此花のアニメ&漫画タイム

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骨好きなお嬢様・櫻子さん、正太郎とお供に増毛の海岸へ…そこで見つけたのはまさかの”人骨”で!?第1話「骨愛ずる姫君」 感想 櫻子さんの足元には死体が埋まっている

此花(このはな)です

今回は櫻子さんの足元には死体が埋まっている。の第1話「骨愛ずる姫君」の感想を書いてきたいと思います

最初の1話は櫻子さんとはどんな人物か?をあらわす話。
骨の知識がどんどんと披露されるお話なので、凄く面白く見てました。
小説よりは、なんだか可愛く見えてくる櫻子さんのキャラ(笑)

小説と同じように正太郎視点で描かれるお話だから、櫻子さんの思考は読めないけれど楽しいですね、見てて。
あらすじに関してはアニメがやってから、更新するようです。

さて、本編の感想へ行きましょうか!
最初は正太郎君の語りから
「”僕は時間の死んだ街で生まれた。
 良くも悪くもマイペースで強情で変化を嫌うこの街では、澱んだ時の流れすら平穏だとか、安寧(あんねい)と呼ばれる。
 それはまるで、大腿骨(だいたいこつ)の様に真一文字さでこの街と人々の心をせき止めている”」

季節は春、桜が舞っていた。

「良い季節だよなぁ…」
正太郎に声をかけてきたのはクラスメイトの今居陽人
「うん、おはよう今居」

そうやって会話をしていると、校門前で何か騒がしい
通りがかりに二人で覗くと、そこには猫の死体が横たわっていた。
「いこう、館脇」
今居がそのまま通り過ぎようと提案するが、館脇正太郎は違った。

「すいません!ちょっと通して」
人たがりの前に躍り出る

「誰か、学校で新聞紙とビニール袋。
 あと、ダンボールもらってきてくれませんか?」

正太郎はそう人たがりに言うが、少し戸惑った反応を見せる高校生たち

「じゃ、私が」
一人の女子高生が手をあげる
そして、今居もつられて学校へと走り出す

「”リアルな死は人をひるませる。当然だ。
 少し前だったら、僕も皆と同じ反応をしてただろう。でも……僕は、”あの人”と出会った。――だから…”」
櫻子さんと出会ったから、リアルな死に耐性がついたって事なんだろうな…。

その猫の死体は学校の桜の木の下に埋められた。
「どうか、化けて出ませんように!」
今居は手を合わせて祈る
「本来は保健所に持っていた方がいいんだろうけど」
正太郎のクラス担任である、磯崎先生がそう言う

「すいません、磯崎先生。無理言っちゃって…」
正太郎はそう言う
「まぁ、生物教師として、
 日々生徒達に命の大切さを教える身としてはね」
わぁ、石田さんだ…声が

「君も手伝ってくれてありがとう。あーえっと…」
手伝ってくれた女子高生にお礼を言うが、名前を言えない
すると、後ろから今居が名前を教えてくれる
「鴻上さんだ。隣のクラスの」

「知り合い?」
正太郎がそう言うと、鴻上さんが説明してくれる
「今居くんとは同じテニス部で…」

「鴻上百合子です。よろしく」
笑ってそう言った
「館脇正太郎です」
お互いに自己紹介する

今居は桜の木を見て
「そういえば、こういうのどっかで聞いたことあるな。
 桜の木の下には…」
つぶやく
「死体が埋まっている。梶井基次郎の小説だよ」
あれって、小説だったのか…。聞いた事あるとは思ってたけど…

正太郎は下校時間、ある場所に向かっていた
「”北海道旭川市。ここが僕の住む街だ。
 最近は動物園が人気で、おとずれる人も少なくない。だけど、街を流れる時間は至極ゆったり。というか、はっきり言って停滞している。それでも僕はこの街が好きだ。
 この街にはひっそりと優しく息づいている”」

