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カゲロウデイズの世界での、遥とシンタローの再会。二人の過去物語! (挿絵付き)小説カゲロウデイズ6巻 感想

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此花(このはな)です

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今回は小説カゲロウデイズ6巻の感想を書いていきたいと思います

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今回は遥が主人公ということで、すごく楽しみにしておりました。
わくわくしながら、読んでみると5巻後の話ではなく、少し話が飛んで、びっくり!
本音を言うと、そこまで本編の内容進んでません(笑)

ただ、遥とシンタローが仲良くなるまでのお話だったので、凄い楽しかったです。
アヤノも修哉も幸助もつぼみも、ちらっとですが出てくるので楽しい。
その中で修哉の行動が可愛すぎる!本当にお姉ちゃんっ子なのねって(笑)

後はシンタロー君の新たなる一面が見れること。
メカクシ団の態度と違って、先輩である遥に対しての態度がすごく新鮮に写りました。
シンタロー君、なんだか好きになる回だったよ

さて、本編の感想へ行きましょうか!

今回のイラストは遥とコノハのもの。
これを見たときに思ったのはアニメの遥がいた場所。
カゲロウデイズの中で取り残されてしまった遥の精神とコノハの身体。

題名はアニメのOPとED「daze」「lost days」でした。
まさかのアニメから引っ張ってくるとは思わなかったです。

dazeの意味はカゲロウデイズと同じような意味になるので、まぁなるほどと納得。
dazeの動詞の意味=眩惑(げんわく)という意味になり、その眩惑の意味が
「目がくらんで正しい判断ができなくなること。また、目をくらまして、まどわすこと」
となるからです。

まず、最初は「daze1」からとなります
(自分なりに物語をまとめている文章です。たまに小説の文章をうつしています)

シンタローが謎のテレビを見ながら、はっと気が付くところからスタートです。
まさかのアニメの「ロスタイムメモリー」の描写がリンクする予感

どうして自分がテレビを見ていたのか?どうしてここにいるのか?
それ以前の記憶が思い出せないシンタロー。

辺りを見渡すと、一面の真っ白の空間。どこまでの白一色の空間に戸惑いを隠せない。
どうにか手がかりを得ようと、目の前にあったアナログテレビを見るが、そのテレビはエンドロールが流れている。
エンドロールはどこの国でもない言葉を張り付けたのような奇怪な文字の羅列。

シンタローはエンドロールに目をつける。
「やはりオレは、今までここで『なにか』観ていたのではないか?」
考える内容だった気もするし、物悲しい、粛々とした内容だった気がする。
 そんな断片にもならないような記憶が、頭の隅に浮かんでは消えた。

シンタローはその「本編」に関する核心的な記憶が霞がかったように思い出せなかった。
オレは一体どうして、肝心なところを忘れてしまったのだろう。

「思い出したくもねぇような、内容だったのか?」
口に出したその瞬間、シンタローは奇怪な文字列の中に、読み取ることのできる一文を見つけた。

それは『主演・如月伸太郎』というもの
戸惑うシンタロー。考えた末に自分自身が主役なんて、自分の人生くらいだと思うが、その考えを振り払う。
頭の中で焦ったように否定する。

違う。違う、違う、違う!
そんなはずあるか。夢だ。きっとオレは、悪い夢を見ているんだ。
この身体の冷たさも、息苦しさも、全て悪い夢に違いない。
そうだ「終わった」なんてそんなこと、あるわけが……!

シンタローは目の前にあったアナログテレビを蹴り飛ばした。骨がへし折れたっておかしくないくらいの強さで。
しかし、痛みもなければ、血も流れない。
その事実に怖さや不安が増幅する。

混乱するシンタローに一筋の声が聞こえた。
「……落ち着いて、シンタローくん」
その声に混乱していた頭の考えがぴたりと止まる。

それは突然の声に驚いた、というものもあるが、
その声の持ち主があまりに意外な人物だったからである。
すると、病院にある心臓の鼓動を示す、心電計の音が鳴り響き始めた。

それまでうつむいていたシンタローが顔をあげると、
少し離れた空間に、鉄製の扉が現れる。

血も涙も流れず、痛みも感じない世界。
おそらくシンタローの人生が流れていたであろう、アナログテレビ。
この状況から察するにシンタローは今、死んでいる状態だってことだよね。

突然現れた扉にシンタローはその扉を開けることを決意する。
その声の主がそこにいるのなら、会えるものなら会いたい。2年間ずっと後悔していた事。

そして、2年前の「あの日」に本当は何があったのか、
 どうしてオレだけ置いていかれたのか、それが知りたかった。

この文章を見て、そっかシンタロー君、遥・貴音・アヤノの三人を2年前の8月15日に同時に失ったんだ、
と今更ながらに気付く。そりゃ、引きこもるわ!って思った。

「…開けよ」
という言葉を合図に鉄製の扉が開いた。

目の前にはたくさんの点滴台が並んでおり、中が見えなかった。
それをかき分けながら、中心へと進むとそこには一台のベットがある。
そして、ベットの上には”遥”がいた

色々な質問が頭に浮かぶ中、シンタローの口から出たのは平凡極まりないこんな言葉だった。
「お久し振りです、遥先輩」
「……うん、本当、久しぶりだね」

本当に遥先輩だと…ありえないことが目の前に起きている。
「あの、オレ……その……」
動揺で言葉が詰まる。それを察したのか、遥が口を開く
「久しぶりだと、少し緊張するよね。
 こうしてまた会えるなんて、夢にも思ってなかったから」

「せ、先輩もですか。オレもです」
シンタロー君の口調がすごく新鮮に聞こえる(笑)
先輩だとそういう話し方になるのか。

遥は小さく「だよね」とこぼすと、少し浮かない顔をして視線を落とす。
その後の会話が続かず、二人は沈黙してしまう。

「……あ、あの!オレ!は、話したいことがたくさんあって!
 この場所のこととか、き、聞きたくて……!」

思い切って、シンタローは遥にそう聞くが、声のボリュームが調整できず、大声になる。
そんな大声に驚きもせず、遥は代わりに少し申し訳なさそうな顔をして、うつむいてしまった。

「その感じだと、やっぱり覚えてないんだね。
 もしかして『みんな』のことも忘れちゃったのかな」

その言葉に不思議そうにするシンタロー
「えっと……。ちょっと思い出せないです、すみません」

「そっか。そうだなぁ……どこから話そうかな」
遥はつぶやく。
「……オレ、ずっと聞きたかったんすよ。先輩の話」

シンタロー君は敬語が苦手だそうで、よくあいつら(恐らくアヤノか、貴音?)「口が悪い」と怒られていたらしい。
遥はそんなこと、気にしない人っぽいけどなぁ…。

「ありがとう。実は謝らなくちゃいけないこともあってね。
 少し長くなるんだけど……」

ここで「daze1」は終わり。

ここから「lost days」に章が切り替わる。
時系列は3年前の文化祭準備。ゲーム作りがスタートしたばかり。
遥は物思いにふけり過ぎて、6時間目が終わろうとしていた。

