此花のアニメ&漫画タイム

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「お前に用心棒を頼みたいそうだ」無力感に襲われていたバルサの前に現れたのは狩人の”ジン”で…?第8回「王子の足跡」 感想 精霊の守り人Ⅱ悲しき破壊神

此花(このはな)です

今回は精霊の守り人Ⅱ悲しき破壊神の第8回「王子の足跡」の感想を書いていきたいと思います

第8回「王子の足跡」
あらすじ
チャグム(板垣瑞生)がロタ王国に向かったと聞いた二ノ妃(木村文乃)はバルサ綾瀬はるか)を探すよう命じる。一方、チャグムが死んだと聞かされたバルサは無力感に襲われていたが、二ノ妃から用心棒に雇いたいとの伝言を受け、再び生気が甦る。

チャグムが持っていた宝石を手がかりにツーラムの捜索を始めるが行方が掴めない。チャグムは既に南部大領主に囚われていたのだ。焦れるバルサの前にヒュウゴ(鈴木亮平)が現れる…!

公式より
第8回「王子の足跡」|精霊の守り人 悲しき破壊神|NHK大河ファンタジー

8回はアクションシーン多めですごく楽しかったです。
よく構成してるなぁって、本当に思います。

サンドウィッチマン富澤さんの役がスーアンの息子なのは予想してたのですが、まさか当たるとは……。
原作の感じとはちょっと違うけど、坊ちゃん感めっちゃ出てた(笑)

チャグムの一件がヒュウゴの謀略だったのが判明した回だったのですが、そうきたか!とそう思いました。これで素直にロタ王国へヒュウゴが来れた理由が分かりました。

セナというキャラもうまく使ったなぁって…。
原作では蒼路の旅人以降、セナは出て来ることはありません。
これはこれですごく面白かったです。

とはいえ、あえてヒュウゴがその事をバルサに言ったことが罪悪感を感じていた証拠なんでしょうね。わざとバルサの拳を避けなかったこともですが。

ヒュウゴは敵なの? と思うかもしれませんが、そうはっきりとは割り切れないものがあるんですよ。タルシュ帝国の密偵になった理由もそうです

ほんと、シーズンⅢでやるであろうラウルとヒュウゴシーンが楽しみで仕方なくなりました。このドラマだからこそ、色々とたぎります!
この配役であの言葉が聞けるなんて……と

さて、本編の感想へ行きましょうか!
”チャグム”が死んだと伝わった新ヨゴ国
それとともにトウノの口からバルサはそれを知る
雨の中、叩きつけるように槍を棒に叩くバルサ

新ヨゴ国ではチャグムの葬式が行われていた
「チャグム皇太子は、軍神となった。
 チャグムを神の世に追いやった悪しきタルシュ帝国の蛮行にこの国は更に備えなければならない」
帝は言う

ラドウ陸軍大将が”鎖国”を宣言し、これから入国しようとするものは全てタルシュ密偵だとみなす、と。
ついに”鎖国”がきた。この展開は変わらないか

四路街のマーサ衣装店
濡れ切ったバルサは床に腰かけ、無力感に襲われていた
そんなバルサにぎゅっと抱きついて来たのはアスラだった
「アスラ……どうした?」

バルサがきくが、アスラは無言のまま
「アスラはどうやら口がきけないらしい」
タンダは言う
「え?」

「だけど、温もりを求めている。……必死になって求めている」
そんなタンダの言葉にバルサはアスラをぎゅっと抱きしめる
「だから、人の悲しみも感じ取れるんだ」

チャグムが死んだと聞いてショックを受けているバルサが心配でしょうがないんだね…アスラ

バルサは槍を研いでもらいに外に出ていた。
すると、新ヨゴ国の兵隊たちが四路街を通って行くのを見かける。
人々が噂する。国境封鎖されるらしいと

そのバルサの視線の先にアスラが現れた。
笑顔を見せるバルサ

一方、マーサ衣装店ではチキサがトウノと一緒に仕事をしていた
「店の在庫がなくなったら、そこの倉庫から補充して」
そう、トウノに教えて貰うチキサ
「わかりました」

「アスラ、どこ行ったか知らない?」
マーサさんがタンダにそう聞く
「あれ……?」
タンダも見てないようで、アスラを探しに始める

バルサが短槍を振るのを見ているアスラをタンダが発見する
そっとアスラを抱くタンダ。すると、バルサがそれに気づき
「タンダ、私はそろそろ護衛士の旅に出ようと思う。
 あんたはどうする?」

