此花のアニメ&漫画タイム

今の所、カゲロウプロジェクト・斉木楠雄のΨ難・D.Gray-man HALLOW・ヘタリア world starsの情報や感想などを上げています

文化祭を控え、実行委員を決めることになる。しかし、去年やっていた実行委員は除外されるという事で、クラスは逃れる為の心理戦が始まり…!?第19X「クラスのΨ難 他」 感想 斉木楠雄のΨ難 第2期

此花(このはな)です

今回は斉木楠雄の第19X「クラスのΨ難、他」の感想を書いていきたいと思います

第19X「クラスのΨ難」
あらすじ
文化祭を控え、実行委員を男女一名ずつ決めることになった楠雄のクラス。多忙を極める文化祭実行委員になりたい者はいないが、きっと去年の実行委員である灰呂と葛西がやってくれるだろうとクラスメイトの誰もが思っていた。

しかし、去年の人以外から選出すると担任から言われた瞬間、文化祭実行委員を逃れるための心理戦が始まった! あの手この手で選ばれないようにするクラスメイトたちだったが、最後は意外な人に決まって!?

公式より
ストーリー|TVアニメ「斉木楠雄のΨ難」公式サイト

全体に文化祭のお話でした。
結果的には絶好のタイミングで現れたある人とくじで決まった人だったけれど。

劇の内容を決める為だったはずのに、昔話のもやもやする話になって、
結局ちゃんと収まるんだって、思った(笑)

裏島太郎で、まさかの二重人格の設定だとは思わなかった。才虎の為に作られた台本が嘘だとばれて、衣装も劇も没収されてどうなることやら…と思ったけど、流石照橋さんとしか言えない(笑)
オチが結局、楠雄のせいか……うん


さて、本編の感想へ行きましょうか!
楠雄が教室に来ると、亜蓮と海藤が出迎える
「よぉ、斉木」
「貴様もやるか? ブラックビアードアライブ」

「燃堂君、野球部の試合行かなかったんだって?」
「おっ、寝坊しちまってよ」
灰呂は燃堂に声をかける
「2回戦、ボロ負けしたそうだよ」

「(これは珍しいな。全員いる。まぁ、同じクラスなのだから当然といえば、当然なんだが。
 いつもなら話によって、使いにくそうなキャラは存在が抹消されるのに、これは一体…?)」
楠雄は思いながら、席に座る
メタ発言すぎる(笑)

「はーい、席ついて。
 今日のホームルームは男子女子各一名、文化祭実行委員を決めたいと思います」

担任から言われる

「(このとき、クラス中から不平不満があったが、その声にそれ程感情がこもってないことに僕は気づいていた。なぜなら、誰もが自分はならないと思っているからだ。その根拠は去年の文化祭実行委員を決めるとき、立候補したものが二人いたからだ)」

「(今回も二人がやってくれるだろう。僕含め、クラス全員がそう思っていた。
 が、ここで担任の口から驚きの言葉が飛び出した)」

「灰呂くんと葛西さんは前回やったから、二人以外でね」
担任から言われてしまう

「(今度は誰も声を上げなかった。
 二人が除外されたことにより、声を上げて注目をあびることはこういうのを任される確率が上がることをクラス全員が察していた)」

「じゃあ、立候補する人、手上げて」
担任は言う
「(全員、微動だにしなかった。わずかでも動こうものなら”あれ、お前手を上げた?”つるし上げを食らうことをほぼ全員が察していた。スケジュール調整、物資の調達に、予算の管理と一発屋芸人の手配、
 かつて文化祭実行委員だったものは口々にこう言う)」

”「まじで、だるい…」”

「(と。
 だが、誰かがやらなくてはならない。戦いのゴングは静かに鳴った)」
who will draw the short straw?
貧乏くじを引くのは誰だ?

「ここから先は学級委員の僕が取り仕切ろう。もう一度聞くが、実行委員をやりたい人はいないかな?
 いなければくじ引きなどで決めることになるが」
灰呂はいう

「いいじゃねぇ?」

「(最初の口火を切ったのは相ト命だ。彼女はくじ引きに絶対の自信を持っていた。なぜなら、彼女の本職は占い師。外れくじを回避するなど造作もないのだ。
 一流の占い師は自分の時間も簡単に占うというところか)」