慌ててゲームの敵のキャラ作りを取りかかろうとすると、貴音が声をかける
「んで、ぶっ飛ばしがいのある『敵さん』の絵は描けたわけ!?」
ドキッとする遥、恐る恐る貴音の顔を見ると、貴音は少し意地悪い笑みを浮かべて、遥の顔を見つめていた。

ここで遥の視点による、貴音の説明。
「”この子は榎本貴音。僕の、唯一のクラスメイトだ。クラスメイトといっても、その内実はちょっと複雑なんだけど。というのも、本来の僕の所属クラスはE組で、貴音はB組なのだ。普通だったら、僕ら二人が遺書に授業を受けるなんてことは、まずありえないだと思う。

それだというのに僕らが今こうして机を並べているのは、僕らの身体にそれぞれ「病気」があり、ここが「特別養護学級」だからだ。貴音は「ふとした瞬間に突然眠ってしまう」という珍しい症状の病気を持っているらしく、それが原因でこのクラスに籍を置いてるのだった。とはえ貴音はめったにその話をしないし、僕からわざわざ聞くこともないので、貴音の病気については僕は、それくらいのことしか知らないのだった”」

そして、貴音のこの意地悪な顔を遥は知っていた。
遥の弱点やもろい部分を見つけたときの顔だ。
(笑)遥の視点だと、貴音の態度がこんな風に見えるんだ…。

貴音は答えをせかすように言葉を続ける
「あんた、敵の絵くらいは今日中に描くって言ってたよねぇ。
 進み具合はどうなのさ?まさか、何も描いてないなんて言わないよね?」

わ、わざと言ってる(笑)本当に貴音は…

遥の進み具合といえば、敵の絵を描いている筈の紙は真っ白だった。
「えぇと……ま、まだあんまりかな。はは……」
貴音に隠すように画用紙を裏返そうとしたが、その前に画用紙を見られていたらしく、貴音は言った。
「へぇ。あんたの言う『あんまり』ってのは、
 奇麗さっぱり真っ白のことを言うんだね。覚えとくわ」

貴音の悪態の神髄はこんなもんじゃない。こんな程度で終わってくれればいいのだけど、
どうもこの子はそういう訳にいかない子なのだ。
遥が身構えていると、貴音からまた意地悪な質問が飛ぶ。

「ねぇ。『学園祭の出し物は射的屋さんがやりたい〜』なんて言ったの、どこの誰だっけ?」
「そ、それは……僕だね」
「そうだよね。で、文化祭はあと一週間しかない。ここまでは解ってる?」
「解ってる……けど……」

「じゃあ、なんで手も動かさないで窓の外なんか見てるわけ?
 あんた馬鹿なの?」
(笑)ひ、ひどい…。貴音、もうちょっと柔らかに言おうよ
この後、心の中の遥の言いようが面白い(笑)

まったく「アホ」とか「馬鹿」とか、人に使う言葉としてはあんまりよくないやつだよ。
女の子なんだから、もうちょっと気を付けた方がいいと思うな。
そういう言葉遣い、癖になっちゃうとお嫁に行く時大変だよ?
……なんて台詞はもちろん口に出せるはずもなく、僕の口からは返す言葉の代わりに小さなうめき声が漏れた。

遥も大変だね(笑)
この場合は遥がやってなかったのが悪いけど…

「で、遥。なんか言うことないの?」
「……ボーッとしてました。ごめんなさい」

文化祭の説明とこれまでの経緯がここで話される。
2巻の内容だから、カットするけど。
簡単に言えば、楯山先生が理事長に見栄を張ってしまった為、文化祭まで
あと1週間にもないもの関わらず、模擬店をやることになってしまった、という事です。

「とはいえ、だよ。貴音……」
「なにさ」
「いや、ね。さすがに『一週間でシューティングゲーム作ろう』っていうのは
 ちょっと無理があるんじゃないかって」

遥がそう言うと、貴音はそんなこと気にしていない様子だった。

「何言ってんの?引くに引けなくしちゃったのは先生だし、射的やりたいって言ったの
 あんたでしょ?あんたら日曜大工もできないんだから、もうゲーム作るしかないじゃん」

まぁ、貴音の言い分は分かるけど、時間がなさすぎるよなぁ…

「ほら、グダグダ言ってる暇あったら手を動かす!
 時間ないぞ〜」

貴音が遥に敵の絵を描くように急かす。

でも、遥は敵の絵…キャラクター創作という
「敵」から連想して描く作業が進まなかった。

悩む遥に貴音はある提案をする。
「なら、動物とかモチーフにしたら?ゲームに出てくる『モンスター』って、
 動物のパーツとか参考にして作ったりするらしいよ」

ゾンビとかも貴音は言ってみたのだが、遥がそれはちょっと…と提案を却下した。

「モンスター…ね。ありがとう貴音、なんとかなりそうだよ!」
遥がガッツポーズすると、貴音は満足そうに鼻を鳴らした。
「しっかり頼むよ〜。本番中にバグなんか起こしたら、承知しないからね」

遥たちが作ろうとしているのが「対戦形式のシューティングゲーム」。
準備できる景品が「魚の標本一つ」しかない為、貴音が勝ち続けなければいけない。
貴音のゲームの強さは2巻で分かってるからな…(笑)

「……あぁ、そうそう。タイトルどうすんの結局。
 あんた昨日、考えとくって言ってたよね」

遥はファイルから一枚の紙を差し出した。
その題名が『ヘッドフォンアクター』
貴音はその名前が気に入ったようだった。

その後の遥のキャラクター創作は順調に進み、残りはあと一体となっていた。
夜中の1時になっており、遥は背伸びをする
だが、遥はあることに気付く
「……あれ、おかしいな」

「僕、もう全部の動物参考にしちゃったんだ……」
どうしようと考える遥だが、唐突に電話が鳴った。
こんな時間に誰だろうと…電話に出ると、楯山先生だった。
「おぉ、やっぱり起きてたか。いやぁ、遅くにすまねぇな」

楯山先生の用事とは、遥の身体のことについてだった。
貴音から聞いたそうで、夜遅くまで作業していたというので、電話してきたらしい。
遥が全然無理しているつもりはないのだが、病気の事もあって心配する楯山先生。

