。妹の力だよ」
シハナの言葉にチキサは黙り込んでしまう
…たとえ、チキサが母の教えを疑っていたとしても、タル人の事を侮辱されれば、怒るよね。

すると、黙っていたスファルが口を開いた
「その恐ろしき神の名はタルハマヤ」
「タルハマヤ……?」

「その神を祭り、栄華を誇ったその種族、それがタルの民の祖先だ。
 太古のロタの国でタルの祖先である、一人の娘は異能者として、この世に生を受けた」

「……娘は美しかった。美しすぎた。
 その美しさから他の種族達にさらわれそうになり、その時親を目の前で殺された」

「この世に失望した娘は死に場所を求めて歩いていた。
 そこで不思議な泉に出会った。その泉には巨大な樹が生えていた。人の目には見えぬその樹を娘は見ることが出来た」

「その泉は異界と繋がり、血に飢えた恐ろしい神・タルハマヤが住んでいた。
 タルハマヤは人の絶望に憑りつき、怒りや憎しみに力を与える」

「その娘の名はサーダ・タルハマヤ。
 神とひとつになりしものと呼ばれ、他の氏族達を殺戮し、たちまち全土を征服した」

「それから数百年して、
 今度はアスラがサーダ・タルハマヤになるのよ」
シハナはスファルに続けて言う

その言葉にチキサが反論する
「違う……違う!」
シハナに掴みかかるチキサ

「それはロタの作り上げた伝説だ!
 サーダ・タルハマヤは神を招くことによって、
 氏族同士の争いを終わらせたんだ!平和の世を作り上げたんだ!」
そんなチキサを押さえようとタンダがシハナから引き離す

「確かに、氏族同士の争いはなくなった。だがそれは、恐怖故に声を出すものがいなかっただけだ! タル人はその恐怖でロタ人を抑えつけた。
 お前はそれを、平和と呼ぶのか?」

「もうやめろ! 
 チキサを苦しめてこれ以上どうするんだ!」
タンダはそう叫ぶ
タンダ……

「タンダ、時に犠牲を払わねばいけないこともある」
そんなスファルの言葉に揺れるタンダの心

バルサとアスラは行商人の恰好をしながら、
四路街へと来ていた。
カラフルな色の糸を目印にバルサは店を訪れる
「ちょ、ちょ、ちょ、どこへ行くんだい」
衣装店の人と思われる人がバルサに声をかけた

「行商人かね?」
「……はい。マーサさんにお会いしたいのですが…」
バルサはそう切り出す
「大奥様にそれをお売りにかい?」

「……私はバルサと申します」
バルサはそう、名を名乗った
バルサ……ちょいとお待ちを」

「大奥様!大奥様! 
 …バルサという方が見えているんですけど…」
こそっとマーサと呼ばれる女性に告げる

その名を聞いたマーサさんは慌てた様子でバルサの前へ現れた
バルサ……バルサ! まぁ!バルサじゃないの」
嬉しそうに出迎えてくれた
「しばらくでした」
やっぱ、マーサさんって感じだ。役に合ってるなぁ

「とりあえず、食事は様子を見てからにしますからねぇ」
テーブルにお茶と菓子が出される
「いえ、長居をするつもりはありませんから」

バルサが言うと、マーサは
「そうじゃないの。私が様子を見ると言ったのは怪我のこと。
 ……ケガしてるでしょ?」
そう問いかける
「……マーサさんの目はごまかせませんね」

「そうよ。顔色一つで貴方の事はなんだって分かってしまう。
 さぁ、見せてごらんなさい」
マーサがそう促すと、そっと怪我を見せるバルサ

矢傷ね、と確認すると、医術師を呼びましょう、とマーサは言う
「……実は追われています。迷惑がかかります」
そう言うが、マーサは
「追われているなら、なおさらのこと。ここで休むべきよ」
いう

すぐに医術師をよんできてちょうだい、とタロに言って、
バルサにお金を渡した
「はい、これでまた貴方を用心棒として雇うことにします。
 もうどこにも行けないでしょう?」

そう笑みを浮かべてマーサさんは言った
その笑みにバルサもほっとしたようで

「そのお嬢さんはまず湯浴みをした方が良いわね……」
マーサさんはアスラの湯浴みの準備を始め出した

場面が変わり、アスラの湯浴みの手伝いをするマーサ
アスラの身体には謎の文様が浮かび上がっていた
「まぁこれは、貴女もけがをしているの?」

「これは……生まれた時からあるの」
アスラがそう言いにくそうに答えると、マーサさんはこれ以上何も聞かなかった
この文様は生まれた時からあったから、トリーシアは特別な子だと思ったのかな…?