九条という名をかけた門をくぐる正太郎
「”そして、ここには……
 過去を生きた者たちを慈しむ人がいる”」
バラの咲く庭園を進むと、桜の木の下に一人の女性がたつ

「”そう、ここにはここ、九条家の桜の木の下には”」

「やぁ、少年。よく来たな」
にこりと笑って言った
声ぴったり櫻子さん

「”骨愛ずる姫君がいる”」

場面変わって、増毛の海岸へ向かう櫻子さんと正太郎
「なんだ…その子猫は埋葬してしまったのか。つまらない事をしたな」
残念そうな声で櫻子さんは言った。
「普通そうするじゃないですか」

「では、私は普通ではない訳だ」
「それは…」
櫻子さんの言葉に返す言葉がない正太郎

「”この人が九条櫻子さんだ。道内でも有数な旧家のお嬢様で、あの広いお屋敷にばあやさんと二人きりで住んでいる。
 容姿端麗、頭脳明晰、一見非の打ちどころがないように見えるけど”」
かたる正太郎だが、櫻子さんは車内の音楽をスタートさせた。しかも、爆音でだ

「”櫻子さんは基本、人間が好きじゃない。というか、人間関係というもの自体、
 興味がない。そんな彼女が好きなものは”」

「”骨だ”」
お、出た標本

「”それは幼い頃からだという。櫻子さんはありとあらゆるものの”骨”に恋焦がれ、ついにはそれを仕事にしてしまった。櫻子さんの職業は標本士。
 動物の死体から骨を取り出し、骨格標本をつくる職人だ。ようするに櫻子さんの興味をひくのはすでに命を失った死体だけなのだ”」

正太郎は爆音で響いている車内の音楽を止める
「耳が悪くなりますよ」
「リアベル殿下の声は例外だ」
櫻子さんは反論する

「”ところで僕らの関係はというと、微妙な所だ。
 もちろん、恋人関係ではないし、友達というのもちょっと違う。ちなみに櫻子さんには在原さんという道警に務める超エリートの許婚がいる。
 そんなわけで僕と櫻子さんは…”」

車内の窓から正太郎は増毛の看板を見かける
そこには甘海老の絵が載っていた
「あっ!」
思わず、大きな声を出してしまう

「どうした?そんな大声をあげて」
「甘海老です!そうだ!増毛といったら、甘海老だ!」
きらきらとした表情で正太郎はいう
「そうか」

逆に櫻子さんの反応は冷めたものだ
「せっかく海に来たのに……」

「どうして、死んだ動物の骨拾いなんだよー!」
海に向かって叫ぶ正太郎
(笑)どんまい!正太郎。でも、その目的は”食べ物”なんだろうけどね?

「青い海、青い空、ここちよい潮風。
 君は一体何が不満なんだ?」
ハエがたかった動物の骨を持ちながら、櫻子さんは言う

「何がって…」
正太郎は消臭スプレーを取り出す
「なんでもです…」
スプレーを櫻子さんの周りに吹きかけた
なにも説明がないけど、消臭スプレーだったよね、確か

「それにその少年っていうの、やめてくれませんか!」
正太郎はそう訴える
「何故だ?」

「僕には館脇正太郎っていう名前があるんです。
 なんか子ども扱いされているみたいで…」
不満そうにそう言うと、櫻子さんはこう言った

「なら、大物でも引き当てて私を感心させることだ。
 運が良ければ、クジラの骨なんてものにもお目にかかれるぞ」

「クジラ…」

「あー夢があるだろう?そうだ!」

「大物を見つけたら、
 ご褒美に甘海老をご馳走しよう!」

そう、櫻子さんが提案する

「本当ですか!」
「あぁ」
甘海老の言葉を聞いた途端にやる気を出す正太郎
(笑)美味しい物をたべるの、好きだもんね正太郎君

「甘海老~甘海老~今日は楽しい甘海老祭り~」
そう歌いながら、骨探しを始める
すると、さっそく骨を見つけて、櫻子さんに見てもらう

「はい、櫻子さん」
「キツネの大腿骨だな…。
 いらないよ?もううちにある」
バッサリと切られ、がっかりする正太郎

次ー
「少年、これはただの木だ。私をからかっているのか?
 この調子じゃ、甘海老は遥か彼方だな」
その木を海の方に投げられる

今度は骨らしきものを掘り当てた正太郎
「今度こそ!甘海老祭り、お願いします!」
念じてから、土を払っていくと…?