「そうは言っててもお前、体調崩しちまったら何もならねぇぞ? 
 当日楽しむ為にも、休み時はしっかり休まねぇと……」

「……やめてくださいよ、先生」
遥は話をさえぎるように言った。

無理やりさえぎったことで、先生は二の句を継げない様子。
「……休んだって、何したって、あと一年で死ぬんですよ、僕」
思わず、びっくりしてしまった。え!?遥って、そんなのがあったのか…。

僕の病気は、随分と律儀なやつだった。
僕のお母さんを殺したときも、きっちりきっかり、お医者さんの診断したタイムリミット通りに殺していったらしい。
そのお医者さんが「あと一年」と言っているのだから、僕もまぁ、そうなるんだと思う。
それに対して嘆いたり悲しんだりは今のところなかった。多分、それはお父さんのおかげだ。

お父さんは、ちょっと変わった人だった。
どこだがの研究施設に務めているらしく、昔から嘘をつくとか冗談を言うとかそういう無駄なことは何一つやらない人だったけど、僕が十歳になった時、顔色一つ変えずに「お前は恐らく六年後に死ぬ」と言い放ったのには、さすがに驚いた。

今も一応は二人暮らしという形になっているけれど、仕事の忙しいお父さんとは、ほとんど顔も合わせていない。
なので僕の通院や食事は、住み込みのお手伝いさんがお世話をしてくれているのだった。
僕は今のそういうお父さんしか知らないのだけど、聞く話によると、なんでもお母さんが死んだ辺りからお父さんは「まとも」じゃなくなってしまったんだそうだ

うーん、とりあえず遥の家庭状況は分かった。
両親が出てこないも不思議だったんだよな…。

「だから先生、僕、
 この学園祭はちゃんと頑張ってみたいんです」

その言葉に楯山先生は困った様子だったが、
「しょうがないなぁ。よし、頑張れよ」
そう言ってくれた。

遥は気になっていたあることを聞く
「……先生、理事長に見栄を張っちゃったって話。
 あれ、嘘ですよね?」

遥の話によると、楯山先生は理事長とはあまり仲良くないらしい。
その為、遥にとっては自分の為に貴音に嘘をついたと思った。
事実はどうあれ、僕は先生が「貴音と僕が一緒に頑張れる学園祭」をわざと作ってくれたように思えて、
 仕方ないのだった。

楯山先生って、いい先生なんだなぁとそう思った。
2巻のイメージと違う…。

電話の終わり頃、遥はあることを思いつく。
「……貴音の写真って持ってます?」
あー最後の敵キャラの貴音によく似てる奴って、これのことか…。

lost days 2
文化祭までの残り六日間に遥は楯山先生の家に泊まり込むことになっていた。
ゲームに必要なソフトなど一式が楯山先生の家にある事、それと貴音の写真を手に入れる事、が理由で泊まり込みした方が早いってことで、遥は泊りを選択した。

ここの遥と楯山家の話が一番楽しかったです。
まず、遥は楯山家の前まで来るのですが、家にいる筈の先生の娘さんがピンポーンを押しても出迎えてに来ない。
不思議に思い、窓を確認すると、一階に女の子が遥の事を覗いていることに気付く。

思わず大声をあげる遥だが、気が付くとその子はいなくなっていた。
その事にビビる遥
いや…絶対キドだ…(笑)

そんな時、メールが鳴った。
メールの主は楯山先生だった。内容は「娘からメールがきた。部屋は二階だ。ドア開けてあるから勝手に入っていいぞ」というもの。

……娘さん、なんで僕に気付いているのに開けてくれないんだろう?
「……もしかして嫌われてる?」
そうつぶやいてみる遥。

考えても仕方ない。遥は中に恐る恐る入る。
少し待っても、誰かが出てくる様子もないので、遥は荷物を持って2階へ上がった。

2階へ来ると、一番奥の部屋のひとつの扉が開いていることに気づく。
荷物も重いし、そのまま遥はその部屋の中へ。

その部屋は沢山の本が置かれており、遥は思わず驚く
「す、すごい……」

楯山先生の奥さんの部屋だろうか、などそんなことを考えながら、立ち尽くしていると、不意にドアの鍵が閉められてしまった。

(笑)誰がやってるんだ…。やっぱり、修哉だろうかと最初は思ってた

思わず、慌てる遥。
しかし、そんなことされる理由が思いつかず、頭をひねる。しばらくそうしていると、ドアの外から足音が聞こえた。
「あ、あの!すみません! ここを開けてくれませんか!? 怪しいものじゃないんです、お願いします!」

どうにか開けてもらおうと、遥はその足音の主に向かって、声を上げる
すると、ドアの前で足音がピタリと止まって、鍵開く音がし、ドアが開いた。

「うるさいってば!何騒いでるの!?っていうかお母さんの部屋に入っちゃダメだってお父さんが……」
現れたのは少女で、最初、遥に怒鳴りつけるような口調で話していたが、遥に気づくと、言葉を止めて、首をかしげる。

「あれ、しゅう……や…?」
「し、しゅうや……と申しますと?」

遥の印象によると、さっきのキドの外見と違うということなので、キドに間違いないと思う。

「あの、寝起き……ですか?」
遥にそう聞かれ、アヤノは真っ赤にして階段を駆け下りていってしまった。

追いかけようと遥も部屋から飛び出したが、階下から上がった少年の悲鳴に、思わず足を止める。
絶対、修哉じゃん!やったの(笑 )幸助はやらなそうだし…

アヤノの話によると、目覚まし時計に細工をされていたらしい。二人は互いに自己紹介をし、遥は楯山家を案内される。

lostdays 3
遥は楯山家の弟達に挨拶したい様子だったが、アヤノは複雑そうな様子。

気まずい雰囲気を変えようと、お土産として持ってきたお菓子をアヤノに渡す。
アヤノは最初、有名なお菓子なので受け取るのに渋ったが、遥の勢いに押され、しぶしぶ受け取った。

すると、思いついたようにアヤノが声を上げた。
「そうだ。お返しにって訳じゃないですけど……。
あの、お昼って何か食べてきました?私、今からお昼の準備をするので、よかったら何か作りましょうか?」

その提案に遥は困った。人の家なので、ばくばくと思うように食べていけないと、来る前にカレーライスを食べてきていた。

断ろうとした遥だったが、いう途中でお腹が鳴ってしまった。聞かれてしまったし、しょうがないとお言葉に甘えさせてもらうことにした。

アヤノはお昼の準備へ1階に行く前に言った。
「弟達なんですが、その……ちょっと事情のある子達なんです。なので、直接ご挨拶したりお話ししたりは、できないと思います」