「(僕も超能力者。くじなら負ける要素はない)」
楠雄はいう
「(が、ここで)」

「待って! 私は反対です。
 私が引かなくていいなら、くじで全然いいです」
目良さんはそう言う

「(全然よくない。クラス全員が思った。
 彼女は切り札があった)」

「私の家は貧乏なんです。今私は、生活のため、バイト掛け持ちをやっています」
目良さんはいう
「(くしも、その日妹の7歳の誕生日だってこと)」

「(目良さんの話は続いた。
 こんな貧乏な少女にこれ以上、貧乏くじを引けとは誰も言えなかった)」
(笑)そりゃそうだ…
「(が、しかし)」

「じゃあ、俺もいい?」
「(だが、この事を発端にその戦いは新たな局面を迎える)」

「俺も無理なんだわ」
高橋は言い出す
「(他の面々も即座に言い返した。理由があれば、除外される。
 目良さんがその前例を作ってしまったのだ)」

「(もちろん理由をでっちあげることも可能だが、
 下手な理由を選べば)」

「感じるのだ。この文化祭の裏に潜む気配が…」
海藤が意味の分からない理由を言う
「(醜態をさらすことになる)」

「海藤君は予定なしと。
 君はどうだい?才虎君」
灰呂はいう

「なんだ、このくだらない争いには俺様も含まれていたのか」
才虎はいう
「特に予定がないなら、君もくじを引いてもらうよ」

「そうか。だが、断る!」
あーやっぱり
「この俺様が貧乏人祭りの実行委員などやってられるたまるか」

「(このとき、
 才虎が取った行動はクラスメイト全てを侮辱するものだった)」
楠雄は言う

「100万ある。実行委員になった男にこれをくれてやるぞ」
才虎は言ったのだ

「(この金を受け取ることは人の尊厳を捨てると同義だ。
 その尊厳を捨てた。一転、争奪戦に)」
しかも、変装した目良さんが手を上げていた

「(中でも一番必死だったのはこの女子生徒の制服をきた謎の紳士だった。
 ここで、この男が動いた)」

窪谷須亜蓮
「俺がやる」
「(今は更生したが、亜蓮は暴走族の元総長、筋金入りの不良である。
 皆、黙って見ているしかなかった)」

「貴様も金がほしいのか?」
一旦、亜蓮は才虎からお金を受け取るが
「いらねぇよ。こんなもんで誰もが思い通りになるとは思ってんじゃねぇぞ」

「(その時、クラス全員が思った)」
”やべこいつ、かっこいいじゃん”
かっこいいけど

「(札束を拾い集める、
 その紳士を横目に見ながらほっと胸をなでおろした)」
楠雄は思う
目良さんは仕方ないよねぇ…と思ってしまう

「よし、男子は決まった。次は女子だ。
 誰か立候補はいないかな?」
灰呂は言う

「(男子が海藤君だったら、やるのになぁ)」
夢原さんは思っていた

「はい、私がやります。
 私でよければ」

そう言って、手を上げたのは照橋さんだった

「(彼女は理解していた。今、この瞬間に立候補することで一番株が上がることを。
 そして、女性陣が)」
”「「(負けた。完全に)」」”

「(圧倒的な敗北感。それもこれも全て計算の上に成り立った行動だが、彼女はさらにその先も計算している気がしてならない。このまま、すんなり終わることを神に祈った)」

「異論はないよね?」
すると、クラス男子どもが抗議をしたのだ
「(異論はあった)」
「男子は窪谷須くんに決まっちゃっただろう」

「(彼の硬派な一面がここにきて、首を絞めた)」
楠雄は思う
ってことは、辞退したのか

「(あとは彼女が思い描いた結末を迎えるだろう)」
結局、照橋さんがくじを引いて、男子を決めることに
楠雄、諦めてる(笑)

「(なぜなら、彼女の味方には先程祈った、神がついている。
 そう、こうなることは最初から分かっていた。僕は超能力者だからな)」
「(最後に貧乏くじを引くのはいつも僕なんだ)」

「あっ、斉木君だ!」
照橋さんの声が聞こえるのだった

第2話「PK学園文化Ψ1」
あらすじ
クラスメイトを上手く扇動し、文化祭の出し物を劇にした照橋。劇にすれば準備に大忙しで楠雄におっふさせるチャンスが目白押し! さらに劇中で楠雄におっふさせることも可能! 

すべては照橋の思惑通り進んでいると思っていた……が、そこはやはり楠雄が一枚上手。そして仕方なく劇の演目を決めるための話し合いを始めるが、昔話にあるモヤモヤする物語が気になりはじめて……!?

公式より
ストーリー|TVアニメ「斉木楠雄のΨ難」公式サイト

「(文化祭まで、残り1か月。文化祭の実行委員の僕と照橋さんは図書室にいた。
 なぜなら)」

「なぜかみんなで劇をやることになるなんてね。
 次の問題は劇の演目を決めようってことで図書室に来たけど、なかなかいいのがないわね」
照橋さんはいう
「(ということだ。説明ありがとう)」

「衣装も用意しなきゃだし、実行委員ってやること一杯ね。
 あーもう、劇なんてするんじゃなかったわー」
照橋さんはいう

「(なんてね!すべて計画通りよ。
 出し物を劇にしたものもクラスで決めたと思ってるでしょう)」
ですよね(笑)

数時間前―
「何か案がある方は挙手をお願いします」
照橋さんはいう
「巨大迷路はどうでしょうか」
「うん、迷路ね」

「喫茶店はどうですか、照橋さん」
「えぇ、喫茶店ね」

「五万羽!」
灰呂が言うが、照橋さんは軽く無視
「ほかにある人ー」

「劇をやるってどうでしょうか」
「馬鹿、そんなのやるわけ」

「わぁ劇。とっても楽しそうね」
照橋さんはいう
「「「「劇がいいと思います!」」」

「多数決をとるまでもないかな? 出し物は劇に決定。
 演目は実行委員で考えときます」
照橋さんの思惑通りにいったのだった

「(ウフフ、というわけで一件クラスで決めたようにみせかけて、
 私がうまく民衆をコントロールしたのよ)」

「(クラスメイトを民衆言うな)」
楠雄がつっこむ
「(じゃあ、何故劇にしたかって? 愚問よ、劇なら演目決めたり、衣装決めたり、小道具を一緒に買いに行ったり、忙しいから。おっふチャンス目白押しだし、なんなら劇の中にだって」