湯船に入りながら、アスラはタルの歌を歌う
すごく悲しい歌のような気がして…
あ、これってトリーシアが歌っていた聖句…

回想ー夜明け近くなった頃―
陰の司祭たちが禁域の森に向かうのを見て、
チキサは森に入った母と妹を呼びに行く

だが、その前に影の司祭(タル・クマーダ)たちに見つかってしまい…?
家族の全員、囚われてしまう
そして、母・トリーシアの処刑……か

陰の司祭というのはタルハマヤを目覚めさせないように儀式を行い続ける役目の人たちであり、本来であれば、アスラも同じような役目になるはずだった。
異能者、つまりノユークを見れる者が陰の司祭になるからだ。

昔からのしきたりで異能者として生まれたものは”14歳でラマウ(仕える者)”になり、聖伝を暗唱し、儀式を習い、心の平安を得る方法を学んで、40の年には、タル・クマーダ(陰の司祭)となる。

つまり、タルの側もタルハマヤを降臨させないように守ってきていたわけだ。
だからこそ、禁域の森に入ったトリーシアたちをロタ人に引き渡した

場面が変わり、タンダ達
「なぁ、妹がサーダ・タルハマヤになってもいいのかぁ?」
シハナはいう
「四路街でバルサが立ち寄りそうな場所を教えてくれないか」

その問いかけに迷い続けるタンダ
「わかりました。
 けど、俺とチキサと一緒にアスラを救う道があるなら最後までそれを探す、それが条件です」

「お前みたいな無能者が何を言う」
シハナは言い捨てる
「俺は無力でも、死んでもバルサを裏切らない」
タンダはそう言った

その後のシハナの視線のやり方が気になる。
不穏なにおいしかない

場面が変わって、ロタ王城ー
南の領主だけ増税をするという王の方針に南の領主たちから大反発を食らうイーハン王弟
ロタ王国の為だと言っても、反対の意見を続ける南の領主たち

北部では羊の疫病が蔓延しており、このまま北部でも増税してしまうと
北部の人たちは冬を越せないのだ。

北部と南部の対立は変わらず、売り言葉に買い言葉の状態
イーハン王弟はこの対立をまとめられていなかった

「静まれ!!」
ヨーサム王の大声に一瞬で静かになる
「恐れながら……」

スーアンが手をあげると、ヨーサムは”スーアン”の発言を許可する
「イーハン殿下が北部に肩入れするのは北部にいるタルの民を解放したいと
 思っての事ではありませんか」
うわぁ……ヨーサム王の懸念通りの言葉を言いやがった

「タルとこの増税は関係がない」
イーハンはそれをきっぱり否定する
「では祭儀場の惨状とも関係ないのですかな?」
そことつなぎ合わせるのかよ……。まぁ、これも不穏の気配の一端か

その言葉にイーハンはトリーシアの事を思い出す
「あの惨状は
 あのおぞましきタルの伝説を彷彿させるものではござりませんか?」

ちらりとイーハン王弟を見るロタ王・ヨーサム
複雑そうな表情のイーハン
苦悩してるなぁ…イーハン。

「だとしたら、
 タルの民をロタから一掃すべき時ではないのですか」

スーアン大領主はいう

「スーアン」
ヨーサム王は口を開いた
増税とその事は関係ない」

その王の言葉を受け入れるスーアン大領主
「分かりました、南部のみの増税を承知しましょう。
 その代わり、ツーラム港をタルシュ帝国に開港することをお認め下さい」
そう来たか…

