此花のアニメ&漫画タイム

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「絶対、わたしがあんたを助ける」ヤズノ砦の攻防とタンダの足。第7回「傷だらけの再会」感想 精霊の守り人最終章

此花(このはな)です

今回は精霊の守り人最終章の第7回「傷だらけの再会」の感想を書いていきたいと思います

第7回「傷だらけの再会」
あらすじ
激しい戦火の中、タンダ(東出昌大)を探すバルサ綾瀬はるか)は、逃れてきたマーサ(渡辺えり)やアスラ(鈴木梨央)たちと再会し共に絶望感に襲われていた。

そんな中、コチャ(とまん)と出会い、偶然、タンダの居場所を聞き出し再会する。タンダは、コチャと姉・ヨーナ(マギー)に看病をしてもらっていたが、足のケガが原因で苦しんでいた。悪化したタンダの足をみたバルサは…。

公式より
第7回 「傷だらけの再会」 | あらすじ | 精霊の守り人 最終章 | NHK大河ファンタジー

7回はオッカ村に現れたタルシュ兵の動き、ヤズノ砦の戦、そして、タンダを探すバルサの話でした。タンダの傷とヤズノ砦の戦が交互に表現されていました。

最後の切るシーンはバルサだけが冷静に処理している描写が印象的です
結局、止血は焼き固める方法を取ったんだね。 
二ノ妃は帝に話しちゃうのか、聖導師のこと。

ナユグの春が新ヨゴに何をもたらすか、はトロガイさんが言っている通りになるんだろうな…。
ナナイ大聖導師の予言のように。


さて、本編の感想へ行きましょうか!

「”戦が始まった。巨大国家・タルシュ帝国の王子・ラウルが海を渡り、わが国・新ヨゴ国に攻めてきた。皇太子である私、チャグムは国を守るため、隣国のロタ王国・カンバル王国の応援を取り付け、援軍を率いて母国へむかった。

新ヨゴ国に上陸した5万のタルシュ軍は圧倒的な武力で新ヨゴ国の軍勢を打ち崩し、都へと攻め上げていた”」

「”そしてバルサは、
 戦に駆り出され行方の分からないタンダをひたすら探していた”」

四路街の野営地ーバルサはそこに身を寄せていた
「みんな、あの街を焼け出されたんですか?」
「ロタ王国から、タルシュ兵が攻めてくるって聞いてね。
 とりあえず、逃げてきたんだよ」

「ロタ人の軍勢をタルシュ人が率いているって話だ」
トウノはいう

「食料と大事な商売道具をつんで、
 逃げようとしたら、新ヨゴ国の兵が街に火をつけ始めたんだよ」

「きっとほら、タルシュ軍に街を取らせないためさ。
 こいつを持ってきた」
トウノは店の看板である、青い飾りを持ってきて、いう

「私たちにとっちゃ、どっちが敵や味方だが、全く分からないよ。
 新ヨゴ国に、あの店を燃やされて、タルシュを憎めと言われてもね」
マーサさんはいう

バルサ、タンダさんに何かあったの?」
「え?」

「寝言で何度も名前を呼んでたから」
トウノはいう
黙ってしまったバルサにマーサさんたちは
「タンダさんが戦に行ったってのは俺達もしっているんだ」

「俺とアスラが逢いに行って、それでタンダさんのお兄さんが来たんです。
 タンダさんに戦に行ってくれって」
そうチキサが説明する
「トロガイさんという、タンダさんの師匠にも会いました」

「タンダはタラノ平野に行ったようだ」
バルサはそう口を開いた
「まさか……」

「死体は見つかっていない。見つからなかったんです」
バルサは言う

「きっと生きているよ。
 この戦で、これ以上大事なものを奪われてたまるもんですか」
そう、マーサさんは言った

場面が変わり、オッカ村。タルシュ兵がやってきていた
「こっちに来る!タルシュ兵だ」
コチャはいう
それを聞いて、ヨーナは武器を取り出すが、慌ててタンダが止める
「ダメだ! こんな持ってたら、殺される」