”「どうして何故ロミオなの」
「おっふ…」”

「(言わせることだってできる!)」

「(ロミオにそんな台詞はない)」
ツッコみを入れる楠雄
「(とにかくチャンスが一杯。
 今、図書室で二人きりな状況もかなり舞い上がってるんじゃないの、このこの)」

「(舞い上がってるのは君だ)」
楠雄は思う
(笑)確かに、テンション高い照橋さん。楠雄は素直じゃないのもあるけど

「ねぇ、見て。さっきスケッチブックを購買で買ってきたの。
 アイディアをまとめるのに使うかと思って」
照橋さんはスケッチブックを取り出す

「ほら、できた!私たちのチーム名、K’sに決まりました。
 このスケッチブックが3冊になるくらい、いっぱいアイディア考えようね」

「(フフ、意味わかるかしら。二人のイニシャルをKを一緒にしたのよ)」
「(もう、家電量販店しか思い浮かばないがな)」
(笑)ケーズ電器

「さぁ、二人しかいないんだから」
「(Kといえばちょうどいい。やれやれ、やっと来たか)」

「この俺も力を貸してやろう」
「こういうの憧れてたんだよ」
「相棒、待たせたな」
海藤、窪谷須、燃堂(キメモン)が現れた

「(そう、僕が呼んだんだ。君と二人きりだと、緊張してしまうんでな。
 それに、話し合いなら多い方がいいだろう)」
照橋さんの思惑を阻止するための対策がこれか

「わぁ、ありがとう
 (はぁ? 何やってんのマジで。せっかくの二人きりを潰すなんてどうかしてるんじゃないの)」
心中では非難轟々な照橋さん

「というわけで、無難なのはグリム童話とか、シェイクスピアかしら…」
照橋さんはいう
「そういえば、5組も劇やるって聞いたぜ。オズの魔法使いだったか」
「そうなの? じゃあそれは避けないとね」

「にせこいは作中の文化祭でロミオとジュリエットをやってたぞ」
「(それは言ったら、やれるものなんかないな)」
別の漫画の話題までかまってたら無理じゃ…(笑)

「それじゃ、桃太郎でいいんじゃねぇか?」
燃堂はいう
「ガキのお遊戯会だって、なめられるぞ」

「全然関係ないんだが、浦島太郎って酷い話だと思わねぇか。亀を助けた浦島太郎が竜宮城でおもてなしを受ける。ここまでは文句はない。
 だが、帰ってきたら竜宮城での数日はこっちの世界では何百年が時間が立っていたんだ。その上、お土産に渡した玉手箱をあけたら、一気に老化って!?無茶苦茶すぎんだろ」

「(本当に全く関係ない話だな)」
楠雄は思う

「いや、だって玉手箱を開けんなって言われてたしなー」
「いや開けるだろ! あの状況。
 もはや解決の糸口それしかねぇだろ!」
海藤はいう

”「あいつ、外の世界観たらビビるっしょ」”
「とんでもねぇ、初見殺しだよ。
 つーか、姫もカメも説明しろよ、色々」

「そうね。
 そういえば、私も初めて花咲じいさんを聞いたときはちょっと変だと思ったもの」
照橋さんまで言い始める

「昔々、あるところにおじいさんとシロという犬が住んでてね。ある日、シロが”ここ掘れ、わんわん”というから、畑を掘ったら小判が出てきたの。
 それを聞いた隣のおじいさんがシロを借りて、探させたんだけど、出てくるのは蛇や汚い物ばかり」

「怒った意地悪お爺さんはシロを殺してしまうの。お爺さんはとても悲しいんで、シロのお墓に木を植えたの。すると、短い月日でその木は大木になって、お爺さんもこれはシロだって思ったわ」
「そして、その木を切って、うすをこしらえたの」

「切っちゃうの?いや、ダメじゃない それ!? 
 まぁ色々説があるけど、とにかくお爺さんがそれで餅をつくと、うすからお米があふれ出したの」
確かに切れないな、それ(笑)

「まぁぶっちゃけ最初のくだりでお爺さん、お金持ちになってるし、大量のお米いる?っていうのは良いとして、再び隣のおじいさんがうすを貸してくれと頼んだの。
 仕方なくうすを貸したおじいさん」

「いや、貸すの!? 普通、貸さなくない?」
照橋さんの突っ込みは確かにその通りだけど、昔話だし…
「飼い犬を殺した相手に飼い犬の形見、貸しちゃうの!? 普通なら、お前をもちの代わりにしてやろうっていう」

