妖怪アパートに住む幽霊クリとシロ。彼らには”ある過去”があり…?第3怪「クリとシロ」 感想 妖怪アパートの幽雅な日常
此花(このはな)です
今回は妖怪アパートの幽雅な日常の第3怪「クリとシロ」の感想を書いていきたいと思います
3怪は題名通り、クリとシロのお話。
思っていたよりもクリとシロの過去は酷いものでした。
ものすごくやるせないです…ほんと
さて、本編の感想へいきましょうか!
最初は親友・長谷への手紙からスタートして、やっぱり妖怪アパートのことは書かなかった稲葉。
展開が早く、もう夏休みに突入していた(笑)
気になるのは稲葉と友達になった竹中くんのことかな?
なんか不良っぽい人たちと絡んでいたみたいだし……
稲葉は夏休み中にバイトばかりしてるんだな……
そうしないと、おじさんのところに迷惑がかかるから…
だろうけど
そんな時、クリとシロのお母さん的存在、あかねさんが現れる
まさかの犬神様にびっくりした…(笑)
大神神社に仕える神獣だそうで。
深瀬さんが言うにはあかねさんはクリの本当のお母さんではないという
まぁ、そうだろうけどさ…
”あかねさんがきたということはアレがくる”
と深瀬さんや一色さんが話しだす
いやなものをみせることになるねぇ…と一色さん
そんな言葉に不思議がる稲葉
「クリの……実の母親じゃ」
あかねさんがそういった
「クリはある未婚の若い母親によって産み落とされた」
若い母親は産んだら結婚してくれると信じて産み落としたのだが、
男はそれを完全拒否した。
泣き止まないクリにイライラする母親
「えっ……まさか」
あかねさんの話にまさか…と思う稲葉
「そう、クリの母親はクリの存在を疎み、理不尽な怒りをぶつけ始めたのじゃ」
「いつしかクリは何も話さず、何も表現できぬ子になった。
生まれてから一度も愛情も注いでもらえなかったゆえに幼くして、途方に暮れてしまったのだよ」
「そんなクリを優しく温め、面倒を見ていたのは野良犬のシロだった。
己にとって愛しいものは種の壁など関係なかった」
「しかし、ついにある日、激しく錯乱した母親によって、クリは……」
命を落とした。
「シロは母親の喉をかみ切り、騒ぎを聞きつけた大人たちによって撲殺された。
一切抵抗せず、嬲り殺されるままだった」
「どうして…?」
思わず、つぶやく稲葉
「シロは死んでしまったクリを放っておけなかったのだ。幼き魂が迷わぬよう、シロも自ら死んでクリを守ろうとしたのだ」
「だが、それが終わりではなかった。
なんと死んでもなお、母親はクリを追いかけてきたのだ。
シロはクリをつれ、犬族の神である大神のもとに助けを求めに来た」
「子を亡くしたばかりのわしはなんとかしてやりたかった。そのわがままを大神様は聞き入れてくださり、クリとシロの処遇をわしに託してくださったのだ。
そしてわしは縁ある寿荘へクリとシロを預けた」
「人間の愛情を受けるのが今のクリには何より必要だと思ったからだ」
そう、あかねさんが話す
クリの名付け親は一色さんだそうで。
「目がクリクリしてるでしょ?」
そんなクリの境遇に稲葉は母親を何とかできないんですか?と聞く
滅するのは簡単だが、それではクリは救われない。
あかねさんはクリの服を軽く引っ張り、体を見せる
そこには無数のあざのようなものが浮かび上がっていた
「あれの妄執が形をとった穢れだ。
これがあるかぎり、クリの魂は天に上ることはできない」
なんという……
「母親の執念が薄れるのを待つしかない…何百年かかるかわからぬが…」
あかねさんはいう
「そんな、どうしてそこまで自分の子を憎めるんですか!」
そんな稲葉の叫び
「……自分の子だからこそ、それほど強く魂を縛れるのは母と子なればこそなのだ」
あかねさんの言葉に稲葉自身のことが重なる
クリの母親を迎え撃つ準備をしよう!