「え?あぁ、うん。それは全然問題ないんだけど、ええと、事情って言うのは…ご病気とか?」

「あぁ、いえ。病気とかではないんです。ただ、ちょっと普通の人とは違うところがあって……。
なので、家の中で出会ったとして……もし『少し不思議なこと』が起こったとしても、気にしないでいただきたいんです」

うーん、説明って難しいよね。会えないのも無理ないか。でも、いたずらはしたけどね(笑)

で、こっからの遥の心の動きに注目ですよ。
一人きりになったとたん、貴音のことを考え始めるんですから。
ちょっとテンション上がった。

黒い髪、怒ったような目つき、小さな唇、細すぎるくらい細い身体、少しだけ低い背丈、憮然とした態度、おきまりの悪口、たまに見せる笑顔……。

…不思議だ。
あの子のことだったら、ちょっとした目をつむっただけで、こんなにも鮮明に思い出すことができる。

あぁ、馬鹿だなぁ、僕。わざわざ先生に写真を借りる必要なんて、なかったじゃないか。ただ目をつむるだけで、どんな写真より活き活きとしたあの子を思い出すことができるんだから。

そんなことを考えていると、なんだか僕は、無性にあの子の名前を呼びたくなった。

…なんなの、遥。やっぱり、貴音のこと好きなのかな。思わずニヤニヤしてしまった。

名前を呼ぼうとしたタイミングで、ノック音が響いたので、ビビる遥。
そりゃ…ビビるわ…。一人だから言おうとしたら、突然来るんだもん。

入ってきたのはアヤノ?ちゃんだった。
部屋に来た用を聞くと、話がしたいという。
「はい。相談と言うか、単刀直入に聞きたいことがあるんですけど……」

アヤノは遥をじっと見つめ、こう言った。
「……あの、さっきいやらしいこと考えてませんでした?」

遥も大きくその言葉に動揺したけど、私もびっくりした。
さっきまで、遥は貴音のことを考えていて、思わずドキッとするわ…。

その態度がある意味に逆に伝わっちゃったのかどうか、分からないけど、怪しむアヤノ。
その後、なんとか遥は話を終わらせ、とりあえずほっとする。

そんな時間もたたないうちにまたノックの音が鳴った。
それまたビビる遥。
ドアが開くと、お昼を持ってきたアヤノだった。
さっきのことを思い出し、うまく笑えない遥。そんなことを気にしながらもアヤノは中華丼をだしてくれた。

「冷蔵庫にあまり材料がなかったので、ちょっと買い足しに行ってて……」
食欲を誘うような中華丼に遥は満面の笑みで食べようとするが、ある違和感に気づき、食べるのを止めた。

不思議そうにするアヤノだが、遥は黙ってても仕方ないので、質問をした。
「アヤノちゃん、さっき『材料を買い足しに行った』って言ったよね」

アヤノはその時のレシートを見せてくれる。それは最初に遥と別れた時間から照らし合わせても、丁度いい時間のレシート記録。

それはいいのだが、この目の前にある中華丼は明らかにレトルトではなかった。どうも手作りで作ったもので、材料の大きさがまちまち。こんだけ具沢山な中華丼なのだから、時間もかかるはず。

でも、買い足しをして作ったと言ってたので作り置きもない。明らかにおかしい。不思議な状況だ。

「あのさ、アヤノちゃんって…双子だったりする?」
それぐらいしか遥にとって、理由が考えられなかった。

その言葉にアヤノは何か心当たりがある様子だった。遥に詰め寄り、
「そ、それってその、もしかして私が料理しているあいだに誰か来たってことですか!? なんて言ってました!?」
そう聞く

あーさっきのアヤノちゃん、修哉なのね(笑)何やってんだ。

遥がさっきのことを説明すると、アヤノの顔がみるみる赤くなっていった。
話し終えると。すぐさまアヤノは部屋を出て行こうとする。

そんな様子のアヤノに遥は
「あ、あんまり怒らないであげてね」
一言、声をかける。
すると、アヤノは「抑えられたら」とそう言って、部屋を出て行った。

そして、その後、何故か少年の悲鳴が階下から上がったのだった。
(笑)修哉ってば。バレたら怒られるのによくやるな。

lostdays 4
遥が楯山家に泊まり始めて、数日経った頃、遥はコンビニで軽食を買って、楯山家に戻ってきていた。
ちょっとした贅沢品のコンビニプリンを買い、ご機嫌だった。それは本来なら一つのプリンが2つだった為だ。くじで2つ目のプリンを当てた。

学園祭まで残り2日となり、ゲーム作りも佳境に入っていた。アヤノのあの事件から数日が経ってるのに、遥は一切弟達と出くわしていなかった。
アヤノの弟達のことは気になっていたものの、アヤノの言葉もあり、聞くに聞けない。そう悩みながら遥が2階に上がると、借りている部屋の電気がついており、ドアが半開きになっていた。

不思議に思い、覗くと、小さな物体が遥の方に向かってきて、右足に痛みが走った。
びっくりすると、声が聞こえる
「は、はなおっ!ダメっ!」

よくよく見てみると、その小さな物体はハムスター。そして、声を上げた正体は小さな男の子。その表情は酷く心配そうに遥を見ていた。こっちが心配になるくらいに。
「お、落ち着いて! 血も出てないみたいだし、大丈夫だから!ね!」

それを聞いて少しだけ安堵の表情を浮かべた。
「ほんとに……大丈夫ですか?」
「君……アヤノちゃんの弟さんだよね?」
遥がそう聞くと、少年は少し怯えた表情をしてコクコクとうなづく。

「は、はい。そうですか……やっぱりこのこと、お姉ちゃんに報告しますか?」
そういうと、少年はブルブルと震え出す。

幸助くん…アヤノちゃん、怒ると怖いんだね(笑)
とはいえ、怒られる方ではない気がするけど…。

「しないしない! えっと、初めましてだから、ちゃんと挨拶しておこうと思ってさ。
僕は、九ノ瀬遥。君は?」

「こ、幸助です。どうも」
それを聞いて、アヤノの口から出た「しゅうや」という子とは違うんだと考える遥。
幸助はそのまま、その場から去ろうとするが、遥はもうちょっと話していたいという気持ちで引き止めてしまう