「(怖い話になるな)」
楠雄は思う
「案の定、意地悪お爺さんは上手くいかず、うすは燃やされ、灰にされてしまうの」

「”照橋さんははなさかじいさんを語り続けた”」
「牢屋に入れられてしまいましたとさ。おしまい。
 結局、何の話なの!?エピソードが繋がっているようで繋がってない」

「(お前らが何の話をしているんだ。
 そもそも劇の演目を決める話をしているんだろうが)」
楠雄は思う

「おぉ、そんならよ。俺っちも一つおかしいと思ったような話があってよ」
燃堂が話し始める
「何の話だよ」

「昔々あるところに爺と婆がいてよ。川から桃が流れてきたのを拾ってよ、
 中をぱかっと開けてガキが出てくるんだ。いやいや、んなわけねぇだろうが」

「あー燃堂燃堂。そういうんじゃねぇから、今」
「設定が変だというそういう話じゃねぇだろう。ちゃんと聞いてるのか」
海藤と亜蓮は言う
「(だから、全員間違えてるっつうの)」

「ちっ、しゃあねぇ。俺が一つ話してやっか」
「”窪谷須君の話は原作漫画でお楽しみください”」
えぇぇ(笑)カットされた

「(僕、帰っていいかな)」
楠雄は思うのだった

第3話「PK学園文化Ψ2」
あらすじ
昔話をアレンジし、ツッコミどころのないオリジナルの劇をすることになった楠雄達。演目が浦島太郎に決まり、着々と準備が進む。文化祭2日前。舞台衣装が完成したが、配役決めの時からその場にいなかった楠雄は台本の内容を知らなかった。

乙姫役の照橋やサンゴ役の燃堂、亀役の灰呂、そして浦島太郎役の窪谷須。しかし何故か窪谷須は主人公ではないらしく……?

公式より
ストーリー|TVアニメ「斉木楠雄のΨ難」公式サイト

場面カット絵が照橋さん(乙姫様バージョン)になっていた。
びっくり

「そういや、こぶとり爺さんの話が」
亜蓮が話している中、楠雄は
「(うん、こいつら劇の話する気ないな。よし、帰ろう)」

「でもこうしてみると、童話って変な話が多いわね」
照橋さんはいう
「確かに、ここをこうすればいいのにって話はいっぱいある。はっ!」

「どうかした?」
「そうか、作ればいいんだ。
 俺達の手で変えてしまえばいいんだ、童話を」

海藤が言い出す
「えっ」

「登場人物を増やしてもいい、時代設定を変えてもいい。
 俺達の手で突っ込みどころがないよう、童話をアレンジして、文化祭の劇で発表すればいいんじゃねぇ!?」

「(まわりまわって、一番普通の所に行きついた)」
(笑)確かに

「「な、なんて斬新なアイデア!!」」
そういう亜蓮と照橋さん
「(斬新じゃねぇよ。むしろ、そのままやる方が少ないだろ)」
楠雄は突っ込む

「す、すげぇ。現代版桃太郎もありじゃね?」
亜蓮は言う
「(ありがちだろ)」

「鬼側の視点も新しいんじゃないかしら」
照橋さんはいう
「(古典だろ)」

「”この世に童話をアレンジした演劇が生まれた瞬間であった”」
ナレーションまで嘘ついた
「(嘘つけ!)」

「さっき言ってた中で一番突っ込みどころが多いのは」
「あぁ、やっぱこれだな」
「そうね、有名だし!」
浦島太郎が選ばれた

「よぉし、俺達の演目はアレンジした浦島太郎だ!」
「「「おー!!」」」

「(ARIGACHI(ありがち))」
楠雄は思う

「(3組の文化祭が浦島太郎に決まり、文化祭残すこと後2日。台本制作、配役も決まり、稽古も大詰め、そして今日、ついに全員の衣装が完成した。僕もやるからには全力で頑張るつもりだ。
 わかめDの役だけどな)」
あまり目立たない奴になったのか、楠雄

「(やれやれ、わかめ役で本当に良かった。
 照橋さんがやたらと僕を浦島に押していたらしいが、関係ない)」
楠雄は思う

「照橋さん、入られます!」
クラスの男子は言う
「(噂をすれば、きたか)」

「ど、どうかな?」
乙姫姿照橋さんが現れる
「サイコーっす!照橋さん」

「まぁ、ありがとう
 (今のは間違いなく、扉絵になったわね)」
そうですね、なってましたね(笑)

「(はいはい、正解だよ)」
楠雄は思う
「あの乙姫なら、竜宮城でないわ、俺」

「やはり、思った通りだったな。
 乙姫役に照橋さんをキャスティングした俺の目に狂いはなかったぜ」
脚本・監督・海藤はいう

「(たぶん、全校生徒満場一致だと思うぞ。監督)」
楠雄は思う
うんうん(笑)

「斉木も中々似合ってるな。よかったのか、そんな脇役で。
 確か、配役決めるときいなかったよな」
海藤に言われる

「(最高だな。子供の頃からわかめ役やるのが夢だったんだよ。
 …そう、配役決めの回をバックレたのだ。余計な事をして、照橋さんの神の力を呼び起こすより、書置きを残して逃げる方安全だ)」