「早く火を消して」
タンダの声に家じゅうの火を消して回る3人
「わかりました」

ヨーナはタンダを横に寝かせた
ゆっくりとタンダの家にもタルシュ兵がやってくる

「お前がここの主か」
タルシュ兵の人がそう聞く
「そうです。私の夫です。夫は病なんです」
ヨーナは答える

「ここにいるのは3人だけか?」
問いかけるタルシュ兵
「父ちゃんや兄ちゃんは新ヨゴ国に連れて行かれた」

「砦にいるのか?」
「どこにいるのかなんて、知らない。
 この村にいるのはもう、病人とおらみたいなガキが女と年寄りだけだ」
コチャはそう言う

タルシュ兵はタンダにかけられていた毛布を外し、けがを確認した
それを見て、ヨーナが駆け寄る
「違います!」

もう一人のタルシュ兵が青いたすきを発見されてしまう
「この人は戦っていません! 誰も傷つけていません!
 お願いします!殺さないでください!」
必死に言うヨーナ

すると、タルシュ兵は頭巾をとった
「安心しろ。殺しに来たんじゃない」
そう言ったのだ
「いい匂いだなぁ…これは何だ?」

「山菜」
「この辺の山で採れんのか?」
タルシュ兵は言う
「味を見てもいいか?」
「うん…」

すると、タルシュ兵は山菜鍋の味を見る
「うまい」
「この鍋をいくらなら譲る?」

「え?」
その言葉に驚くヨーナ
「中身ごと、これで売ってくれないか?」
そのタルシュ兵は金の入った袋をコチャへと投げた

「もっと作れば、もっと買うぞ。なぁ、ジンタ」
「うまい物なら、いくらでも大歓迎だ」
ゴオヤとジンタが言う

「もうじき、我らの軍勢がやってくる」
ゴオヤはいう
「この村へか?」

「この村に陣を張ることになった。だが、無理やり力ずくで奪ったりしない。
 抵抗しなければ、誰も傷つくことはない。欲しいものがあれば、全て買い上げる」
「俺達は殺しに来たんじゃない。豊かにするために海にわたってきたんだ」

こうやって、村人から作物などを買い上げる事で、この地域の食物を調べる
支配した時に役に立つためだ

場面が変わり、四路街の野営地
「もし、新ヨゴ国がタルシュ帝国に負けたら、どうなるんだ? 
 俺達も皆殺しになるのか」
そう、トウノはつぶやく

バルサ、アスラとチキサだけでも逃がしてやれないかね」
マーサさんはバルサに言う

「私は何もしてやることが出来ない。あのお店だって、私が子供の頃から働いてやっと手に入れた大事なお城だ。そのお城が、燃やされてしまったら、私には何も残らない」
「お袋……」

「積んできた荷物を全部、アスラとチキサにやってもいい。
 それで、逃がしてやってくれないかね」
マーサさんはいう

「……一緒に逃げましょう」
バルサは言う
「逃げるってどこへ?」

「カンバル王国です」
「カンバル王国? バルサのふるさとか」

「今のカンバルなら、きっと皆さんを受け入れてくれます」
「四路街の人たちも?」

「はい。
 そして、いつかあの街に戻れる日を待ちましょう」
バルサは言う

バルサさん、カンバルなら青霧山脈を越えるのか」
護衛士のオバルがバルサに言う
「厳しい道のりだけど、その方が戦を避けられる」

バルサはタンダさんを探しに行かなくていいのか?」
トウノはバルサに言う
「タンダならきっと、私に皆に守れと言うはずです」

ロタではなく、カンバルになったのか…。四路街の人々が逃げる場所
ロタ南部の兵が攻めてきているというのは原作と違う展開だから、しょうがない。

場面が変わり、オッカ村。
オッカ村の人々はタルシュ兵に家を譲り、違う場所へと移動。
ニーナやコチャはけがをしているタンダを連れて、一緒に移動していた。
「タンダさん、大丈夫かな。大分、苦しそうだ」
「早く、どこかに落ち着くしかないわよ」

「おい、あれを見ろ!」
村人の声が聞こえ、指をさす方向を見ると、タルシュ兵の軍勢が現れた。
あの太鼓の音と共に。

その音でタンダはタルシュとの戦とバルサの名を口に出す
バルサ!」

ニーナとコチャはタンダに駆け寄る
バルサっていうのはタンダさんの幼馴染の人だ」
タンダの汗を拭きながら、コチャが説明する
その名を聞いて、複雑そうな顔をするニーナ

一方、そのタルシュの軍勢の中にラウル王子とヒュウゴがいた
「”ロタ王国から新ヨゴ国に侵攻したラウル王子はここ、オッカ村に本陣を設けた。
 オッカ村はヤズノ砦に近く、ラウル王子はここから都攻めの指揮を執った”」

「止まれ」
ヒュウゴは言い、ラウル王子の馬を止める
「あの山の向こうがヤズノ砦で、この先に新ヨゴの都・光扇京があります」
巻物を見せるヒュウゴ

本陣の中へ
「ラウル王子、新ヨゴ国へようこそおいでくださいました。
 お待ち申し上げておりました」
鎧を着たクルーズは挨拶する

「クルーズ宰相。
 この期に及んでも、まだ新ヨゴ国は降伏せぬか」
そう、ラウルは言う

「かつてヨゴ国をおとした時と同じです。
 多くの犠牲を出した事、最後に帝は命乞いいたしましょう」
クルーズはいう
ここで、ラウル王子がヨゴ国を攻めたときの大将だったことが分かるのか