「アスラのそばに居てやらないのか?」
タンダは言う
「アスラには、マーサさんやトウノさんがついている。
 血なまぐさい私がいては返ってアスラが何も話せないかもしれない」
バルサ……

「アスラ!」
マーサさんが子供たちを引き連れて、アスラを呼びに来た
「アスラ、新しい布を織りに行きましょう、ね?」
マーサさんに言われ、バルサを気にしながらもアスラはマーサさんについていく

「あんたはここにいるのか?」
バルサはタンダに問う
「……俺がここに居ても出来ることない」

「あんたの家に帰るなら、山を抜けるまで私が送ろう。
 まともに戻れそうにないからね」

バルサが言い出す

「俺の事は心配するな。
 それより……お前は大丈夫なのか?」
バルサを心配するタンダ
「なにが?」

「何がって……。
 一緒に戻らないか?」
タンダはそう提案する
チャグムが死んだという事実を受け止めているけれど、どこかへと行ってしまいそうな気がする

そんな言葉に少し沈黙する
「……私に帰る所なんてない」
バルサは言い放つ
タンダはバルサを止めることが出来なかった

場面が変わり、新ヨゴ王宮
葬式の儀が終わり、ガガイがシュガに声をかけて来る
「シュガ、まさかお前が許されるとは帝の心も寛大だな。
 いや、寛大なのはお前の方か。
 おめおめと皇太子を亡くして戻ってきて、そうして自分を許しているんだからな」

シュガは辺りを確認すると、ガガイをある部屋に導く
誰にも聞かれないように二人きりとなったシュガとガガイ
「……なんだ?」

「ガガイさんはどうやってこの国を守るのです?」
シュガは問い掛ける
「ん?」

「このままいけば、貴方が次の聖導師になるでしょう」
「うん」
凄い軽い感じの答え方(笑)確かに状況的にそうなるだろう

「しかし、このままタルシュ帝国との戦に突き進めば、
 トゥグム第二王子が成人される前にこの国は…滅びの道を選ぶことになるかもしれません」

「トゥグム第二王子ではない。
 もはや、皇太子殿下だ」
ガガイはそうシュガに言う

「トゥグム王子を立派な帝にすることが私の役目だ。
 しかし、その前にこの国が滅びるのならば、それも致し方あるまい」
その言葉にシュガは驚く
「なんてことを……」

「シュガ、我々星読みの役目は何だ?天の道を読むことだ。
 天の道を変える事ではない」

「我々も天の一部であるという事だ。ならば、己の思うままに生きる。
 それが我々の使命である」
ガガイの言葉にある真意を読み取るシュガ
「思うままに、敵に寝返ってもよいと?」

「……そうだ」
ガガイはその問いにうなづいた
その部屋からガガイが出ていく

その言葉にシュガはチャグム王子が言っていた言葉を思い出す
”「王宮にはすでに内通者がいるといった」
「内通者? それは一体誰です?」

「分からない。そなたらで探ってくれ」”
シュガは”内通者”を探し出せるのか…

シュガは唯一の味方であろう”聖導師”の部屋に向かった
中に入ると、聖導師が調子が悪そうに動けなくなっていた
「聖導師様!? いかがなさいました?」

慌てて駆け寄るシュガに聖導師は
「騒ぐな。時の流れには逆らえぬだけのことだ」
そう言う

「この国の終わりを見ずに済むなら、
 これも神のご加護であろう」

聖導師はいう
もう死期が近いんだね…聖導師様

その言葉にシュガは開け放った扉を閉めると、意を決して口を開く
「聖導師様にお伺いしたい儀がございます」

「……もしチャグム殿下が生きているとするならば、聖導師様ならいかがいたしますか?」
そのシュガの問いかけに驚く聖導師
それがかすかな希望なんだ、チャグムが生きていること自体が

