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花園の熊亭の主・ビョェルンが語る、いい酒場の条件とは?第17話「初夏の天ぷら盛り合わせ」&第18話「三酔人のカラアゲ問答」感想 異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~

此花(このはな)です

今回は異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~の第17話「初夏の天ぷら盛り合わせ」&第18話「三酔人のカラアゲ問答」の感想を書いていきたいと思います

第17話「初夏の天ぷら盛り合わせ」
あらすじ
開店以来一日も休んだことのない店〈花園の熊〉亭が店を閉めることになった。常連客たちは店主のビョェルンを囲み、盛大に人生の門出を祝う。信之はビョェルンへのはなむけとして、天ぷらの盛り合わせを振る舞った。

美味い料理と酒を、ビョェルンは自分の店に長年通ってくれた常連客たちと楽しんでいく。その姿を見た信之としのぶの胸に、ある思いが生まれる。

公式より
「初夏の天ぷら盛り合わせ」|異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~公式サイト

最初は店を閉めることになった、ビョェルンとの話はじんわりといい話だった。
辞める理由をたくさん探さなきゃ、お店を辞めることが出来なかったってのはそれだけ、お店が好きだったってことだもんね

さて、本編の感想へ行きましょうか!

ローレンツが居酒屋のぶを訪れ、息子から頼まれたある物を持ってきた。
”ハンスがのぶのジョッキを割ったらしく、ローレンツがつくったガラス製ジョッキをおわびとして、持ってきたのだった”

しかし、そのジョッキは2つあり、ひとつは花をあしらった彫りが刻まれている。
「一つは侘び賃だ。一つの借りに2つ恩を返す。それが男の心意気ってもんよ」
「すいません、逆に気を使ってもらっちゃって」
「いいってことよ」

にぎやかな声が響き、その中心にいるのが花園の熊亭・ビョェルンだという事に
ローレンツさんが気づく
「花園の熊亭のおやっさんじゃねぇか」
「ご存じなんですか?」
「俺が見習いの頃からある店だよ。ミードのうまい店でよ」

ミードという聞きなれない単語に大将が説明してくれる
「蜂蜜でつくった酒の事さ。世界で一番古い酒だって言われてる」
「へー」

「開店以来、一日も休んだことがないってことで有名なんだ。俺も良く通ったよ」
ローレンツはいう
「一日も……」
「それはすごいですね」

「今日は店、どうしたんだろう。ちょっと声かけてみるか」
ローレンツはその輪に顔を出した

おやっさんと言われた主はビョェルンといい、ローレンツと共にカウンターに座った
「しかし、おやっさんがのぶにくるなんて、驚いたぜ」
「あぁ、騒がしてすまねぇな。
 俺が引退するってんで皆集まってくれてんだ」

酒場〈花園の熊〉亭が店を閉めることになり、のぶで常連客と共に人生の門出を祝っていたのだった。
おやっさん、引退するのか!?」
驚くローレンツさん
「去年、腰やっちまってから、だましだましきたが、そうもいかなくなっちまった。
 しおどきってやつさ」
おやっさん……」

「それにこのままだと、孫が俺のことを知らないまま育っちまいそうだしよ。うちの息子は飲み屋を継ぐよりよっぽど稼げる仕事につけてるし。店があちこちガタが来ちまったし、続ける理由は一つもねぇが。辞める理由なら山ほどあらぁ」
「そう、なのか……」

「そうだ。大将、何か祝いの料理でもつくってくれよ。とびきりめでたいもんがいいなぁ。
 なんせ、俺の門出なんだから」
「アンタの見立てでいいからさ」
「かしこまりました」


「しかしここは良い店だな。俺んとこによく似てるよ。
いい酒場ってのは条件があるんだ。うまい酒に肴、それとは別に本当に大事なものがあるのさ」
「本当に大事なもの…?」
しのぶはつぶやく

「この店はもう、持ってると思うぜ。
 なんせ、俺の店と同じくらいいい店だからな」
ビョェルンさんはいう

「よく言うぜ、ビョェルン。
 おまえんとこの店じゃこんなうまいもんは出てこねぇだろうが」
常連客の一人がそう言いだす

「何十年もうちに入り浸ってた奴に言われたくねぇよ」
そう言われると、常連客達は楽しそうに笑う

天ぷらが揚がる音
「いい音が聞こえてきたなぁ…。何が出てくるのかなぁ…」

「さぁ、出来ましたよ」
「初夏の天ぷら盛り合わせです。こちらがつゆ、こちらが塩です。好みでお使いください」
しのぶさんがビョェルンさんの前に天ぷら盛り合わせを出す
その品に常連客たちが見ようと集まってくる