苦し紛れに出たのはさっき買ったプリンだった。

スーパーでよく見る3つセットのプリンではなく、一つずつのプリンを食べたことがなかったらしく、
幸助は嬉しそうに食べていた。

楯山先生の部屋へ遥が差し入れをしにいったら、幸助と一緒にいるのを見て、
とてもびっくりしていた。
一番人見知りなのが「幸助」だよね…。

幸助との話で、学園祭はアヤノと兄弟2人が遊びに来てくれるらしい。
幸助自身はちょっとした用事があり、いけないそうだが。

「新聞配達のアルバイトの面接なんです。
 僕の歳でも雇ってもらえるところがあって、どうしても外せなくって」

あー、中学を行ってないんだっけ
「変わらなくちゃって思ったんです。お母さんが死んで、
 みんな頑張ろうってしているのに、僕だけいつまでも臆病なままじゃいられないって……」

その言葉に遥は驚いた。楯山先生の奥さんが亡くなっているなんて、初めて知ったからだ。

この頃か、アヤカさんが亡くなったのは。
うーん、ちょうど貴音と遥たちの担任になった頃だったのかな。

遥の様子に少し幸助は表情を変わる。
「お父さん、言ってなかったんですか?」
遥が無言でうなづくと、思い当たる節があったのか、少し納得したような顔をして、ため息をついた。
「あんまり人に悲しんでいるところとか、見せたくないみたいで……。
 僕たちの前でも、泣いたりしませんでした。きっとお父さんは、九ノ瀬さん達に心配かけたくなかったんだと思います」

そんな話を聞いて、遥は「……先生に無理させちゃってたのかな、僕ら」とつぶやく
「そうじゃないと思います。お父さん、九ノ瀬さんのこと
 すごく楽しそうに話してましたから。『自慢の生徒だ〜』って」

「なんだよ先生、僕らには直接言ってくれないくせに」
泣きそうになるのを堪えて、遥はそういった。

すると、幸助は「酔っぱらってた時だったので」と言って苦笑い。
その言葉の流れで思いだしたのか、幸助くんは柔らかく手を叩いた。
「あぁ! そうだ、その時すごかったんですよ、お父さん。ドンドン酔っぱらっちゃって、
お姉ちゃんに『今度連れてくるから彼女にしてもらえ〜』なんて言い始めて。普段は『嫁に行ったら死ぬ』とか言ってるくせにですよ?」

その幸助の話から遥は初日の『事件』のことを思い出してしまった。
思わず、苦笑いする遥。
「おかしいですよねぇ。しかも兄弟の皆はまともに受け止めちゃって
 『姉ちゃんを守るぞ!』とか言い出して……って九ノ瀬さん?」

(笑)皆、可愛いすぎだろ!姉ちゃん守るためにあんなことしたの?
修哉とつぼみってば…。

遥は『事件』の正体について、幸助の話で理由が分かってしまい
複雑な気持ちになっていた。
その気まずさに耐えかねて、遥は幸助にプリン会のお開きすることに。

遥が別れの言葉を言い、幸助が言いかけた時、突然俯いて目を隠した。
心配そうに背中をさすると、幸助は大丈夫だとそう言う。
だが、幸助はみるみる青ざめていき、微かに震えている。

少しの間、同じ体勢でいると、落ち着いて来たのか、
幸助はしっかりと立ち、額からも手を離した。その表情は少し哀しそうにしている。
「す、すみません、お手数をおかけしました」
「いやいや、そんなことより本当に……」

そう遥が言おうとすると、「だ、大丈夫ですっ」と幸助は言葉をかぶせる。
そんな言いように心配し過ぎは迷惑だろうと、遥は言うのをやめた。

能力発動が勝手になっちゃったんだろうね…。
流石に人の心理を読み取れるなんて、言えるわけもなく、
哀しそうな顔をしているのはそのせいか。

そのまま、幸助も部屋に戻り、遥も布団へと入る。
だが、楯山先生の奥さんについてが気になって眠れなかった。
幸助の変わろうとしている意志に遥自身が、誰かの生きる力になれるのだろうか?とそう思い、考えようとした。

けど、眠りには勝てず、遥は眠ってしまった。

lost days 5
待ちに待った学園祭。
そこで遥は貴音の”惚れ惚れするようなようなプレイにたまらずため息をついたのだった”
『閃光の舞姫・エネ』
それは”僕の知らないもう一つの貴音の姿があった”

ここら辺は2巻の内容の復習みたいなもんで、省略していきます。
ただ、遥は貴音のゲームのプレイに関して、かっこいい、貴音!
と憧れの目線で見ていたようです。

遥目線の為、シンタローと貴音が戦う前にアヤノと遥が話をしていた。
ものすごくアヤノちゃんが分かりやすかった(笑)
「あの子、学校の同級生なんです。今日、一人で来るのもちょっとあれだったので、
誘ったらその……ついてきて、来てくれて。さ、誘ったって言っても、もちろん変な意味はないですよ?」

遥も気づくくらいわかりやすい態度だったのがすごくにやにやしてました。
まぁ、それが後の方に影響してくるんですけどね…


貴音とシンタローが戦っている描写がこの挿絵
勝負の結果、まぁシンタローが勝ったわけですが…
遥にとっては貴音の隣に座って、一緒にゲームがしたいという気持ちにかられたみたい。

さっさと出口に行ってしまうシンタローに景品を渡すため、追いかける遥。
なんとか追いつき、渡そうとするが、やはり受け取りを拒否するシンタロー。
そこで遥は考えた。

シンタローがアヤノちゃんにあげてくればいいんじゃないか?
その方がアヤノちゃんも喜ぶだろうと。
遥(笑)…あなたの入れ知恵だったのか…。
意外な真相だった、シンタローが渡そうと思ってやったわけじゃないのかよ。

それでもシンタローは受け取りを拒否する。
というより、遥からアヤノにあげればいいじゃん、らしい。
遥はあきらめなかった。その押しにシンタローが折れた。

炭酸ジュースを2人分買って、遥はほっと息をはく。
シンタロー君は甘いものが好きじゃないらしいが、
飲めば帰ってくれるということで、それで折れました。

遥とシンタローは世界一有名な炭酸飲料を飲みながら、話をする。
シンタロー的にはこの時、初めて炭酸飲料の美味しさに気付いたそう
飲まず嫌いだったらしい。

シンタローはアヤノに渡すのを了承してくれて、
拒否されたら『変なもの』好きの妹に渡すという。

至って、いい子だなと遥は思うが、さっき貴音と喧嘩していたのを見ていた為、
ゲームについてシンタローに聞く
「それにしても君、ゲーム上手いよねぇ。
 なんかの大会とか、出たりしてるの?」

「え? あぁ、あんなもん適当っすよ、適当。順番に出て来る敵
 撃ってりゃいいだけなんで、楽なもんじゃないっすか」

その言葉にこれは…貴音と相性悪いわけだと直感する遥。
「そ、そっか。いやぁ、すごいなぁ。それであんな風にできるなんて……
 なんか…羨ましいよ、僕にはできないから…」