一方、帝はモンに殺した時の事を聞いていた
「モンよ、
 そなたに船に突き落とされた時、私の意に気づいたか?」
帝は問う
「それが私の命だと、思ったようか?」

「……そのような暇はなかった事と存じます」
モンはそう答える

その答えを聞くと、帝はーー
「私の息子を……よくぞ殺してくれた
 私の代わりによくぞチャグムを神へと導いた」

モンのそばへと近寄る帝。それにより、モンは大きく頭を下げる
「今後その事で気に病むことはない。
 それはチャグムを冒涜することになる、よいな?」
”はっ!”とそう言い、返事するモン
……まぁ、モンはチャグムに助けられたからなぁ。この件で嘘をつくことでチャグムの命を救い、モンの命を救う事になった

場面が変わり、二ノ妃の部屋
チャグムが死んだと聞き、生気がなくなった顔で放心している二ノ妃
「御妃さま……」

「その声は、聖導師か?」
ぼそっとつぶやく
「はい……」

「近こう……もっと近こう」
そんな声に聖導師は駆け寄って、二ノ妃の手を握り締める
「ここに、居ります…」

「……チャグム王子は、生きております」
聖導師はゆっくりとそう言った
「一人で海を渡り、ロタ王国へ向かったようです」

その言葉に二ノ妃は顔を上げ、訝しげに口を開く
「お前は……何を言っている?」

「チャグム皇太子はタルシュを、欺いたのです」
聖導師はいう
「それは……まことか!?」
大きく反応する二ノ妃
「はい…」

「ロタ王国に……たった一人で…。
 ロタ王国に助けを求めにいったのですね?」
「さように存じます」

ほんと、二ノ妃はチャグムを二度失った気持ちになったんだろうな…
最初は精霊の卵を宿した時、次はタルシュにより死んだと聞かされた時

場面が変わり、マーサの衣装店(朝)
バルサはマーサから10日分の食料を貰い、旅の支度を整えていた。
それが終わり、旅に出る直前
「タンダさんは大丈夫かしらね」
「今朝は霧が濃くなるとみて、それに紛れて山を越えると言っていました」

バルサの方は護衛士の口がすぐに見つかるとは限らないぞ」
トウノがそう忠告する
「とりあえず、口入屋の方に行ってみます。
 ……マーサさん、トウノさん、どうかアスラとチキサの事、よろしくお願いします」

そうやって、バルサがマーサ衣装店から外に出て、口入屋に向かおうとすると、アスラが抱きついてきた
まるでバルサを止めるように

「アスラ……元気でね」
別れの言葉を言うバルサだが、アスラが離れようとしない

「アスラが行くなって言っている」
そう言ったのはチキサだ
「え?」

「アスラにはわかるんだ。
 今のバルサさんは死に近づいているって」
チキサはそっとアスラのそばによる

「アスラは、バルサさんが死ぬが怖いって。
 だから、行かないでって言ってるんだ」
チキサは言う
バルサはチャグムが死んだと聞いて、無力感にさいなまれていたから……どこかで死んじゃうんじゃないかという生気のなさが漂っていたんだろうな…

そんな言葉にバルサはアスラの正面に立って、
「アスラ、大丈夫。大丈夫だ……」
抱きしめた
ポロポロと落ちる涙は別れの涙

一方、タンダは新ヨゴの国境へ辿りついていた
しかし、川の前には兵がいる。
川の向こうに行きたいタンダは霧が出るのを待っていた

バルサも口入屋の所へ辿りついたものの、ロタへの口はなく、口入屋で待つことにする。
ヨーサム王が死んだばかりの為、王都は喪に服していて、しばらく商人の行きはないだろう、という

タンダの方は霧が濃く出てきて、気を取り直して歩を進めるが、誰かとぶつかる
「あ、あの俺はヤクーの呪術師で……」
必死に言い訳をするタンダだが、ぶつかった誰かの顔を見て驚く