「おぉ…これは大物だな」
それを見て、櫻子さんはそう評した
「え、でも…これって!」

「あぁ、実にありふれた生き物の骨だよ」
そう言って、櫻子さんはその骨を付いた土を払っていく

「やぁ、こんにちは」
その骨に挨拶をした
正太郎は腰をぬかす

「櫻子さん!それ!」
慌てる正太郎が、櫻子さんは至って平然だ
「人間の頭蓋骨だが?見たまえ、実に美しい。
 保存状態もすこぶる良好だ」

「だから…そういうことじゃなくて…」
正太郎君が言う気持ちはよく分かる。むしろ、普通の人はそういう反応する

「すばらしい……!
 蝶形骨までほぼ無傷で残っているぞ?」
「蝶形骨?」
聞きなれない骨の名前に正太郎はつぶやく

「少年?人間は頭の中に一匹、蝶を飼っているんだ」
「え?」
櫻子さんは正太郎の目と目の間に人差し指を当てた
「ほーら、ここ、この奥にいる」

つまり、目の奥に蝶形骨という蝶の形をした骨があるということか
「蝶形骨はその名の通り、蝶の形をした骨だ。
 非常にもろく、すぐに壊れてしまう。だが、美しい」

「ふふふ、すばらしいコレクションになるぞ」
櫻子さんは嬉しそうだ
でも、さすがに人間の骨はまずくないか?

「櫻子さんまさか、その骨持って帰るつもりじゃ…」
言動からまさかと思って、そう言う正太郎だが

「今日一番、収穫だな!」
めっちゃ嬉しそうだ…そして、可愛い

「駄目ですよ!だってそれは…誰かの骨で…
 海の事故で亡くなった人のものかもしれないんですよ!」
正太郎はそう訴えると、櫻子さんはそれを否定した。

「いや、その可能性は薄い」

「ここを見たまえ、骨折している。
 形状から推測するに棍棒状のもので殴られたのだろう」

ずいっと頭蓋骨を前に出して、正太郎に見せる

「じゃ、殺されたってことですか」
「かもしれない。これだけ強く殴打されれば、
 死につながる脳挫傷を引き起こしてもおかしくない」

その話を聞いて、正太郎は携帯が入っているポケットをさぐる
「被害者は女性。これは頭頂骨の緩やかな傾斜を見れば、分かる。縫合性の融合からして、20代後半といったところか。

 知っているか、少年。頭蓋骨っていうのね、非常に雄弁な骨のひとつなんだ。
 訪ねれば、様々なことを語りかけてくれる。このようにU字型で口蓋で浅い歯列はアジア人に見られる特徴だ。白人はV字で口蓋はもっと深いからね。それに…」
ぺらぺらと凄い骨の知識だなぁ…

「あ、警察ですか?」
櫻子さんは正太郎がどこかへと電話をかけている事に気づいた。
「少年」
「はい?」

「警察に通報したのか」
「そうですけど…」
正太郎が答えると、
「君という奴は…」
呆れたような声でつぶやく

「ばぁやさんや在原さんに迷惑をかけてもいいんですか?」
それでも櫻子さんは不満そう顔だ
正太郎ははぁ…とため息を吐く
苦労してるな、正太郎(笑)

「”そういえば、ひとつ言い忘れていたことがある。
 櫻子さんと一緒にいると”」

「ダメだ!私のものだぞ!警察なんかに渡してたまるか!」
その頭蓋骨を持って、逃げ出してしまった。慌てて追いかける正太郎

「”何故か、死体を見つけてしまうんだ”」
縁があるんだろうねぇ

結局、警察がその頭蓋骨を預かることになるのだが…
「だから、何度言ったら分かる!これは私のものだ!」
櫻子さんはそう主張する
いや、さすがに身元とか色々と分からないとさすがにまずいかと…?