口に出すと、余計に落ち込んできてしまう遥だったが、
シンタローは不思議そうな様子でこう言った。
「は? やりたいなら、やりゃいいじゃないっすか」
驚く遥。

「いや、だから、やりたいならネトゲでもなんでも、好きなのやったらいいじゃないすか。
 誰かに止められてるって訳じゃないんすよね?」

「と、止められてはいないけど……」

「じゃあやればいいんですよ、好きなの。
 なんなら、よさそうなゲームでも紹介してましょうか……?」

言ってから気づいたらしく、「しまった」という顔をするシンタロー
それは遥の表情を見て、変わったことに気付く遥。
「よ、よろしくお願いします!!」
大きく叫んだ遥だった。

(笑)こういう成り行きで遥とシンタローは仲良くなったのか。
なんだかんだ言って、いい子なのは変わってないよなぁシンタロー君。

lost days 6
「へぇ〜。二人はそういう感じで仲良くなったんだ。
 夜中の教室ってなんか……ロマンチックだねぇ」
「な、何かあったみたいに言うのやめてくださいよ、気持ち悪い」
「え〜、いいじゃない別に」

シンタローと遥がネット通話でそう話す。
ってこの話…シンタローとアヤノの出会い話じゃん!
うわぁ…少し感動した。ドラマCDの空気感がすごく好きだということを思い出したよ。
にやにやしたなぁ…

学園祭から数か月
遥はシンタローと一緒に、夜な夜なオンラインゲームをやるようになった。
ゲームの種類を決めないで、まんべんなく遥はやっていた。それはシンタローのアドバイスで。
「その方が偏らないし、強くなる」というもの。

ただ、シンタロー君は貴音がやっていたゾンビゲームは嫌いらしく、やったことがない。
ゾンビ嫌いだそう。

そして、今現在「パンプキンシューター」というゲームを二人で話しながらやっている。
敵を倒しながら、シンタローは遥のゲーム強さを褒めてくれる。
それに嬉しくなって、イカという敵を遥は倒していった。

話の中で貴音と遥が一度も戦ったことがないという話をシンタローは切り出す。
遥にとってはまだ頼み込める勇気がなかった。
「あれっすよね。『弱いって思われたら
 もう対戦してもらえなくなる』とか思ってるんでしょ」

「ま、まぁそういう……意味も……あるけど……。
 い、いいの!僕のタイミングでお願いするから!放っておいてよ!」

その反応にシンタロー君はどうでもいい様子で、敵がまた画面に現れたとそう言う

だが、その時、ドアが開く音がした。
入っていたのは妹・モモだった。シンタローがやっているゲームをやりたそうな様子なのを
シンタローは嫌そうに言った。
「だってお前、負けたらめんどくせぇじゃん。泣くわ殴るわ……
 そんなやつとゲームやったって楽しめたもんじゃねぇだろ」

うわぁ…ひどい言いぐさになってる。
そんなこと言ってるから、嫌われるようになったんじゃ…

現に泣きそうな妹の声が聞こえ、遥は心の中で言いすぎだと叫ぶ
「じゃ、じゃあ、もう私、お兄ちゃんとゲームやんないよ。一生やんないからね」
「おうおう、好きにしたらいいじゃねぇか。こっちこそ『一緒にやってくれ』って言われたって、二度とやってやんねぇからな」

そんな兄の言いようにモモは――
「……じ、実は今日、学校帰りにゲームセンター寄ったの。ゲームの練習しようと思って。そしたらそこの店長さんが『来週末のイベントに出演してくれ』って
 『かわいい声だから人気者になれる』って言ってきて……私、ちょっと怖かったから、お兄ちゃんに聞かなくちゃって思って……」

「はぁ!? な、なんだよそれ!ステージに立つってことか!? 
 そんなもんお前、ダメに決まって…」

それはそれで反対するシンタロー
「で、でも私、もう出ることにしたから! 
 お兄ちゃんがなに言ってって、もう聞かないからね!!」

あーあ、馬鹿だなぁ…シンタロー君。
そんなこと言ったら、逆効果

そのまま、モモは部屋を出て行ってしまった。

少しの沈黙の後、「あっ」と声が聞こえた
通話していたのに気付いたらしい。
「…すみません、通話忘れてました」
遥がさっきのことを指摘すると、シンタローは黙ってしまった。

「えっと、親御さんとか相談してみた方が
 いいんじゃないんかな……?」

そう遥が提案すると、シンタローはそのことを親に話したら、
モモ自身が外出禁止になってしまうから、話せないとそう話した。
「そっか。じゃあ……僕らで何とかするしかないよね」

そして来週末、遥とシンタローはモモが出るというゲームセンターのイベントに来ていた。
それは「パンプキンシューター」のイベント。仮想のイベントなので、
遥とシンタローは「吸血鬼」と「フランケンシュタイン」に仮装している。

人が多い中、シンタローはなんとかモモを見つける
そして、その間に遥は電話で貴音と話していた。
今日はアヤノの誕生日らしく、貴音の電話はその誘いらしい

遥は素直にシンタロー君と遊びに来ているということを、貴音には言えなかった。
シンタローと貴音は犬猿の仲の為、機嫌が悪くさせてはいけない。
とりあえず、買い物に行っている、と嘘をついた

その後、貴音はある質問をした。
「いや、なんかアヤノちゃん、前にあいつに頑張って誕生日伝えたんだって。今日もなんか、すごいソワソワしてるから可哀想になってきてさぁ。まぁ、流石に忘れてるってことはないと思うけど、ちゃんとプレゼント用意してんのかな〜って。あんた、なんか聞いてない?」

「ぼ、僕は知らないよ!? うん、僕は知らない!」
(笑)絶対、シンタローくん覚えてねェ!
「ほんじゃ、私はアヤノちゃんと遊んでくるわ。ふふ、買い物行ってて損したね、遥。
 暇だったら、ぜ〜ったいあんなも行きたくなるようなとこ連れてってやったのに〜」

そう言って貴音の電話切れた。

シンタローくんが戻ってくると、ひどく悲しそうな顔をしていた。
モモに何か言われたらしい
「大丈夫? シンタローくん」
「あぁ、先輩……。オレ、やらかしちまいました……」

そんな様子に何を言われてたのか?とそう聞く
「『なんでわざわざ来て余計なことするの? もうお兄ちゃんって呼ばない』って
 ……はは。笑っちまいますよね…」

兄ちゃん的に驚くべき衝撃を与えそうな言葉(笑)