さくっと音がして、天ぷらにフォークが刺さる
「こいつはフリッターかい? 大将」
「まぁ、そのようなものです。天ぷらでは衣広げることを花を咲かせる、と言います。今日はお客様の門出と聞きましたので」

「花?」
「……そうか、
 これは大将からオレへの花束ってことかい?」
ビョェルンさんはいう
「…はい」

「なるほど。気の利いた料理だ。
 大将の花束、喜んで受け取るぜ」

エビの天ぷらにつゆをつけて、一口
「おぉぉ、こりゃ!
 サクサクとプリプリが一度に口に押し寄せやがる。食った事ねぇ感じ」

「今度はこっちの塩で」
今度は塩に付ける
「うん、こっちもさしていい味だ」

「ん?こいつはシュパーゲル〈アスパラ〉か?」
アスパラガスの天ぷら
「はい、アスパラです。こちらでいうシュパーゲルは春を告げるめでたいものだと」
「あぁ、その通りだ」

「こちらのお塩でもおすすめですよ」
しのぶさんが出したのは抹茶塩である
「この緑色はなんだい?」

「抹茶を……えっと、ハーブのようなものです」
説明をする

「おぉ、そりゃ面白い」
ちょんちょんと天ぷらにつけ、一口

「…ん、ハーブの風味と苦みが何とも言えねぇ味だ。
 色々な工夫がしてあって、びっくりだよ」
「喜んでもらえれば、幸いです」

それを見ていた花園の熊の常連客たちも
早く食べたくて、そわそわしていた。

「大将、俺らにも作ってくれよ!」
「はい、わかりました。ですが、その前に」
大将が出したのは黒いお椀

蓋を開けると、花のようなハモが現れた
「これは?」
「天ぷらにもあったハモを吸い物にしてみました」
「ハモ?」

「アナゴのような魚です。良い風味になっていますよ」
大将はいう
「おぉ、ここにも花が咲いてやがる」
「ボタンハモといいます」
「ボタンハモ?」

「ハモは骨が多い魚でして、調理するためには骨切りといって、細かい骨を断ち切る作業が必要なんですが、この骨切りしたハモを湯引きすると、
 綺麗に丸まってまるでボタンという花が咲いたようになることから、ボタンハモと呼ばれてるんです」

スープを一口
「……ん、安心したよ。アイテーリアにこんな店があったなんてな」
「ビョェルンさん……」

「そうだ。これからはここに通うとしよう。
 今度は客として、お前らに付き合ってやるよ」

ビョェルンさんはいう

「そりゃいい」
「おまえとこ行くより、ずっといい飯くえるしな!」
「うまい酒に上手い肴で、毎晩ぱぁーっと!」
常連客たちはいう

「でも……もうあの店のミードが飲めないのは寂しいもんだなぁ…」
ローレンツさんの一言
「あぁ…なんか、あっちゃあの店に集まってた…」
「いやぁ、何にもなくても集まってたよ」
「ははっ、そうだった」

「それで皆の顔見ちゃ、たわいない話してよぉ」
「あぁ、そうだった……」
「そんな店が無くなっちまうなんてな…」

「この数十年、毎日楽しかった。酒の種類もそんなにない。肴も大してうまくない。
 そんな俺の店がここまでやってこれたのはおまえらのおかげだ、ありがとな!本当に」
そう、常連客を囲みながら、お礼を言うビョェルンさん

「俺達はお前の店のことをずっと忘れねぇよ」
常連客達は涙ながらにそう言う

「なぁ、大将。さっきのジョッキだが、おやっさんがここに通ってくれるなら」
ローレンツさんが言いだす
「…わかっています。
 これはビョェルンさんの専用ジョッキにしましょう」