「しかし、今の説明では…事件性が認められると」
警察官がそう言うと、櫻子さんはうなづく
「あぁ。だが、犯人は見つからないぞ」

「どうしてです?日本の警察は…」
言い返そうとする警察官
「優秀か?だとしても、絶対に無理だ」
何か理由でもあるのか?その骨に

「何故ですか?」
そう問う警察官
「それは彼女が、およそ100年前の生きた人物だからだよ」
あーなるほど、だから犯人が見つかる訳ないと言ったのか

「100年前…?」
「そんなに古い骨なんですか?」
正太郎と共に驚く警察官

「あぁ、詳しくは炭素による年代測定をする必要があるが、通常の観察でもある程度の推察は可能だ。意外だろうが、およそ100年くらいで人間の骨格というのは変化していく。生活様式や環境の変化の為だね。

 彼女の大臼歯には大きな齲歯、虫歯がある。相当痛んだはずだが、ロクな治療がされていない。現代なら考えられない事だろう?しかも、年齢の割に歯の摩耗が激しい。以上のことなどから100年ほど前のものだろうと推定できる」
観察だけでそこまでわかるのか…

「そんな所まで分かるんですか…」
感心したように正太郎が言う
「言っただろう?骨は訪ねれば、雄弁に語ってくれると」

「しかし、遺骨である以上、きちんとした手続きが必要です」
ですよね、人間の骨だし
「面倒だな…。そもそもこれは遺失物。落とし主はここにいるが!」
えぇ!?

「櫻子さん!!そういう冗談はよくないですよ」
正太郎は言うが、
「冗談ではない!事実だ!」
櫻子さんは譲らない

「とにかく、署で話を伺います!」
警察官はそう言って、二人をパトカーに乗せる

警察署に向かう車内、警察官はあることをつぶやく
「しかし、こんな田舎で一日に3つも仏さんがみつかるとはね…」
その言葉に反応を示す櫻子さん
「3つだと?」

「えぇ、すぐ先の海岸で男女の心中遺体が上がったんですよ」
心中ね…
「ほう?」
興味を持った様子の櫻子さんに正太郎がたしなめる
「櫻子さん!」

「で、何故心中と分かった?」
その言葉にため息を吐いている正太郎君が(笑)
「それは、お互いの手を結び合った状態で見つかれば、一目瞭然ですよ。
 あっ、あそこです」
ちょうどその海岸を通りがかったようで、警察官は言う

「今ちょうど…現場検証を」
「君!車を止めたまえ!」
櫻子さんは警察官に指示をする
それで止めちゃう警察官って…(笑)

その現場では一人の刑事さんが現場を見ていた
「こいつは心中で間違いねぇな」
「さて、それはどうかな?」
櫻子さんがそう言って、堂々と現場に入っていく

勝手に入らないほうが…というべきなんだろうけど、これは止められない気がする

「誰だ!?おい!」
刑事さんが問うが、櫻子さんは答えない
「君、ちょっと遺体を見せてくれ」
「あ……はい」

その勢いに押されてか、普通に見せてるし(笑)
「ちょっと!櫻子さん!」
正太郎が慌てて櫻子さんのところに駆けつける

ゴム手袋を櫻子さんは両手にはめる

「さぁ、謎を解こうじゃないか」
骨の為に常に持ってるんだろうな、このゴム手袋

「思考の邪魔だ」
遺体にかぶされていたビニールシートを取ってしまう
櫻子さんは二つの遺体をじぃっと観察し、考えていく

「なるほどな」
ふっと笑みを浮かべる櫻子さん
だが、後ろから刑事さんが櫻子さんの肩に手を置く
「いい加減にしろ!好き勝手しやがって…」

「田舎の不勉強な刑事に遺体は
 死亡解剖が必要だと教えてあげようかと思ってな」
凄くえらそうな言い方(笑)