「(結果、上手くいったが。おかげで他の配役をまだ知らないのだ。
 で、結局誰が浦島太郎をやるんだ?)」
楠雄は思う

「おっ、来たか」
「おぇぇ」
燃堂が登場した

「おい見ろよ。あれが浦島役を強く希望したが、セリフが全く覚えられず、
 サンゴB役になった燃堂」

(笑)なるほど

「(ぴったりな配役だな)」
楠雄は思う
「これ、動きづれぇな。おっ、相棒、なんだその格好マジウケんぞ!」

「(お前が言うな)」
楠雄はつっこむ
(笑)

「最初はよ、燃堂が浦島っつうのも意外性が合って悪くねぇかって。
 やらせてみたんだけどよ」
海藤はいう

”「おい!おめぇらあれだ。だめだぞ。あれすんじゃねぇ!あれ!」
訳:君たち、カメをイジメるのは止めたまえ!

「(でしょうね)」
楠雄は思う
(笑)台詞覚えるのが無理だったか

「おかげで僕も何度稽古に付き合わされたか」
「(誰もいないぞ)」
辺りを見回す楠雄

「下だよ、下」
下を向くと、カメがいた
「(うわっ、びっくりした)」

「やぁ、斉木君!」
亀役灰呂杵志
「(今はカメの役する必要ないだろう)」

「灰呂はすげぇんだぜ。亀役に決まったらすぐに役作りを始めてよ。登下校や体育の授業もずっと張ったまま、過ごしてたんだ」
海藤は言う
「(馬鹿か)」

「おかげで今ではこんなに早く動けるよ」
素早い亀って大丈夫なのだろうか
「(動けちゃ駄目だろ。こんな早い亀、一目見て誰もいじめないだろう)」

「で、その亀をいじめるのがあの二人だ」
海藤は言う

「こののろまなカメめ!」
高橋はいう
「(ぜんぜんのろまじゃない)」

「うぉ、カメ!亀!」
「高橋と」
亀をいじめる子供A役 高橋
「(台詞もう少し考えてやれよ)」

「あと目良さんだ」
「亀って食べられる? 食べられるよね?スッポンだって食べられるし。ねぇ、カメはどんな味がするの?」
亀をいじめる子供B役

「(この人、本気で怖い)」
楠雄は思う
本気で食べる気じゃ…

「(ふむ、主要キャラがそろったが、肝心な浦島は誰だ?)」
楠雄は思う

「おっ、来たか。よう、良く似合ってるじゃんか」
海藤は言った
「へへっ、そうか。自分じゃよくわかんねぇが」
浦島太郎役 窪谷須亜蓮

「(窪谷須がやるのか)」
楠雄は思う

「しかし、衣装着ると緊張するな。できっかな、俺」
亜蓮は言う
「頼むぜ。主役の次に重要な役なんだから」

「(主役の次? 浦島が主役だろ)」
楠雄は思う

「道を開けろ。邪魔だ、脇役貧乏。主役様のお通りだ」
才虎が現れる
裏島太郎役 才虎芽斗吏

「(ん? 裏島?)」
困惑する楠雄

「ん?なんだ、その顔。お前もしかして、台本読んでねぇのか」
亜蓮は台本を出してくれる
「(すまない、読んでない)」

「劇のタイトル、よく見ろよ、ほら。
 主役は俺じゃなくて、才虎がやんだよ」
亜蓮はいう
「(裏島、だと)」

「浦島の話をアレンジするって言ったべ? 
 ったく、わかめ役だからって台本くらい目を通しとけよ」

「(だからって、なんであいつ、主役なんだ?)」
楠雄はいう
「あいつもわかめC役だったんだけど、ごねてよ。金で全員を買収しやがったんだ。
 セットとか衣装とかの手配もやってるし。主役やりたいわけじゃねぇから別にいいけどよ」

「(なるほど。どうりで衣装に金がかかってると思った)」
あぁ、だからクオリティ高いのか

「よぉし!全員着替え終わったかな。
 じゃあ、これを着て最後のリハーサルをしよう」

灰呂はいう

「おう、そうだな」
「じゃあ、体育館行こうぜ。わかめもさんご、流れ見とけよ!」
亜蓮と海藤はいう
「衣装を着ると、気合が入るぜ!」

「(つづく…)」

第4話「PK学園文化Ψ3」
あらすじ
文化祭の劇のリハーサルを行うクラスメイト達。明智のナレーションで淡々と進み、途中気になるところはあるものの、オリジナル版“裏”島太郎の劇は何事もなくハッピーエンドを迎えたかのように思われた。

しかしそのオチは、セットや衣装にお金を出した才虎を納得させるために海藤が作ったニセの台本だった! そのことを知った才虎は全てのセットと衣装を撤収させてしまい、文化祭目前にして大ピンチ!?