落ち込むシンタローをなんとかしようと、遥はこのイベントで行われているゲームに参加しようと提案する。
優勝賞品「巨大イカのフィギュア」。モモが大好きなキャラクターだ。
その提案にやる気を出したのか、シンタローは遥と共にイベントに参加する

そして、ようやく決勝戦まできた二人。
だが、悪いことに決勝戦の相手がアヤノと貴音だった。
しかも、シンタローは手首を痛めており、ほぼ遥の活躍でゲームに勝っていた。

遥は遥で初めて貴音と対戦するということで、テンションが上がりきみ。
結果は遥とシンタローの勝利

優勝賞品の「巨大イカのフィギュア」をモモに渡し、
嬉しそうにするモモ

アヤノと貴音に二人の正体がばれ、なんだかんだで合流した。
相変わらず、シンタローと貴音は喧嘩をしている
そんな様子を横目に見ながら、遥は考えていた

ふと気づく。
アヤノちゃんの誕生日をお祝いできるの、もうこれが最後なんだ。そうだよ、
来年はもう、お祝いできないんだ。

あぁ、なんで忘れてたんだろう。変だな。僕、今「これ」がずっと続くと思ってた。
今まで、こんなことなかったのに、どうして…。
……だめだ、余計なこと考えるな。どうしようもないんだから

そんなことを考えていると、話を聞いていなかったと貴音に怒られた。
遥が苦笑いで答える。それに合わせて、アヤノもクスクスと笑う。
なんだかんだで、シンタローも楽しそうだ。

そうだ、考えるな。今、目の前に広がっているこの光景を、ただひたすらに噛み締めるんだ。
いい聞かせるように、ぼくは笑顔で足を進めた。

そう。 
とっくに眼前に埋め尽くしていた絶望から、必死に目を背けながら

……遥。

lost days7
少し時がたち、季節が夏、遥は自分のベッドの上にいた。
不意にドアが開き、部屋にシンタローくんが現れる。
「お邪魔しま〜っす。……おっ、先輩、
今日は顔色いいじゃないっすか」
 

シンタローはお土産を持って来ていた。
しかも、嫌いだったはずの甘い物のバウムクーヘン
不思議そうにすると、シンタローは最近、食えるようになったのだという。

シンタローと話をしながら、遥はシンタローとの関係性を考えていた。
「友達」なのかもしれないと。それを考えると、貴音のことを思い出す。
遥にとっては貴音は「友達」と言い切るには何か、しこりが残る感じがしていた。

ん〜何だろう。もしかしたら「そういうこと」なのかもなぁとも思うけど、僕はあんまりそういうことに積極的になれないのだった。そんなこと言えるわけないと、思っているのだ。
……それはそうだよ。だって僕、もう死ぬんだから

最近、遥は「死」について考えるようになっており、ぼーっとすることをが増えていた。
そして、今も考え込むように黙ってしまう
「……せ、先輩?」

シンタローが声をかけると、遥は我に返ったように気が付く
心配そうにするシンタロー。心臓の音が鳴りやまない。
「大丈夫……わ、わかるんだ。
 これは、大丈夫なやつだから…」

「で、でも先輩、辛そうじゃないっすか……」

時間をたつうちに心臓が落ち着きを取り戻し始める。
シンタローもそれを待つ間は黙ったままだ。

「……早く、よくなるといいっすね」
ぽつりとシンタローがつぶやいた。
それは唐突だったため、遥は少し驚く。

「そうだね、頑張るよ」といえばよかったのかもしれないが、
遥はそれと違う言葉を出してしまっていた。
「……よくなんて、ならないよ」

「……な、なに言ってんすか、先輩。
 ほら、最近ちょっと暑くなってきたから、きっとそのせいで…」
「違う。……違うんだよ、シンタローくん」

本当は絶対言わないと決めていた言葉を遥からこぼれる。
「……死ぬんだ、僕。もう、あと一か月も生きられないと思う。
 シンタローくんと仲良くなる、ずっと前から解ってたんだ。シンタローくん。僕ね、こんなに仲のいい友達ができたの、生まれて初めてだったんだ。だから、君には本当に幸せになって欲しい。この先どんな辛いことがあったって、
 僕の分まで長生きしてほしいんだ」

ここまでシンタローの返事はなかった。
困っているだろうな、と思い、遥は口を開く。
「ごめん、シンタローくん。今日はもう、帰ってもらってもいいかな。
 もう時間も……」

「オレ…」
震える声に思わず、振り向くと、そこには大粒の涙を零す友人の姿があった
「オレ……せ、先輩が死ぬの……い、嫌です……ッ!」

シンタローくんは、難しい言葉も使える人だ。
上手い言葉もつかえるし、気を遣って差しさわりのないことも言える。
知ってる。知ってるよ、友達だもん

「僕だって……」
シンタローの言葉に遥は言葉が抑えられなくなっていた
「ぼ、僕だって死にたくないよ……ッ!なんで……なんで僕なの!? 
 おかしいよこんな……」

ぽろぽろと遥は初めて人前で泣いた。

「どんどん身体もおかしくなって……ご、ご飯の味も、もう解らないんだ。
 あぁ、怖い、怖いよ。誰か、助けてよ……!!」


遥はそう吐き散らしたあと、布団に顔を埋めて、泣いた。
しばらく、シンタローが背中をさすってくれていたが、一体いつまでそうしていただろうか。

このシーンですごくじーんとしちゃって、あぁなんかしづさんの絵がうまくなってない?
なんて思ったりした。伝わってくる絵だったから…

その後、遥はいつの間にか眠ってしまったようで夜に目を覚ました。
シンタローはベッドのわきの絨毯の上で寝ていた。
遥はシンタローに毛布をかけ、外に出る。

そんなことをしてみたい気分だったからだ。

lost days 8
そして、8月15日――その日は訪れた。
薄れゆく意識の中、遥は謝っていた。
ごめんね・・・と

貴音、シンタローくん、アヤノちゃん、先生……。
もっと、もっとみんなと一緒にいたかった。もっと沢山遊びたかったよ。
こんな弱い身体に生まれたくなかった。もっと強い……それこそ、ゲームの主人公みたいに強い身体だったら、
いつまでも、ずっと皆と一緒にいられたのに……。