「これは心中を偽装した殺人事件だ」
そうはっきりと言ったのだ。
刑事さんは後ろの警官に気付くと、
「なまち!このねーちゃんは何なんだ!」
そう聞く

「なんだと言われましても…」
さっき会ったばっかだしな…(笑)
「あんた、何故こいつが殺人事件だとわかる?そう言い切る根拠はあるのか!
 だいたい素人のくせに何故そう平然としていられる!お前が犯人か!」

そんな状況に慌てて正太郎が刑事と櫻子の間に割り込む
「あ、あの!この人の、櫻子さんのおじさんが法医学教室の先生なんです!
 今はご病気で引退されているんですが、それまでは警察の依頼で道内で起こった事件の多くに協力されていたとか」
へぇ、だからそういうのも詳しいのか…

その正太郎の説明に警察官が
「あの、その先生って設楽先生では?」
言い出す
「はい、そうですけど…」

「設楽先生には見習いの頃、研修でお世話になりました。
 そうですか…先生の姪御さん、それで」
納得する

「おじきが悪評を流してないといいのだが…」
櫻子さんがつぶやく
「おやじさん、彼女の意見は聞く価値があると思います。
 ひとまず、俺にあずけてくれませんか?」

「けっ、素人に何がわかるもんか」
刑事さん、まぁまぁ
「やれやれ本当に警察という組織は面倒だ…」

その瞬間、正太郎が消臭スプレーをかけた
「少年…」
「もう!どうしていつも櫻子さんはこうなんですか!」
言いたくもなるわな…(笑)

「なんだと!?」
「せっかく夕飯は甘海老祭りだと思ってたのに!」
「君の頭には食べ物のことしかないのか!」
だって、それ目的でついてきたんじゃないの?

結局、署で報告書をまとめた3人(警察官・正太郎・櫻子さん)
「はい、これでOKです」
「じゃ、わたしはこれで」
櫻子さんは帰ろうとする

「待ってください」
警察官は声を上げる
「まだ何か?」

「教えてくれませんか?
 何故、あの遺体が心中ではないのか」

すると、櫻子さんは説明をし始める

「紐の結び目が綺麗だったからさ」
「紐の結び目…?」

「あぁ…ここを見たまえ。男は左手に腕時計をしていた。ネクタイの結び目を見ても、右利きだったと考えられる。
 なのに、彼はその利き手を女と結んでいた。おかしいじゃないか」

「では女性が紐を結んだのでは?」
警察官は言う
「その可能性は否定できない。
 が、もし同意の上での心中なら互いが死んでも離れぬように力の強い男が紐を結ぶのは自然だろう?」

「しかも、もやい結びの向きが逆に向かって引かれている」
ふむふむ
「でも、もやい結びって…」

正太郎が言うと、櫻子さんがやってみろと左手を出した
やってみると…
「そうか!自分を結ぼうとしたら、
 紐は上に向かって引かれるんだ!」
つまり、逆向きにひいていると、他人がやった可能性が高いって事か
「なるほど…」

「もうひとつ、安易に言うことはできないが、通常、溺死と判断するには2つのポイントがある。ひとつは手の中だ。溺死する人間は苦し紛れに何かを掴んでいる事が多い。特に心中の場合、相手の髪を引き抜いている場合も少なくない」

「相手の髪を…」
成る程
「死の苦痛は愛なんてものを凌駕するのだろうね。いざとなれば、相手を沈めてでも助かろうとする」

「それが本能というものさ」
ふわりと笑った

「二つ目は口元の状態だ。水の侵入よる刺激で肺は内側から粘液を進出させ、
 それが肺の中の空気や水とまじりあって、白く泡立ち口や鼻から溢れだす」
状況が分かる語り方で生々しい