と言い出すあかねさん
そうとはいえ、クリの母親は妖怪アパートに入ることはできないのだという
アパートには強い結界が張られているからだ
一色さんたちが楽しみにしてるのはその時の宴だった。
穢れをはらう宴ってやつだ、
と深瀬さんは言う
稲葉には”あまり見ぬほうがよかろう。気分がいいものではならぬからのぅ”
とあかねさんはみることを薦めない
クリを一度見て、
「俺も見てていいですか?」
そう、決意した稲葉が言うと、あかねさんは笑って。
「よい。これも勉強やな」
「いいの?あかねさん」
「きっつい勉強だぜ、おっかさんも人が悪い」
一色さんや深瀬さんが言う
ここから、稲葉の両親をうしった日のことを語り始める
「”中一の春、俺の両親は交通事故で死んだ。いきなりのことで、悲しいはずなのに涙が出なかった。でも……きっと父さんと母さんは無念だったんだろうな”」
部屋で自分のアルバムを見ながら、稲葉は思う
「”俺一人を残して、逝かなきゃならなくて…”」
そんなところに秋音さんが訪ねてくる
「聞いたよ? みんなと一緒にクリのお母さん待つんだって」
秋音さんの足元にはクリとシロが
「はい」
「自分の部屋に結界をはって、クリを守るのが私の役目なの」
秋音さんはいう
「ゆうしくんも私と一緒にいたほうがいいわよ?」
「いえ、俺見てみたいんです」
”ただの怖いもの見たさかもしれない。けど、見てみたい。俺にはもういない、母親ってやつを”
宴が始まり、るりこさんの豪華な料理がふるまわれていた。
完璧にその料理が目的のような…(笑い)
骨董屋も現れ、宴に参加する
すると、空に一匹の鳥が現れる
龍さんの式神だそうで。これは心強い
「これが子に会いたい母の姿とは悲しいね」
骨董屋は言う
「最初のころはまだ人間らしかったよ……時がたつにつれて、だんだん崩れていったの。
哀れな母の姿だよ」
一色さんは言う
そんな母の姿に稲葉は……
「やめろ……つらいからって、母親だからって、自分の子を好きしていいわけないだろ!
そんなのって……そんなのって……あるかよ! もうやめてくれ!」
「やめとけ」
深瀬さんが言う
「でも……!」
「お前の言葉は届かねぇよ。あれはもう人間じゃねぇからな」
「え?」
「思考も感情も持っちゃいない。自分が何者で、何に迷っているかもわからない。
それでも、クリへの執念だけはあるんだ」
「そんな……」
あれが子を憎み続けた母のなれの果てか…
「えぇぇい!うっとしい!」
あかねさんが怒って、クリの母親に雷をぶつける
こうして、クリの母親はアパートの前から去ったのだった
寝に入ろうとする稲葉に骨董屋があるものを渡してくれる
「あぁ、ゆうしくん。今夜はよく眠れるようにお守りを上げよう」
「妖精王の夢見の石だ。いい夢が見られるよ」
寝る前に稲葉はクリたちがいる秋音さんの部屋を訪れた
「あぁ、ゆうしくん。終わった?やっぱり楽しくなかったでしょ。
ほんと、一色さんたち悪趣味なんだから」
そういう秋音さん
苦笑いする稲葉。クリたちを見つめ……
「”人間性を失っても、あの女は我が子を恋しがっていた。
でも、その母親の思いが間違ってるなんて、悲しすぎる。そこに愛情はなかったのだろうか。いや、あってほしい。ひとかけらでもいいから”」
「”会いたいよ……母さん…”」
そう思うと、涙がこぼれていた
葬式の泣けなかった涙みたいだったなぁ……
その日の夜の夢は両親と高校生になった自分と親友の長谷がいた。
会話の内容は覚えてないけれど、ずっと笑っていた
目を覚ますと、自分の部屋にいて、不思議がる稲葉
秋音さんに聞くと、泣きつかれて寝てしまったという
じゃあ、なんで自分の部屋に…?
深瀬さんが運んでくれた、と言われ、
大きくショックを受けた稲葉だった
次回はアパートを出る話っぽい
あの”竹中くん”が関わってくるようです
ここまで読んでくれてありがとうございました!
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