公式より
ストーリー|TVアニメ「斉木楠雄のΨ難」公式サイト

「よぉし、準備はいいな! スタート!」
海藤の合図で劇のリハーサルがスタートする

「”2年3組、プログラム「浦島太郎」。昔々あるところに浦島太郎という一人の若い漁師がおりました”」
語り手 明智透真
「(お前かよ)」
いないと思ったら、そんな所に(笑)

「”ある日のこと、浦島はいつも通り、海に出ると浜辺の方で人だかりができていました。近くに寄ってみると、子供たちがカメをいじめているのではありませんか。正義感の強い浦島は」

「なんてかわいそうな事を!」
浦島太郎役の亜蓮は言う
「”しかし、悪魔が耳元でささやきました”」

「やめとけやめとけ」
「”そう、裏島太郎”」

「助けても一円にもならん」
裏島太郎役・才虎は言う
「(だから、誰なんだお前は)」

「”裏島太郎とは、浦島太郎のもう一つの顔、裏の人格です”」
「(二人一役か)」
なるほど、そういうことか

「弱者は死に方すら選べず、ただ食われるだけ」
裏島太郎役・才虎は言う
「(昔々あるところ、怖っ)」
怖いよ(笑)

「ただ、少々興味深いな。よぅ、のろまな亀貧乏」
裏島太郎役・才虎は言う
「おい、貧乏は台本に載ってないぞ!」
「書き加えとけ」

「おい亀、俺が助けてやってもいいぜ。その代わり、案内しろ。
 海底の楽園・パレス・オブ・ザ・ドラゴンにな」
竜宮城がパレス・オブ・ザ・ドラゴン…

「おいてめぇ!」
いじめる子供が声を上げるが
「消えろ」

そういって手を動かすと、高橋(いじめる子供役)が軽く吹き飛んだ
「何が起きた!?」
「(爆発した)」

「騒ぐな。服に仕込んでいた爆薬が爆発しただけだろ。
 芝居を止めるな」
えぇぇ(笑)爆薬仕込んでたの

「なんで、勝手に仕込んでんの!」
高橋は言う
どうして知らせてないの(笑)

「助けて頂きありがとうございました。
 約束通り、案内させていただきます。パレス・オブ・ザ・ドラゴンに」
亀役・灰呂は言う
「”こうして、浦島太郎は助けた亀に連れられて”」

「(確かにあの役、灰呂じゃなきゃできない)」
人力で二人を運ぶ役は確かにね

「サンゴは突っ立ってるだけでいい。
 わかめにはゆらゆらと揺れてもらうからな」
海藤に指示される
「おー」「(灰呂よりは楽だもんだな)」

「(電気が消えた)」
辺りが暗くなり
「(ついた)」

「”こうして、浦島と亀はパレス・オブ・ザ・ドラゴンに到着しました”」
豪華な竜宮城が目の前に現れる
「(金かけすぎだろ、才虎財閥)」

「これがパレス・オブ・ザ・ドラゴン」
裏島太郎役
「海底にこんなところが」
浦島太郎役

「”パレス・オブ・ザ・ドラゴンにつくと、
 タイとヒラメが出迎えてくれました”」

「あら、いい男ねぇ」
ヒラメ役 相ト命
「うふふ」
タイ役 夢原知予

「”更に奥に進むと”」
「な、なんだ?」

「ようこそ、いらっしゃいました。乙姫です」
乙姫役・照橋さんが現れる
「(後光強っ)」
「”乙姫がいました。浦島はあまりの美しさに思わず”」

「おっふ」
「”驚嘆のため息を漏らしました”」
入れた(笑)

「(台本にあった)」
楠雄はいう
「”浦島は乙姫に一目ぼれしてしまいました”」
「(おっ、恋愛要素をプラスしたのか)」

「”それから浦島太郎はパレス・オブ・ザ・ドラゴンで楽しい時を過ごしました。娯楽の殿堂・パレス・オブ・ザ・ドラゴン、浦島はパレス・オブ・ザ・ドラゴンがとても気に入りました”」

「(なんだ、何で毎回、フルで言うんだ?)」
疑問に思う楠雄
「”時がたつのも忘れて、気がつけば1か月も過ぎていました。浦島はパレス・オブ・ザ・ドラゴンを後にし、ふるさとに帰ってきました”」

「(恋愛要素どこに行った?)」
楠雄は思う

「”乙姫を振り向かせようとしたのですが、ガチで無理と拒否られ、
 絶対に開けてはいけないという玉手箱を持たさせ、追い出されました”」

「(何があったんだよ)」
ほんとに何があったんだ

「”ふるさとを歩くと、すぐに異変に気づきました。知っている人が誰もいないのです。
 なんとパレス・オブ・ザ・ドラゴンに言っている間に何百年の時間がたっていたのでした。浦島は玉手箱を開けてしまいました」

「煙をあびると、浦島はみるみる年を取り、死んでしました。
 しかしなんと、裏島太郎は煙を浴びても死ななかったのです。亡くなったのは浦島の分の寿命だけで、裏にいた裏島はなぜか平気だったのです”」