花があしらったジョッキ
おやっさん、それは俺からの花束だ」
ローレンツさんがいう
「鼻たれ小僧め、立派なもんつくるようになりやがって……ありがたく受け取るよ」

プロージット!と二人で乾杯する
そして、常連客達はジョッキで乾杯するのだった。

その宴会が終わった後ーヘルミーナさんが帰った後の二人きり―
「しのぶちゃん、ハモのお吸い物、取ってあるから飲んでいきなよ」
大将はいう
「ありがと、大将」

いただきます、と言ってから、吸い物を飲む
「うん、美味しい」

「……ほんと辞めたくなかったのかな。
 ビョェルンさんの背中、もう少し続けたかったって言ってたような気がした」
しのぶちゃんはつぶやく

「色々辞める理由を探してたね……」
「あぁ…」

「あんなにたくさん探さないと、やめることが出来なかったんだね」
「それでも、辞め時を自分で決められたんだ
 それが出来るのは立派な事だよ」

”「いい酒場ってのは条件があるんだ。
 うまい酒に肴、それとは別に本当に大事なものがあるのさ」”

「(いい店の条件って……何だろう)」
そう考えるしのぶだった

第18話「三酔人のカラアゲ問答」
あらすじ
ベルトホルトとハンス、ニコラウスは、いつものように居酒屋「のぶ」で飲んでいた。今日の話題は、唐揚げの味付けは「シオ」と「ショーユ」どちらを注文するか。

シオ派のベルトホルトとショーユ派のニコラウスは、自分の支持する唐揚げがいかに素晴らしいかを力説するが、いっこうに結論が出ない。ついに意見を求められたハンスの答えは……?

公式より
「三酔人のカラアゲ問答」|異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~公式サイト

塩がいいか、しょうゆがいいか、という凄いくだらない話(笑)
まぁ、争う理由も分かるけど、美味しいんだからいいじゃないかと思ってしまう

「ヘルミーナさん、新婚生活はどうですか?」
しのぶさんはいう
「まぁ、別に」

「ベルトホルトさん、優しくしてくれます?」
「まぁ、それなりに」

「ヘルミーナさん、大人しそうだから心配。
 だって、ベルトホルトさん頑固そうだし」
そんな話をしていると、一方では――

「シオだ」
「いや、ショーユですよ」
ベルトホルトさんとニコラウスが唐揚げの味のどちらを注文するか、で言い合っていた

「まだやってる…」
苦笑気味のしのぶさん

「(塩か、しょうゆか、この不毛なからあげ問答。
 ここ最近、二人が顔を付き合わせれば、ずっとこの調子だ)」
一緒に飲んでいるはずのハンスは思う

回想ー唐揚げ【塩味】
「うーん、唐揚げは塩だな!訓練で疲れた体に爽やかな塩分が染み渡る」
うっとりしながら、唐揚げを食べるベルトホルトさん
「今日の所は中隊長に譲りますが…」

回想ー唐揚げ【醤油味】
「今日は俺の番です! 
 この香ばしさ、やっぱり唐揚げは醤油に限りますねぇ」
ニコラウスは唐揚げを食べて言う。
……なるほど(笑)これは不毛な争いだなぁ…

「(昨日まで代わるがわる頼んでたけど、だがこれも二人の責任じゃないのかも?
 唐揚げという魔物がなす、業【ごう】)」
トリアエズナマを飲みながら、ハンスは思う

「おまたせしました。塩唐揚げです」
しのぶが他の客に出している

「見ろ。あの唐揚げの白い肌、ヘルミーナのように色白美人じゃないか。
 世間は塩唐揚げの虜だ」
他の客の注文を例にベルトホルトさんがいう

「醤油の唐揚げお待たせです」
エーファが別の客に唐揚げを出す

「ヘルミーナさんには申し訳ないが、俺の好みはこんがりと小麦色に肌の焦げた健康美人。
 醤油の唐揚げに勝るものなどありませんよ」
ニコラウスも他の客の注文を例に挙げる

「色白美人と健康美人、どちらも捨てがたい」
思わず、ハンスもつぶやく
「何言ってるんだ、俺まで……」

「もうどっちでもいいじゃないですか!」
しびれを切らしたハンスが言うが
「「そうじゃない!!」」
そこは息が揃う二人

「今日こそはどちらにするか、決着をつける!」
ニコラウスはいい
「全くどうでもいい…」

「だが、決着の前に
「トリアエズナマをもう一杯」」

「もう3杯目ですよ!
 すきっ腹で付き合わされる身になってくださいよ!」
そう言って、ハンスが怒る

「ならば、塩だ」
「いいえ、しょうゆです」
全く二人は譲る気がない

「第一、ベルトホルトさんは忘れているようですが、
 最初のこの店で多い感動された唐揚げ、それは紛れもなく醤油だったはず」
へー醤油味の唐揚げだったのか。まぁ、定番と言えば、しょうゆのイメージ