いつまでも……みんなと……。

その瞬間、声が聞こえた。
『……願うか。愚かな人間よ』
それが聞こえた後、意識は途絶える

『……願いは聞き入れたぞ、人間』
声の主はこう言った。
「願い? 君は一体……」
言いかけた時、ベッドのわきに見慣れた存在がおり、遥は言葉を失った。

『自分の身体だぞ。何を驚いているんだ? 
 これこそ、お前が望んだ「理想の身体」じゃないか』

見慣れた存在とは”コノハ”だった。遥が作ったゲームのアバター

戸惑う遥だが、頭が強制的にコノハを理解する。
こいつは、僕だ。僕の身体の中に「なにか」が入り込んで、僕ははじき出されたんだ。

なるほど…。はじき出されたのか…遥の精神は。
『望んだだろう?「強い身体がほしい」と。叶ったんだよ、お前の願いは。
 もっとも、貧弱なお前の「精神」は弾き出されてしまったみたいだな』

その言葉に遥は反応する
「ち、違うよ! そうじゃない!僕が望んだのは、
 皆と……『友達と一緒にいたい』ってことだよ!」

『……あぁ、確かにそうだったな。じゃあこうするとしよう』
すると、コノハの身体が地面に飲み込まれ始めた。
慌てて、止めようとするが、声の主は言った。

『「友達」のところに行くのさ。いやぁ、お前がそう願ってくれて本当によかった。
お前みたいな「残りカス」でも「主」であることは変わりない。お前が願ってくれないと、なにも「叶え」られないからな』

そう言われ、遥は納得してしまった。
つまり、遥の身体を奪い取って、現実の世界に行こうとしてる、と

「……向こうの世界に行って、何をするって言うんだよ」
「いやいや、これはただの「習性」さ。「女王」に呼び寄せられるたちでね。
 それに、動かしているのは他でもない「お前の願い」なんだ。何をするかはお前次第だろう』

「……酷いね、君」

『何を言うんだ。「もっと酷いやつ」だっている。
 そもそも、お前がこちらに来た一番の原因は、そいつじゃないか

…!、やっぱり病気のせいではないんだね。目を冴える蛇のせいだ

そのタイミングでコノハの身体は完全に飲み込まれた。
少し経ち、コノハから聞こえるのが遥の中に流れ込む
「……やはり望んだな、強い身体を。だからお前を選んだんだ。
 『覚める』の方もノコノコ出てきやがったし、これでフェイズ1とりあえず成功だなぁ…」

聞えたのは先生の声だった。驚く遥。

「しかし、まさか一発でうまくいとはなぁ。一年間かけて準備した甲斐があるってもんだ。……いやいや、大変だったんぜ?『睡眠欲求』と『虚弱体質』。
 お前ら二人を同時にそっちにぶちこむってのはよぉ」

コノハが目を開くと、今度は映像が流れこんだ。

それは先生だけでなく、後方にいた人に気付く
「おぉ、お目覚めか? コノハ。
 お友達に会いに来たところ悪りぃんだが……」

遥は後方にいた人の正体に絶句する
「お前が遊びたがってた友達はなぁ。もう死んじまったよ」

目が冴える蛇、ひどいことするなぁ…。
その為に貴音をやったのかな

daze 2
話が変わり、遥の視点からシンタロー視点へと戻る。
遥から話されたのは、コノハが自分であることだった

コノハにはコノハ自身の人格があり、遥が動かしている訳ではない。
そのことをシンタローに話せなかったことを遥は謝った。

ここのシンタロー君の視点でびっくりしたのは、貴音がエネだって気づいていた事。
遥先輩の話を聞いたせいか、オレはここに至るまでのあらかたの記憶を思い出していた。
遥先輩が死んでから、この2年間のことだ。

学校を辞めて、家に引きこもったこと。榎本がアホみたいなテンションに変貌して家のパソコンに住み着いたこと。それを未だに許してないこと。メカクシ団の連中に出会ったこと……。思い出してみると、なんで忘れてたのか不思議なくらい、変な話ばかりだった。

そうだ、オレは「メカクシ団」に入ったんだ。早いとこ戻って
「カゲロウデイズ攻略作戦」だがを手伝ってやんなきゃなんねぇだ。

一刻も早く、ここを出なくてはいけない。しかし、そうするためには、一つ肝心なことを思い出していないのだ。
マリーの家に行った日。あの日の翌日から、ここに来るまでの記憶のだ。
それが何故だが、さっぱり思い出せない。困ったもんだ。

エネだって気づいてたというよりは、そっかここにきてるんだから、その後の状態か。
そりゃ、話す羽目になるはずだ。それでシンタロー怒ったんだ

「……シンタローくん。
僕、最初に『謝らなくちゃいけないことがある』って言ったよね」

遥が切り出す
「あぁ、そういえばそんなこと言ってましたね。
 でもさっきの話にそんな部分、ありましたか?」

「いや、ないよ。だって、これから話すことだから……」
言いにくそうしながらも話を続ける
「ここに来た理由、覚えてないって言ったよね。
 それって……本当?」

「いやだな、本当ですよ。なんでそんなこと聞くんすか?」
遥は途端に哀しそうな顔をする
「だって、僕をみて思い出さないはずないよ。
 きっと、僕のことを庇って……」

「えぇ? いやいや、訳解んないですって。
 オレ、気になってしょうがないっすもん」
「そもそも、その態度がおかしいんだよ。こんなおかしい空間なんだよ?
 そんな平然としてられるなんて変だよ」

……いいっすよ、遥先輩。言わなくても。

!?…それってつまり、知っているけど、思い出したくないって事?

「ねぇ、シンタローくん思い出してよ、だって…」
……いやだ、お願いだから、言わないでくれ。頼むから……!

「……だって、僕に×されて、君は死んだんだよ?」
…え!? ってことは「ロスタイムメモリー」の?

止まった心臓がズキンと痛む
まるで「忘れるな」と忠告されたかのようだった。
「ねぇ、シンタローくん。コノハを……僕を殺してよ。
 この話が、ゲームオーバーになっちゃうまえに…・・」

遥はそう言うと、あの夏の日のように泣き出した。
『カゲロウデイズ』の真ん中で、オレは立ち尽くす。
オレなんかに何ができるっていうんだ。誰一人助けられなかったオレに、一体何が。

とりあえず、本編はこれで終わり。
じんさんによると、真相は次巻ということらしいです。
まぁ、なんとなく状況が見えた気がする。

つまり、マリーの家に行った次の日、コノハがクロハになって、
自殺しようとした時にシンタローが庇った、ということでしょう。
もろに「ロスタイムメモリー」のシーンじゃんか!

あとがきのしづさんの絵可愛かったなぁ・・・コノハ。
じんさん、家なくなったことに驚いた。
大変そうだなぁ、あとスピンオフも作りたいとか言ってたし。

それはそれで興味ある。
うーん、やってないキャラの話とかやってくれたらいいな

ここまで読んでくれてありがとうごさいました。
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