「……あれ? あ、あなたは狩人のジン!」
そこにいたのは”ジン”だった
「お前はタンダと言ったか…。まさか、ここで会うとはな」
ジンはそう言うのだった

口入屋でロタ行きを待っていたバルサ
タンダが駆け込んでくる
バルサ…!」
「タンダ…?」

不思議そうにするバルサにタンダは小声でささやいた
「チャグムが生きてる…」
「え…?」

口入屋から外へ連れ出すタンダ
「チャグムが、生きているんだ!」
そう嬉しそうにバルサに抱き着くタンダ

すると、タンダの後ろからジンが現れる
「狩人のジン……」
驚くバルサ
「ジンはバルサを探しに来たんだよ、さるも王宮に黙って」

「シュガから預かったものだ」
ジンはバルサの手紙を渡す
「私に?」

「読めばわかる」
ジンは言う

「”チャグム殿下はあるヨゴ人に連れられて、タルシュ帝国の王子に謁見した。そこでタルシュ帝国は新ヨゴ国が服従すれば、攻めいる事はしないと約束したのだ」

「しかしそれはチャグム殿下が帝を暗殺することが条件だった。その約束のしるしとして、タルシュ帝国からタルファ(紅炎石)の首飾りが送られた。
 チャグム殿下はその宝石を持って、海に飛び込み、一人ロタ王国に向かったのだ”」

「これは二ノ妃からだ」
ジンはバルサにお金の袋を渡す
「お前に、用心棒を頼みたいそうだ」

そう、二ノ妃は聖導師に対して(回想)
「それなら……バルサを探してください」
バルサ…」

「用心棒のバルサです! チャグムがおそらく今、一番求めているのは彼のものです!
 バルサを、バルサを探してください!」
そう提案したのだ

チャグムが生きているという事実に笑いが止まらないバルサ
「ははっははっははっ!」


「チャグムを探すにはツーラム港に向かうしかないだろう」
バルサは言う
「どうやって探すんだ?」

「チャグムがまずしなければならないのは
 宝石を金に換えることだ」
バルサはいう

「……引き受けたと、二ノ妃に伝えてくれ」
承諾の意を伝えるバルサとコクリとうなづくジン

「それから、タンダを無事に戻してやってほしい」
予想もしない言葉にタンダが異を唱える
「おい、俺を置いていくつもりか?」

「チャグムの事は心配するな。
 ……行ってくるよ」

バルサは言った
最初の時の表情とまるで違う明るいバルサの表情

そんな表情に安心を感じたのか、タンダはうなづいた
……暗い表情からの変わりようが印象に残るな

急いでロタ王国・ツーラム港へ向かうバルサ
そんな途中にチャグムとの思い出を思い出す
”「バルサ、お願いがある」
「なんだ?」

「私に武術を教えてくれ。私はまだ、何と戦えばいいのか分からない。
 けど、戦いたい!バルサと一緒に戦いたいのだ!」”

ようやく夜にツラーム港にたどり着いたバルサ
人々の噂を耳にしながら、ある酒場にたどり着いた
騒がしい中、主人はいるか?と声をかける

「俺だ。注文は?」
名乗りを上げる人物が一人
「盗品の宝石を扱う店が知りたい」
簡潔に述べる

「あぁ?」
「ここには海賊をしているようなものが集まると聞いた」
バルサは話す
「俺は酒を売るだけだ。そういう事は知らねぇな」

「15,6に見える男が
 私と同じような事を聞きに来なかったかね?」

バルサは言う
「……さぁな。憶えがねぇ…注文は?」

それを聞くと、バルサは”邪魔をした”と酒場からさっていく 
その酒場にいたセナは話を盗み聞き、バルサを追いかける
が、バルサを見失ってしまう

「……私に何か用かい?」
バルサはセナに気づいていたらしい
「……私の話に何故、反応した?」

「あんたが探しているような店なら、
 あたしが知ってるよ」
セナは言う
「おまえが?」

「何故、そういう店を探してるんだ?」
セナは問い掛ける
「王族が持つような宝石だから、
 まともな店ならまず扱わないだろうと思ってね」

バルサの答えにセナは
「……ついてきな」
盗品商へ案内する

ある店の前まで来ると、セナはバルサの足を止めさせる
「……どんなに危ない品物でも価値があればあそこで扱ってくれるよ」
そう囁いた
「分かった」

そのまま行こうとするので、慌てた様子でセナが止める
「ちょっ!……どうする気だ」
「……どうしても探さなければならない人がいる。手かかりは少ない。
 一つでも無駄には出来ない」