「そんな昔の事を!」
ベルトホルトはいう
「なのに今更、塩などと」
どうなんだろう…その意見は

「ニコラウス、自分が一番の常連客のような顔は止めた方がいい。今や俺は!
 お前たちがへたばっている時も一人で飲むほどの常連だからな!」
ベルトホルトは言い返す

「それはベルトホルトさんが一人で来たいが為に
 俺達に訓練をおしつけるからでしょう!」
(笑)そんなことしてるのか…ベルトホルトさん

「変な言いがかりは止めてもらえるか…」
「バレバレですよ」

一方、大将は銀杏の塩煎りをしていた

「中隊長として、俺は塩を押したい。若鶏の持つ本来のうまさを最大限に引き出すのは、塩味に他にない。ニンニクも効いて、訓練後の疲労回復に最適だ」
ベルトホルトさんはいう

「中隊長として、は職権濫用ですよ。
 料理としての唐揚げを食べる以上、若鶏のうまさと衣の味が一体となって、最大の価値を引き出されなければならない。その為にはしょうゆ味が最適なんです」
ニコラウスも反論する

「一人前の口をきくじゃないか」
「素材の味が大事なら、鳥に塩かけて食べればいいんです」
バチバチの二人

「はぁ……こんな調子じゃいつ、唐揚げを食べられるやら…」
ため息をつくハンス

「おまたせしました」
銀杏の塩煎りが登場する
「きたきた!」
「おーいいねぇ」

「なんだこれは?」
ベルトホルトだけが知らないご様子
「銀杏の塩煎りです。先に別のものを頼んでおきました」
ハンスはいう

「殻を割って、中の実を食べてください」
しのぶは説明する

ニコラウスはさっそく殻を割って、実を塩につける
「ん~~エダマメとは違った苦みと
 独特の香りに塩味がよく合う」

「お前も塩の凄さにようやく気付いたようだな。やはり唐揚げには塩と…」
茶々を入れたのはベルトホルトさんだった
「!? …そんなこと言ってませんよ!」

「おまたせしました。刺身です」
エーファが皿を出す

「おぉ、色鮮やかな赤身だ。ではさっそく」
ベルトホルトさんが醤油につけて食べる
「ん~醤油の味わいがうまみを増してくれるな」

「つまり、全ては醤油からはじまるということですよ」
今度はニコラウスが茶々いれる

「もういいです! これは俺が食います!」
流石のハンスも二つの皿を取り上げる

「そういえば、さっきからいちいちうるさいハンス。お前はどうなんだ?」
ベルトホルトさんに言われる
「そうだ。お前は塩と醤油、どっちがいいんだ!」
矛先はハンスに向けられてしまった
「俺…?」