「”裏島はもう一度、パレス・オブ・ザ・ドラゴンに向かいました。
 裏島と乙姫は結婚。いつまでも幸せに暮らしましたとさ”」

「はいOK」
海藤はいう
「(なんだ? これで終わりか?これで終わりなら何もOKじゃなかったぞ)」

「俺様と心美のキスシーンで終わるべきだろう」
才虎はいう
「あ、あぁ……」

「じゃあ、俺は帰るから明日までに治しておけよ」
そう言って、体育館の外へと向かった才虎

「おい斉木、今の話どう思った?」
こそっと海藤が聞いてくる
「(本家の浦島太郎よりモヤモヤしたな)」

「単なる幸せになるのに違和感があるだろう? 
 ふふふっそうさ、今の台本は嘘だからだな。
 才虎が納得しねぇからオチを書き換えたんだ。稽古中、口答えがひどくてな」

「本番は宝だと思って、玉手箱を盗み出した裏島が老化して、
 浦島と乙姫が幸せになるっつうオチにする予定だ」

あ、その方が確かにすっきりする

「この衣装やセットは才虎財閥の力で作ったと過言ではない。
 もし、あいつが下りたら大変なことになっちまうぜ」

「(じゃあ、大変なことになったな)」
楠雄はいう

「今の話、ほんとか?」
「げっ、才虎!?」

「ずいぶん、舐めた真似をしてくれたな!
 おい、お前ら撤収だ、全て片付けろ!」
才虎はいう
「ははっ! 当日を楽しみにしてるぜ。ほんとのオチってやつをな」

文化祭まであと二日
あーあ、どうするんだろ

「”そして、文化祭当日。この劇が終われば、出番だ”」
オズの魔法使いは中々クオリティが高かった

裏島太郎、という題名に疑問に思う観客たち
「いや、噂だと3組の劇、衣装とかセットとか超凄いらしいぜ」
「しかも照橋さんが乙姫だぜ!」
「まじかよ」

こうして、3組の劇が始まる
ジャージ姿の亜蓮(浦島太郎)が現れた
「”昔々あるところに浦島太郎という一人の若い漁師がおりました”」

浦島という名前札が描かれたものを下げている
「(くっ、やっぱこうなるか。才虎がバックレて、一日しか準備が出来なかったからな。 
 このたった一日、俺達だって遊んでたわけじゃねぇんだぜ。
 見せてやるぜ、俺達の浦島太郎な!)」

「(つづく…)」

第5話「PK学園文化Ψ4」
あらすじ
残された1日でセットや衣装を何とかしようとしたクラスメイト達。いざ本番が始まると、それぞれ用意していた思い思いの小道具を取り出す……。さらに、いなくなった才虎の穴を埋めるため、監督だった海藤が主役である裏島太郎役に名乗りを挙げる。

私服を組み合わせた衣装がいい感じになった海藤だったが、照橋は用意された衣装を着ずにジャージのまま登場! しかしこれは壮大な照橋ワールドの幕開けだった……!?

公式より
ストーリー|TVアニメ「斉木楠雄のΨ難」公式サイト

文化祭二日前―
「どうすんだよ! 衣装もセットも才虎に持ってかれちゃったし。裏島役もいねぇ!
 文化祭は明後日だぞ!」
海藤は言う

「仕方ない。後一日でやれることをやろう! 
 作ろう、五万…」
灰呂が五万鶴をいおうとするのを海藤が遮る

「劇は中止しない。明日、土曜は休みだ。各地、自分の衣装を作ってくるんだ。
 俺たちがやってきた稽古を絶対に無駄にするな!」
海藤はいう
「「おー!!」」

場面が劇へと戻る
「(丸一日予定が入ってたの、完全に忘れたぜ。くそっ、これしか持ってこられなかったぜ…)」
最新式の釣り竿である
「(すまねぇ、皆。俺は信じているぜ、頼むぞ灰呂たち)」

そこにあったのは亀でもなんにでもない灰呂を
包丁を持った目良さんとバックルをもった高橋がいじめていた

本当のいじめだろ、これ(笑)

「(ただのいじめだ、これ! 
 おい、おめぇらも何もやってねぇんだ。俺でも止めに入るぞ!)」
亜蓮は思う

「(漫画読んでたら、すっかり朝だった!とりあえず、いじめっ子っぽいメイクを)」
高橋は思う
「(全然っぽくねぇだろ)」

「(私も一日中、バイトだったから。でも大丈夫。亀をさばくための包丁はある)」
目良さん(笑)
「(亀をさばく役じゃねぇよ!)」

「(僕も済まない。
 たった一日じゃ亀の裏側を作るので背いっぱいだった)」
なんでだー(笑)
「(亀の表から作れや!)」

「(やべぇ、このままじゃ劇は終わる。ましてや次は裏島太郎役)」
亜蓮は思う

”「裏島は俺がやる」
海藤がやると言い出したのだった”

「(これからもっと不安な奴が来るなんて、もう駄目だ。
 裏島太郎は失敗だ)」
亜蓮はいう

「ははっ!亀を助けても一円にもならんぞ!」
それっぽい恰好で海藤(裏島太郎役)が現れた
「(それっぽくなってる!)」

「(やれやれ、私服を組み合わせた結果、それっぽくなった)」
海藤は思っていた
「(すげぇぜ、瞬。主役さえ、ばっちりなら。この劇は死んでねぇ、行けるぜ瞬!)」

しかし……
「じゃあきたら、アレだ!けけけっ」
緊張で噛む始末
「(あれ?)」

「(やばい。台詞は覚えてるのに、緊張で声が…)」
海藤は言う
「(やれやれ……仕方ないな。催眠!)」

「(皆、ジャガイモだったらいいのに…)」
ちらりと客席を見ると
「(本当にジャガイモに見えてきた…よし、これならいけるぞ!)」

台詞をかまないで言えるようになる海藤
「(催眠で全員の顔がジャガイモに見えるようにした。
 ここまで酷いと実行委員として、黙ってるわけにいかない)」
楠雄のお陰か