「タルシュ帝国と同盟を結ぶことで戦を避けられ、
 国を豊かになります」

それは嘘だ。
いずれ、タルシュの枝国になり、乗っ取られるだけだよ…スーアン。

「新ヨゴ国のようにはなりませんように、
 ご考慮くださいませ」
スーアンの一言にロタ王・ヨーサムは聞き返す
「新ヨゴ国はいかがした?」

「サンガルに戻ったサンガル商人から、
 あの新ヨゴ国の船は海の藻屑ときえたようです」
スーアンからロタ王に情報が行くのか…

一方、新ヨゴ国王宮にはサンガルから文が届いていた。
そこにはトーサ大提督以外全員”捕虜”となったという情報。
降伏を認め、捕虜を取り戻すか、我らと戦う意志を持って軍を送り込むかは帝次第だと書かれていた。

聖導師は”タルシュ帝国との交渉の術を探ります”というが、
帝は”捨ておけ”と一言

ラドウ陸軍将軍の笑みが嫌な感じだ。
帝の方針は捕虜を捨て、放っておくことだった

「私が動かねば、相手が動くしか無かろう」
という帝
「万が一、皇太子が囚われた事が敵の知ることになりますれば…」

「案ずるな。
 ラドウ陸軍大将は敵の動き備えよ」
そう帝はつげ、部屋に出ていく

その後のガガイさんが「シュガの奴、可哀想に……」
と笑いながら言うのがちょっと…(笑)

すっかり忘れてたんだけど、シュガって原作だと王宮にいるよね。
どうするのか、気になってしょうがないんだけど……情報のやり取りがカギなのかな?

一方、サンガル王国ーチャグムが囚われた牢ー
サンガル人はその牢に豪華な食事を持ってくる
チャグムは捕虜になった事を恥と思い、生きる気力をなくしていた

食事をあまり食べないのを心配そうにするシュガ
「何のために持たせるのだ? ただ、死を待つためにか」
「そのようなことはございません」

「ならばどうなる? 父上が動くとでも思うのか?」
「それでも、助けを待つのです」
シュガはいう

「助けなどあるまい。私は……お爺様を助けれなかった。
 トーサ大提督を助けられなかった。見殺しにするほかなかったのだ」
チャグムが言葉を発するたびに牢にいる人々は静かになってしまう

「泣くのはおやめください。気が滅入る」
ジンはそう言い放つ
「おい」

「やはり子供でしたな、貴方は」
「止めぬか、ジン」
モンがそう言うが…

「精霊の卵を抱いて、魔物のいる水源に飛び込んだ時の貴方は
 ただの子どもではないと思いましたが、今の方がよほど子供に見える」
そのまま言いづける

「無礼な口きくな」
シュガはそう言う
「今は皇太子ではないだろう? 
 口の利き方に気を付けていたら、敵に気取られよう」

「それでもここにいる人たちにとって、貴方は皇太子に違いなく、誰もが貴方の言動を気にしています。
 そんな事も分からぬ子供だったとは皆も生きる気力をなくしましょう」
ジンの言うとおり、なんだろうな

「もうよい。殿下を責めるな」
モンがそう言う
「殿下の辛さは誰もがよくわかっている事でございます。虜囚になるくらいなら、死を選んだ方がましだと思っているのです」

そんなモンの言葉にチャグムの心には”トーサ大提督”の言葉がよみがえる
”殿下は生きることが使命です。
 我が国を、民を、生き延びさせることが使命です”