それでもバルサは盗品商へ向かおうとする
「待って待って待って待って」
再び、止めに入るセナ

「そんなもの(短槍)持ってたら、店の中にでも入れてくれないよ。あたしが預かる。その代わり、その情報私にもくれないか?
 私も訳あって、あの店のこと調べてるんだ」
「あんたの邪魔はしないよ」

そんなセナの言葉と条件にバルサはうなづく
「……わかった」
短槍と短刀をセナに預ける

「それから、入口で何か聞かれたら、ネズミが猫にご挨拶に申し上げる。こう言うんだ」
セナはいう
おそらく、セナは気づいてる。バルサだって…

盗品商の前までくると、用心棒たちであろう男たちが囲んだ。
ドンドンっと扉を叩く
「何か用か?」
「ネズミが猫にご挨拶に申し上げる」

それを聞いた相手は扉の鍵を開け、バルサを中に入らせる
「……武器を持っていれば、その場で殺す」
身体チェックをされる

そのチェックが終わると、バルサは暗い道を通り、ある扉の前まで連れてこられた。扉の向こうには用心棒に守られた一人の男がいた
「なんだ、メスのネズミか」

中に入ることを許可されたバルサは一定の距離まで歩く
「それ以上、近づくな」
用心棒の男は言う
「何を売りに来た?」

「売りに来たんじゃない。買いに来た」
バルサは答えた
「お前は盗人じゃないのか。何が欲しい」

「例えば、タルファの首飾りとか」
その言葉に大きく反応するオルシと呼ばれた盗品商
「おい、表見てこい」
用心棒に指示をする

「タルファ? お前が買えんのか」
そうオルシはいう
「……あるんだな。
 それを誰があんたに売ったのか、その情報を言い値で買おう」

「そういう事なら帰りなさい。
 常識のわからんバカを相手にしている暇はない」
意に返さない様子のオルシ

「それがあんたが手に入れたと分かっただけで十分だ。
 ……邪魔をした」
そう言って、帰ろうとするバルサ

「ちょっと待て」
その言葉にオルシが反応し、用心棒たちがバルサを押さえる
「……何を嗅ぎまわってる。
 こいつが何者か、痛めつけて聞きだせ!」

そう命令するが、バルサはその用心棒たちの抑えをはねのけ、オルシの背後へと立った。
そして、バルサはオルシの首を絞めにかかる

「下手に動けば、首の骨を折るよ」
「……わかった。好きにしろ」
オルシは言う

「あんたに宝石を売ったものはどこにいる?」
「……知らん。本当に知らん。
 俺はただ宝石を買っただけだ!」
オルシは答える

「その宝石は?」
「もう売ってしまった」

「だったら、誰に?」
バルサは言う
「それをいったら、商売ができなくなる」

その答えに首を絞める力を強めていくバルサ
「あんたの常識が通じる相手だと思うな。
 あっさり情報を売っていれば、あたしはおとなしく帰ったんだ」

「…領主のせがれだ!
 このツーラム港を取り仕切る。そういう者でないと、買えないような代物だった」
オルシはそう口にした

「あんた、まさかその宝石を売った者まで、
 売り渡したんじゃないだろうね?」
バルサが言うと、オルシは戸惑ったようだった
「何故、そんなことを……」

「15,6の少年だ」
バルサがそう言うと、首を絞める力を強めようとするので、慌てた様子で叫ぶ
「待て! 少年……俺に宝石を売ったのはそんな奴じゃなかった。
 サンガルの海賊だ!」