「よし、いくぞ!」
わかめ役の4人が緑のシャツを着て、ゆれる
これはわかめだと分かるのか(笑)

「(それに、これ以上出にくい雰囲気にされるのはごめんだ)」
楠雄は思う

「よぉし、パレス・オブ・ザ・ドラゴンをもって登場だ!」
海藤は舞台脇でいう

竜宮城(パレス・オブ・ザ・ドラゴン)の看板が描かれた簡易的な門が登場
「(こんな夢のない竜宮城はいやだ)」
楠雄は思う

「なにあれ、高跳び?」
「浦島と裏島の区別がつかねぇ」
観客たちはすでに飽き始めている

「あらぁ、いい男ね」
ヒラメ役相ト命 タイ役 夢原知予
夢原さんが水着か!

「(別の意味でみずみずしいな)」
楠雄は思う

「もう少し見ていくか」
帰りかけていた観客(男性)の足が止まった
「(観客も帰る寸前だな。まぁ、それも当然か。僕ならとっくに帰ってる)」

「照橋さん、そろそろ出番」
呼びに来るクラスメイト
「照橋さん、それで出るの?」

「えぇ、だめかしら?」
「別の衣装もあるのに…」

「”さらに奥に進むと”」
舞台はようやく乙姫ターンへ
「おい、くるぞ」
「照橋さんだ」「待ってました!」

「(よぉし、ついに照橋さんの出番だ)」
「(照橋さんは衣装もばっちりだ!)」
主役の二人は思う

しかし、照橋さんはジャージのままだった
「ようこそ、いらっしゃいました。パレス・オブ・ザ・ドラゴンへ」

「(えっ、衣装は?)」
「(どうして?)」

「えっ、照橋さんもジャージかよ…」
観客たちから落胆の声が漏れる
「(照橋さん……君は)」

「浦島さんって、お優しいんですね」
そういった乙姫役・照橋さんの姿が観客たちに一瞬、
衣装を着た乙姫に見えた

「どうした?」
「今、一瞬…いや、見える!乙姫の姿をした照橋さんが!」
観客たちはいう
「本当だ・・・。これは照橋さんの美しさと演技力による錯覚か!」

「見ろ、乙姫様だけじゃない。
 照橋さんが並ぶことによって、浦島にしか見えなくなってきた」

凄い(笑)
「おっふ…」

「浦島がおっふって言ったぞ!」
「わかめもさっきまで人間だったのに!」

「すげぇ、完全に浦島太郎の世界!」
「完全に照橋ワールドだ!」

「(ふふふ、そうよ、私に衣装なんて必要ないわ。
 私の演技力と美しさがあれば、どんな姿でも心に移すことも可能なの!

 同じジャージで登場することによって、他の演者にも役を投影させやすくしたわ)」

「(今回は私が目立つことより、劇の成功を優先してあげる。
 この私が文化祭実行委員なんだから、失敗なんてありえないわ。最優秀賞なんて確定なんだから)」
照橋さんは言う

「(普段から演技してるだけあるな。だが、いくら照橋さんでも全員の姿を変えるのは無理だろう。
 だから僕が催眠能力で見えるようにした)」
楠雄の援護か、

「(普通に使えば、違和感だらけだがな。それを不自然じゃない状況にした照橋さんがすごいのであって、僕の協力は微々たるものだ。僕も一応、実行委員だから、これくらいはしないとな。
 同意しよう、僕と君が力を合わせたら、失敗なんてありえないな。無敵だ)」

劇はクライマックスへ
「あの玉手箱のおかげです。私の身体は自由になれました。
 あの煙はここへの時間を閉じ込めたものだったんだ。こうなることわかって、貴方は私にあの箱を」
浦島太郎はいう

「そこまでわかっていて、何故ここまで戻ってきたのですか! 
 もう、玉手箱はないのですよ!」
乙姫様は泣きながら、そう叫んだ

「ここは貴方がいた世界とは違う時間が流れています。
 ここにいては100倍の速度で年を取っていくのです」
「いいや、僕は戻らない!」

「(いよいよクライマックスか)」
楠雄は思う
「今ならまだ」

「(やれやれ、今回の文化祭も大変だったな…)」

「あなたの事が好きだ!」
そう叫ぶ浦島太郎
「私も……私もあなたが好……」

そう言いかけて、照橋さんの視線は楠雄に映ってしまう
「す…すき、焼き食べる?」
最後の最後で、解けちゃった…(笑) 結構、いい劇だったのに

「”最優秀賞は5組のオズの魔法使いに決定した”」
あーあ(笑)最後で失敗するとだめなんだろうな

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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