「今は塩と醤油で、一対一だからなぁ。
 お前が加われば、形勢が変わる」
「責任重大だぞ、ハンス。でも、俺とお前の仲だからなぁ」

困ったハンスはちらりと大将としのぶの方を見るが
「えっ何? おれで決まるの?」
助け船はなしだった。

「ハンス、もちろん塩だよな」
「いやいや、ベルトホルトさん、こいつの顔、
 しょうゆ派としての名乗りを上げたくてうずうずしてるって顔ですよ」
二人は言いあう

「決めつけはよくない。ハンスの自由な意思で選ばせるべきだな。
 ところでハンス、明日の訓練の休憩の話なんだが」
「やめましょうよ。露骨な買収は!」

「ちっ、まっそれは冗談として」
ベルトホルトさんはいう
「いやいや、今の舌打ちは本気でしょう!」

すると、他の客の追加注文があった。
塩唐揚げの。
「やはり世間は塩!」

また、他の客の追加注文
醤油唐揚げの。
「いいえ、しょうゆです!」

「とにかく、ここはハンスに任せよう!
 どっちなんだ、ハンス!」
「そうだ!早く言ってしまったほうが楽になるぞ、ハンス」

「俺が好きなのは……」

「すきなのは…」
「どっちだ!?」

「……竜田揚げです!」
ハンスは宣言する

「竜田揚げ、か…」
「竜田揚げな……」
二人が言葉を失った

「美味しいじゃないですか、竜田揚げ!
 (この沈黙、誰も何も言えないようだな)」
ハンスは思い、ごほんと咳払い。

「竜田揚げの特筆すべき点はその食感です」
ハンスは言い出す
「語り出した……」

「歯触りや舌ざわりにこれほど気を使った料理を俺は食べた事がない。
 竜田揚げのサクリサクリとした、あの噛み応えはまさに至福ですよ」
ハンスは言う
「(どうだ。俺に立ち向かえる奴はいまい)」

「いやなぁ、ハンス。
 竜田揚げは……唐揚げじゃないだろ」
「うん……」

その言葉に大将、しのぶ、エーファがぷっと噴き出す
「だ、だ、竜田揚げだって、似たようなものじゃないですか」
ハンスは反論する

「諦めろハンス。竜田揚げと唐揚げは別の料理だ」
「その通りだ」
ニコラウスとベルトホルトさんはいわれる

「うーん、だが最近はそうともいいきれないがね」
大将は言いだした
「「え」どういうことだ?大将」

「簡単に言うと、唐揚げは小麦粉。竜田揚げは片栗粉で揚げるんだが、
 最近は唐揚げも食感を良くするために片栗粉で揚げることも多い。特に醤油の唐揚げと竜田揚げはかなり似たものになってるね」

「なんと…」

「そ、そうだよ!大将。俺はその事を言おうとしてたんだ」
ハンスは言う

「絶対に知らなかったよね…」
「間違いないです」
こそっとしのぶとエーファはいう

「はい、醤油唐揚げ」
「こっちは、塩唐揚げです」

「醤油唐揚げは竜田揚げに似ている。
 ……そうかハンス!お前は竜田揚げと言いながら、ひそかに醤油の味方をしてくれたんだな?」
ニコラウスは言い出す
え?そんなわけないでしょう(笑)

「やっぱり、友を取ったか。
 これで塩と醤油は一対二、唐揚げは醤油で決まりです」
ニコラウスはいう
「馬鹿な!そんなことは……」

「ヘルミーナは塩だよな?」
助けを求めたのはヘルミーナさんで。
「どっちにするかの注文はもう大将にしてあります」
その言葉に合わせるかのようにジュワ~という揚げ音がする

「これは二度揚げの音」
「唐揚げは…」
「一体……どっちが…」

「はい、おまたせしました」
出てきたのは軟骨の唐揚げ。
「ヘ、ヘルミーナさん…?これは…」

「ご注文の唐揚げですよ、あなた。
 しょうゆ、塩、両方あります」
ヘルミーナさんはいう
「でもこれは……軟骨唐揚げ。これも美味しいけど…」

「今日の唐揚げはもうなくなりました」
笑顔で言う
「「「え?」」」

「そんな大将、だったらなくなる前に一言」
ベルトホルトさんはいうが
「すまない。言おうとしたんだが……」

「私が止めました」
ニッコリ笑顔でヘルミーナさんがいう
へ、ヘルミーナさんが怒ってる…

ベルトホルトさんの顔の前で大きなレモンを力いっぱい絞る
ニコラウス、ベルトホルト、ハンスにかかった

「頼むか、頼まないか、分からないくだらない話で
 他のお客様の注文を断るわけにはいきませんからね。
 さぁあなた、お召し上がりください」
一番怒らせたらやばい人はヘルミーナさんでした…(笑)

「さぁ、ニコラウスにハンス、ジャンジャン食べよう。
 くだらない事で言い争って人に迷惑をかけてる場合じゃない」
冷や汗をかきながら、軟骨唐揚げを食べ始めるベルトホルトさん
「せっかくの軟骨唐揚げがさめてしまうからな」


「し、知らなかった…。ベルトホルトさん、完全に尻に敷かれていたんだ…」
しのぶはつぶやく
「間違いないです」

「実にうまい」
ベルトホルトさん
「うーん、ほんとですね。塩もしょうゆも」
「軟骨唐揚げさいこー!」

完全に尻に敷かれてた…(笑)
ヘルミーナさん、流石の漁師の娘だけあるね、気骨あるわぁ…

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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