”「無駄にしない。絶対に無駄にはしない!」”
そう叫んだ自分を

「殿下、
 トーサ大提督の死を無駄にはしないとおっしゃったのは殿下です」
シュガは言う

チャグムは自分の涙を拭き、船員たちに向き直った
「皆!すまなかった。許してくれ」
そう、皆に謝るチャグム。すると、船員たちは皆、姿勢を改める

「いや、そんなことはしなくていい。食事を続けてくれ」
「私も今は、そなたらと同じ捕虜の身である。私への気遣いは不要だ」

「トーサ大提督は自らの死を選ぶことで、そなたらに生きる事の辛さを選ばさせた。あえて、その辛さを背負わせたのだ」
チャグムは船員達の視線を合わせ、ひざをつく

「生き抜こう。
 どんな目に合おうとも、生きる事を恥じることはないのだ。
 生きているそなたたちを私は誇りに思う」
そう、皆を鼓舞するチャグム

「「「殿下……」」」
その言葉にすすり泣く声が聞こえる
「さぁ! もう呼び方はこれっきりだ。
 チャグムと呼んでくれ」

そう言うと、チャグムは手づかみで料理を食らい始めた
「うめぇ!」
チャグム……

場面が変わり、眠っているバルサが目を覚ます
そこには楽しそうに笑うアスラの姿があった。
マーサさんと一緒に機織りを学んだり、幸せそうにしていた

「あ、ほら、バルサが目を覚ましたわ」
マーサさんがいうと、アスラがその事に気づく
「あ、バルサ! 大丈夫?」
アスラの声がほんと、楽しそうで……よかった

「一日中眠っていたのよ」
マーサさんは言う

「一日……アスラの面倒を見て下さっていたんですか?」
バルサはいう
「違うわよ、仕事を仕込んでいたの。この子、とっても上手だわよ。
 機織りの筋があるのね。私の若い頃みたい」

「ねぇバルサ。マーサさんの布はとてもいい匂いがするわ。
 まるでお花を織った布みたい。ほら…」
くるりと服を見せるように一回転するアスラ
花の衣のシーン、ここで!

「とっても似合ってるわよ」
マーサさんはいう
「ほんと?」
コクリとうなづくバルサ

バルサが貴方と同じ年の頃には、あたしがいくら頼んでも
 とうとう着てもらえなかった…。用心棒だから、女らしい衣は嫌だだってね」
そんなマーサさんの言葉に驚くアスラ
「え? バルサはそんな小さい頃から用心棒をしていたの……」

「そうよ、
 その頃はとっても強いお父さんと一緒だった」
マーサの言葉にジグロとの記憶を思い出すバルサ
初めてバルサが人を殺したシーン…か。

マーサさんが夕食の準備をしに、その場を離れる
バルサのお父さんは今、どうしてるの?」
アスラがそう質問する

「もう、死んでしまったよ…」
その答えにあっ…と声が出るアスラ
「あたしのお父さんも死んでしまったの……私が小さい時に」

「お母さんやお父さんの分までアスラが生きるしかないね」
アスラの頭をトントンと撫でるバルサ

「私だって……
 片親がいなくたって、なんとか生きてこられたよ」
水を飲んで、そうバルサはアスラに語りかける

「だけど……殺されたわけじゃないでしょう。
 バルサには、タル人の事は何もわからないのよ」
アスラは言う
でもバルサもそうだよね…理不尽に父を殺された

バルサはアスラの隣に座り、言う
「アスラ。
さっき、マーサさんと居る時のアスラはとても幸せそうだったよ。そうやって生きていったっていいんだよ、あんたは」

「優しくて親切な人はこの世にいくらだっているんだ。そういう人たちに恩を返したり、返されたり、そうやってみんな生きている」
「それでも、悪い人をカミサマに殺したと思うか?」

バルサなりの言葉遣い好きだなぁ…
アスラにもそういう生き方ができると思うんだ

マーサの息子・トウノが帰ってきて、夕食会が始まる
まさか、マーサさんがジグロに惚れてたなんて、初めて聞いた(笑)
そして、マーサとトウノ、ジグロとバルサの4人で旅をしてた話とか、面白かった。家族だとよく思われてたとかね

疑似家族っていうのは幼いバルサにとって、良かったのかもって想う
父を殺され、母もいないバルサにとって、マーサさんは母のような存在だったかもね

次の日、バルサが短槍を持ってマーサの衣装店に入ると、アスラが着せ替え人形にされていた。ただ、アスラ楽しそうだから、いいかな
マーサがバルサに気づく
「ごめんなさいね、勝手にあんなこと」