それを聞くと、オルシの首を絞める手を離した
「何という海賊だ?」
すぐには答えないようなので、バルサは柱にオルシを押し付ける
「命を張って隠すような相手か!!」

「ユザンだ……赤目のユザン! 
 みんながそう呼んでいる奴だ!」
オルシは叫ぶ

「どこにいる?」
バルサの問いかけにオルシは
「…わからん。港に居なければ、海の上だろう」
そう怯えたように答えた

バルサはオルシの頭をつかむと
「表まで一緒に来てもらう。
 他の者にはついてこないように言え」
表へ向かう

無事、表まで辿りつくと、オルシを離すバルサ
だが、バルサの目の前にはたくさんの男たちが待っていた
「仲間らしき奴はいない様です」
さっきの用心棒がそこにいた

「そうか、ご苦労だったなぁ!」
オルシは答える
さっき、表を見てこいと言われた用心棒だった

「なめやがって……俺がお前に喋ったのはな!
 どうせ、お前は生きられないと思ったからだよ!」
オルシは言う
「やれー!!殺せー!!」


バルサに襲い掛かる沢山の用心棒たち
短槍を持たぬ今、体術でなんとかするしかない。

すると、後ろから現れた者をバルサが気づいて
バルサはその者に拳を向けようとする

その男は真っ向からバルサの拳を受け止め、
その瞬間、バルサの腕を掴み、傍にあった竹を敵に落としていく

バルサ!」
そう声が聞こえると、空から短槍が落ちてきた
さっき、短槍を預かると言った女が投げたのだ

「早く行って。ここはまかせて」
セナはそういって、武器を返してくれる
セナ……というより、ヒュウゴ強ぇ!そして、かっこいい

一方、赤目のユザンは仲間の元まで返って来ると、仲間全員おねむの状態だった
「あんたが赤目のユザンか」
声が聞こえる

「おめぇは誰だ?」
問い掛けるがバルサは答えない
「誰でもいいさ、
 あんたが聞きたいことがあって待ってたんだよ」

「おめぇ……おれの仲間に何をした?」
ユザンはそう聞く
「眠っているだけだ。あんたの居場所を言わないもんでね。
 いい仲間を持っているじゃないか」

ユザンは自分の刃を手に取る
「宝石を誰から盗んだ?」
「何?」

「タルファの首飾りだよ、王族がつけるような」
バルサは言う
「そんなこと……
 答える義理はねぇ!」
バルサに刃を向けるが、短槍に弾かれ、逆に短槍に向けられてしまうユザン

「まだ15,6だったはずだ。
 それは私の大事な人なんだ」
バルサはいう

「おい、待て」
ユザンは止めに入る

そんな二人きりの部屋の中、突然、兵たちが乗り込んでくる
二人ともどういう状況か分からないが、戦うしかない
赤目のユザンは自分の飾り衣装を切られ、激高する

二人は兵に追いやられながら、外へと逃げる羽目に
「何なんだ、あいつら!」
「あんたがしたことのツケだろう!」

すると、セナがある家の中から叫ぶ
「こっち!」
バルサがその中へ入り、戸惑うユザンはセナによって、
引っ張られながら家に入っていった
ちょっと笑ってしまった、ユザン…

なんとか逃げる事に成功するバルサとユザン
「あいつらはロタ人の兵隊だろう?
 何だって殺されなくちゃならないんだ!」
文句を言う
あーやっぱりね、おそらく南部の兵だろうな

「赤目のユザン? あんただったのか」
セナはいう
「セナだよ! あんたと同じマーライ島の生まれだ」

その言葉に驚くユザン
「…セナ? ヤルターシ・コゥーラーか」

セナの表情が怒りに包まれており、ユザンの胸元を掴む
「あんた、チャグムを殺したのか!!」

「ちょ、ちょっと待て。
 お前らなんか勘違いしてるよ、チャグムなんて名は知らねぇ!」
ユザンは戸惑ったように言う

「このツラーム港でタルファをさばいた海賊がいる事は知っていた。
 あたしもそいつを探してたんだ」
セナは言う

その言葉に納得をした顔をするユザン
「チャグムって言うのはあの宝石を持っていた奴の事か!
 ……確かに、あんたのように言うように15,6に見えた!」

「だが、俺は盗んだだけだ。殺してはいない!」
ユザンは主張する
「なら、今は?」
バルサは言う

「分からねぇ。どこに行ったか…」
そういうユザンにバルサは続けて言う
「どこであった?」

「海の上だ」
そう答えると、ユザンはちらりとセナを見て言いにくそうにつぶやいた
「襲ったんだよ……その、たまたまラッシャローを」

その単語を聞くと、セナの目の色が変わる
「海賊がラッシャローを襲っただと!?」
セナが刃を持ち、ユザンのすぐそばに突き刺す

「ラッシャローって……」
バルサがつぶやくと、セナが説明する
「海をただよう民の事だ」

むしろ、気になったのはサンガル海賊の装備なんだけど。
何あの、水中メガネみたいなやつ

ラッシャローの家船に乗っていた美人の女を奴隷として売ろうとユザンが連れて行こうとした時
「その娘をさらうより、私の方が良かろう」
チャグムが現れたのだ
「あぁ?」