「だが、二人の口元にその痕跡は認められなかった。したがって、第三者が二人を事前に殺害したうえで心中事件に偽装した可能性が浮かんでくる。
 解剖すれば、肺の中の水の有無、その他の事も分かるだろう」
櫻子さんは立ち上がって、帰ろうとする

「待ってください!
 あんな短い時間でどうしてそこまで…」
そう警官が質問する

「簡単なことだ。私は君たちと違って」

「目の前の死体が他殺体であることを望んでいるからだ」
真っ直ぐにそう言った。

望んでいて考えていなきゃ、見つけられないだろうけどさ…。
「櫻子さん、不謹慎ですよ?」
正太郎は言う
「人間は野生動物ではない。残念ながら、人間の死体はその辺に転がっていないんだ。だから、死体を見つければ私は不自然だと思う。先入観の相違だよ」

「さしあたっては二人の人間関係を洗って、
 もやい結びに慣れた人間を探すべきだろうね」
「はい。参考にさせていただきます」

「ところで電話の一本かけたいのだが…」
櫻子さんは突然そう言う。
「なら、僕の携帯で」
正太郎がそう言うが、櫻子さんはすぐに了承しない

「あ、いや…公衆電話でいいんだ」
不審な行動に正太郎はまさか…と
「櫻子さん?」

「なんだ?」
ちょっと動揺した声
「櫻子さん」
「いや…だって…これは」

正太郎は櫻子さんが持っていたものを開けさせる
「あぁ!!いつの間に!」
警察官は叫ぶ
…あ、あの最初の頭蓋骨か

「これはわたしのものだ!見過ごされるところだった殺人事件を協力したんだ!
 このくらいの報酬は!」

ってことはさっきの事件解いたのも、この為だったのか?

「さーくーらーこーさーん!」
それで正太郎が怒った訳かー

なんとか、櫻子さんをおさめて、家へと帰る車の中
「結局、甘海老はお預けかー。
 誰かさんが頭蓋骨を持ち逃げしようとするから」
不満そうにしながら、言う正太郎

「君が余計な事をするからだろう、少年」
櫻子さんは言う
「だから、その少年っていうのを辞めてもらえませんか!
 僕には館脇正太郎っていう名前があるんです。せめて、正太郎と…」

それを遮るように櫻子さんは車内の音楽のスイッチを押す。やっぱり、爆音でだ
「…っ、勝手なんだから…」

そうしてやってきた九条家のお屋敷

「ザンギだ!ばあやさん特製のポテトサラダまで!」
嬉しそうな声で正太郎は言う
坊っちゃんがお腹を空かせて、
 帰るからとお嬢様にご連絡いただきましたからねぇ」

その言葉に正太郎はえ?っと声を上げる
あ、連絡したのはそっちの意味もあったのか
「じゃあ、警察で電話をかけたいと言っていたのは逃げる為じゃなくて…」

正太郎の言葉に櫻子さんはぷいっと顔をそむける
「甘海老を食べさせる約束を反故にしてしまったからな」

ふと、櫻子さんが横を見ると、バラが飾ってあるのに気づく
「しょうこさんが来たのか?」

「えぇ、お嬢様がお留守で残念がっておりました」
「”ちなみにしょうこさんというのは、櫻子さんの叔母さんだ。
 バラ園のオーナーで時折、櫻子さんを訪ねては…”」

「でも、ちょうどようございました。
 いつものおすそ分けとおっしゃって…」
ばあやがその中身を見せる

「うわぁ!!甘海老祭りだ!」
そこには甘海老があった。

よかったね、正太郎君。
甘海老食べられて

普通に流れるように見ちゃった1話でした。
次回も楽しみにしてます!

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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