「いいえ、マーサさん本当にありがとうございます。
 本当にここに来て良かった」
バルサは言う

「あの子にあんな笑顔があるなんて、
 私も誤解する所でした」

「誤解?」

「あの子はやっぱり、心の優しい女の子なんです」
バルサは言う
そうだね、あんな笑顔、此処に来なければ、見れなかったかもしれない。気づいて本当によかった

「それなら、いつまで此処にいていいのよ、バルサ
優しくマーサはいう

「あの子に何があるか分からないけど、あの子はちゃんと愛情を受けて育ったのよ。それだけはあたしにもわかる。
 あの子と貴方は似ているわ、私にはそう見える」

「愛情だけで幸せになれる程、この世は簡単ではないけどね」
布を倉庫にしまいながら、マーサは言った

そんな言葉にバルサはマーサ衣装店に
自分を置いて、ジグロだけ旅立とうとした記憶を思い出す
ほんとは女の子らしい生き方をしてほしかったんだろうなぁ…ジグロ。

一方、タンダ達は四路街へとやってきていた。
「なぁ、もういいだろ? 早くあの女の居場所を教えて」
シハナが言う
「用心棒の口入屋のところか」

「口入屋は足がつくから行かないでしょう。マーサという女の人がいる」
ついに名を言った

「マーサ?」
「四路街で衣装店をやってる。
 バルサが頼るとしたら、その人くらいだ」

「分かった」
そう言った瞬間、シハナはチキサを捕らえる。

「だましたのか!?」
タンダが動揺したように言うと、スファルが否定する
「違う!」

「父さんごめん。こっからは父さん抜きでやる」
シハナはそう言った
「シハナ、何をするんだ!」

「ロタ王国を変える」
静かに淡々とシハナは言った
「ロタの北部と南部をタルによって、再び一つにする」

場面が変わり、新ヨゴ国王宮ー二ノ妃の一室ー
聖導師は二ノ妃の所へやってきていた

それはチャグムのこと。
サンガル王国に捕虜として囚われてしまった、と伝えに来たのだ。

チャグムは生きているのは事実だが、もしサンガル王国に皇太子だとバレてしまった場合、厄介なことになる、聖導師はいう

「案ずるな、と言ったはずだ。聖導師」
帝が二ノ妃の一室に現れた

「陛下。すぐにチャグムをお救いください!」
二ノ妃は訴える
「いや、チャグム自らがサンガル王国の援軍に立ち、討ち死にしたと知ったら、
 民はいかに思う?」

「タルシュ帝国への怨念に奮い立ち、この国は一つとなって悪と戦うだろう。
 これ以上の戦そなえはあるまい」
ほんと、この人は……

「貴方は……初めからその存念で…」
二ノ妃は言う
「陛下、捕虜となった皇太子を見捨てた事を知れば、
 民はこの国の神を呪うでしょう!」

「捕虜となる事はない。
 だから、案じるな聖導師」
帝は同じことを繰り返すだけ

だが、聖導師には”狩人”の意味を分かったようだった
「陛下……まさか狩人を」

そして、チャグムが囚われた牢ー
暗闇の中、チャグムは布を口に押し付けられる

場面が変わり、マーサの衣装店―
短槍の練習をするバルサ

トウノが慌ててバルサの元へやって来た
「たった今、店の方にバルサへ渡してくれと」
手紙を差し出すトウノ
「誰から?」

「それがタンダと名乗るものから」
トウノはいう
「タンダさんが来たの?」

「いや違うと思う。
 声をかけたらすぐに行っちまったし…」
トウノは否定する

バルサは通りを確認するが、もうタンダと名乗った者はいない
「建国の儀の朝、朝の鐘が鳴り始めて、ロタ祭儀場の門をくぐれ。
 現れぬは鐘が鳴り終わるとき、タンダとチキサの命は尽きる」

手紙にはそう書かれていた

近くの屋根には猿がその場を見ていた
シハナの猿……

シハナが動き出した、か。
「笑う魔物」
嗤うアスラの言葉怖い。
その後の、サーダ・タルハマヤになりたくない!と言うアスラの声も

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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