「おまえ、サンガル人じゃねぇな」
ユザンは言う

チャグムはあるものをユザンに投げる
「……こいつは!? 上物じゃねぇか」
タルファを見て、大きく反応を示す
「まだある」

そういった瞬間、ユザンはその宝石を海に投げた
それを見て、慌てて仲間が取りに行く
「その娘から手を引け」

続いて、チャグムが取り出したタルファの首飾り
「その代わり、この宝石と私を奴隷に売るが良い」
「お前を?」

「ただし、私を売るんならロタ王国の商人に売ってくれ」
チャグムはそう条件を付けたのだという


「あの若者は…いったい何者なんだ?」
ユザンの問いに
「私の友達だよ」

「そいつの望み通り、ツーラム港に向かっただけだ」
ユザンは言う
「ふざけんな、ふざけんな! 奴隷商人に売ったのか!?」
刃物を持って、追いかけまわすセナ

セナの問いに”売ってねぇよ!”と叫ぶユザン
「獲物はタルファだけで十分だった。
 その若者は港で降ろしただけだ!」
これ以上、利益を求めると嫌な予感がしたんだろうね……ユザン

「この後、どこに行ったのか分からねぇ! 本当だ!!」
ユザンは主張する

場面が変わり、チャグムがツーラム港にやって来た頃
どこかで衣装を着替えようと衣装店へやってきたチャグム。
お金として、タルファを見せるが、盗品の可能性が高い物に怪訝そうな顔をする衣装店の店主

たが、タルファの効果があったのか、衣装を見繕ってあげると言われる
しかし、チャグムは知らなかった。ヨーサム王が死んだことを。

その事を信じられなかったチャグムは何度も聞く
そのせいで衣装店を追い出されてしまう

まさかの衣装店の店主がクリス松村だった(笑)
ヨーサム王の死を伝えるお役目かぁ…

「チャグムはこのツーラム港でヨーサム王の死を知ったのか……。
 まだ近くにいるかも知れない」
バルサはそう言い、その部屋から出ていく

「何処へ行く?」
その時、男に声が架けられる
「チャグム殿下は捕まったよ、おそらく南部の領主に。
タルファの宝石が南部の領主の手に渡り、このツーラム港にチャグム殿下がいる事が分かったんだ」

「南部の大領主のスーアンなら殿下の顔を知っている。
 それで探しあてたんだろう」
ヒュウゴは言う

そのまま、部屋へ入るヒュウゴとバルサ
「そして、兵を差し向け、他にそれを知っている者を消そうとした。
 チャグム殿下は今や国王と対立する南部の切り札にもなるからな」

「切り札?」
「タルシュ帝国と手を結ぶ為の」
ヒュウゴは答えた

場面が変わり、南部大領主のお城
スーアンの所にアマンが来たと連絡が入る
「ユラリー、少し外していなさい」
そうスーアンに言われると、ユラリーは部屋へと戻る
あんなに太ってたんだ…ユラリー

「お食事中、ご無礼つかまつります」
アマンがやってくる
「それで、新ヨゴ国の皇太子というのはまことでしょうか」

「間違いない。オゴンが商人からタルファの首飾りを売りつけられた。
 それで分かったんだ」
スーアンは言う

オゴンがタルファの首飾りを見せる
「それはタルシュ帝国の密偵が探していたものだ」
それはどっちの密偵なんだよ……それによって大きく変わって来るじゃないか

「死んだと聞いていたが、まさか生きていたとは」
アマンはいう
「新ヨゴ国に対し、大事な駆け引きの道具となる。
 あの人質あってこその我らがタルシュ帝国と対等になれるのだ!」

「しかし、裏切ったと思われれば……」
アマンは言う
「タルシュ帝国にはこういえばいい。
 我が息子のオゴンがロタ王になったあかつきには新ヨゴ国の皇太子を差し出すとな」

「よもや、仕方あるまい」
オゴンが食べながら言う

「これで当面はタルシュ帝国もイーハンの首を狩る事に手を貸してくれるよう。まずは我々がロタ王国を統一するべきだ!
 異存はなかろうな?」
ははっと笑い合うスーアンとアマンだった

この時点ですでにタルシュと通じているが、イーハンの首を取る力は貸してもらっていないってことか。
タルシュの密偵ってどっちなんだ、北翼か、南翼か

どっちも探してそうだが……。
南部だから、やはり南翼だろうなぁ…

「それであんたたちは誰なんだい?」
バルサはヒュウゴたちに問いかける

「短槍使いのバルサ。まさかこのロタ王国で会えるとは……。
 だとすれば、考えることは一つ。新ヨゴ国の王宮の誰かが、チャグム殿下が生きているとあなたに伝えた。」
ヒュウゴは語る

「……お前はもしかして、チャグムをさらったヨゴ人か」
バルサは言う
「それも知っているのか」

「お待ちください」
セナが止め、ユザンに目をやる
「……忘れていたよ」
忘れてたの…(笑)

「どうしますか?」
「セナの好きにしていい」
ヒュウゴは言う

「おいセナ、俺たちは仲間だろ?」
ユザンが言うが、セナは全く聞いていないようだ
「もう、ラッシャローは襲わないと誓うか?」

「あぁ、もちろんだ。あれは俺の不覚だった」
ユザンは答える
「じゃあ、すぐに出航しろ!」

「おう、そうするつもりだ!」
元々、出航するつもりだったもんなーユザン

「港まで送っていきます」
セナはそう言い、ユザンを連れて行く

その際、バルサに向かってセナは言った
バルサさん、信じてもらえないかもしれないけど、チャグムと友達だと言ったのは本当です。あなたは話通りの人だった」

「チャグムはあなたの事を想っています……会えることを願います」

場面が変わり、南部大領主の城
チャグムはある一室に軟禁状態となっていった
スーアン公に会うためにこの城に入ったらしい

急がないといけないのに、待っていなきゃいけない。
その状況に侍女にあたるチャグム
すぐに謝る所がチャグムらしい

場面は戻る
「命がけで暗い海にまで飛び込んだというのに、
 結局、チャグムは敵の手の中にいるのか」
バルサは言う

「貴方が守りに来たと知ったら、せめてもの救いになるだろう」
ヒュウゴはいう
「……黙れ。
 お前はチャグムの敵じゃないのか?」

「自分でもそれが分からぬ。
 敵か味方か、簡単に分けられるほど、人の立場と違って人の心は分かりやすく出来てはいない」
ヒュウゴは言った
「タルシュ帝国に対してもそういう所がある」

「何故、タルシュ帝国はチャグムを手放した?」
バルサは問う

「自ら、タルシュに降伏したからだ。降伏して約束した。
 国に戻り、父親を殺すと。
 それが戦を避ける唯一の方法だった」

「その前に私の命を救う為の」
ヒュウゴは言う
「それはどういうことだ?」

「それは全部、私が仕組んだことだ」
ヒュウゴはいう

それはラウルと再会した時
”「ヒュウゴもチャグム皇太子に心を奪われた
 民の一人なのではないのか? 同じヨゴ人として」
そう問われたとき、ヒュウゴ

「確かに私は、ヨゴ人としてチャグム皇太子に接しました。
 しかしそれはラウル王子に服従するがゆえにです」
ヒュウゴは言う

「チャグム皇太子の前で私を処刑すると仰せになってください。
 さすれば、チャグム皇太子はどんなことにも従いましょう」

なるほどなぁ……。まぁ、有り得ない展開ではなかった。
そういう可能性はあったからね

「……殿下の情けを利用させてもらった」
ヒュウゴのその言葉にバルサは無言で一発を入れる

絶対、わざと顔に受けたよね?ヒュウゴ
だって、最初の出会いの所でバルサの拳受け止めてたじゃない
それが最良の選択だと分かっていても、心苦しかったのだろう

だったらバルサを助けないしさ。
次回に出てくるだろう、ある提案をバルサに教えたりしないだろうし
早く、ハザール王子の名でもいいから出てこないかなぁ……。関わって来ないと、色々と不都合が出ないだろうか

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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