「民は大事にいたせ。もうすでに我々の民だ」
ラウル王子はいう
「心得てございます」

「私が王宮にあがるのはいつ頃になる?」
ラウル王子はいう
「ヤズノ砦を落とせばすぐに。すぐに落としてごらんにいれます。ここからも砦が燃える煙が見えるでしょう」

「新ヨゴ国はなぜ、都全体を砦としないのか。
 しかも、城壁もないとは」
ラウル王子は言う

「それは同じ先祖を持つヨゴ人のヒュウゴが誰よりも分かっておりましょう」
クルーズは答える。

そう言われ、ヒュウゴは立ち上がる
「都は帝が住まう所。いわば、神聖な領域です。城壁は山々に囲まれた地形そのものです。
 万が一、そのヤズノ砦が落とせぬようなことがあれば、思わぬ苦戦を強いられるか、と存じます」

「お前は私を侮りたいのか? それとも新ヨゴ人を買いかぶりたいのか」
クルーズは言う
黙ったままのヒュウゴ

「私はむしろそのようになればよいと願うがな」
ラウル王子は言う
「は」

「全く使えない国をとっても仕方あるまい。
 この先、兵の数にもならぬ、愚か者ばかりでは」
「なるほど」

「ヒュウゴのような、使える奴をいてもらわねば、困る」
そう、ラウル王子は言う
意味深なヒュウゴの表情……気になる

一方、ラウル王子と一緒に来たロタ南部大領主のスーアンとアマンの陣はコチャの家だった
「何故、こんな汚い所で時を過ごせねばならんのだ」
そう、文句を言うスーアン大領主

「身から出た錆でしょう」
「何?」

「もともとあなたですよ。タルシュを信用したのは。
 スーアン大領主」
アマンは言う
「もともとロタ王を倒すことを主張したのはあなたであろう。アマン氏族長」
二人で責任を押し付け合ってるし…(笑)

「わかっておられますか? この戦に勝たねば、我々はロタに戻れる立場ではないのですよ!
 陣地に不満を垂れている場合ですか」
アマンは言う

「元々戦に勝っても我々が、ロタ王城に上がれる保証はない」
スーアン大領主はいう
「は?」

「我々は愚かにもタルシュに諮られたのだ」
スーアン大領主はいう

”「私は何も援軍になれとは言っていない。
 タルシュ軍として、ついてこいと言ったのだ」”

ラウル王子の言葉

「勝つのはタルシュだけだろう!」
そう言って、陣の外へと行ってしまうスーアン大領主
確かにね…まぁ利用されただけだし…

場面が変わり、新ヨゴ国の王宮
帝は籠っていた
「”新ヨゴ国の王宮では帝が戦の勝利を願う祝詞をささげていた”」

「ドメイロニ ハッタ」
「”どめいろにはった。父になる神よ、願いを聞き届けたまえ。帝は天をつかさどる神だ。
 帝の願いは煙に乗って、天の父へと立ち上ぼるのだ”」

二ノ妃は帝を探していた。
「お妃」「聖導師」
聖導師は声をかける
「帝はこちらですか?」

「はい、お籠りをなさっています」
聖導師はいう
「それはいつまで?」

「戦勝の願いが天に通じるまでにございます」
「その間は水しか飲まれず、
 そのお世話をそなたがしているのですね」
二ノ妃は言う。視線の先には帝のための水が。

”「聖導師様は帝を、チャグム皇太子を、陰で裏切っているようです」”
ガガイの言葉

「それでは、さぞ帝のお身体は衰えましょう」
二ノ妃の言葉に違和感を覚える聖導師
「何をなさるのです?」

「私も籠ります」
二ノ妃は言う

「なりません!」
聖導師は言うが
「下がりなさい!」

「なぜ…二ノ妃が…」
聖導師はつぶやく

こうして、二ノ妃は帝の為の水を持ち、帝がいる部屋へ
「何事だ…」
帝はつぶやく
「陛下……」

「去れ。 王宮から去れと言ったはずだ!」
帝は言う
「お願いです、陛下! 私も、ここで祈らせてください」

その言葉に帝は二ノ妃の方を向く
「穢れた私の心をどうか、お清めください!」

場面が変わり、聖導師の部屋
シュガとガガイはいた

「タルシュがこの王宮にやってくることに備え、
 今度のことを二人には考えてもらいたいのだ」
聖導師はいう

「それは……」
「それは聖導師様の本心でございますか」
ガガイはいう
「本心とは?」

「帝の御命をお守りするという事です」
椅子から立ち上がり、ガガイは聖導師の前に来る
「それではタルシュを裏切ることになるのではありませんか?」

「……知っていたのか」
「はい、チャグム王子が生きておられるかもしれぬという事も。
 帝を亡きものとし、チャグムを迎えることが聖導師様とタルシュの約束ではございませんか」

「そのことを誰かに話したか?」
「いいえ、誰にも」
ガガイはいう
それは嘘だね。…一部だけ嘘をまじえたものをニノ妃に教えたじゃないか

「シュガよ、ここまで来てはどうにもならん。
 たとえ、チャグム王子が戻られたとしても、この国ではすでに死んだことになっておる。帝が復帰をお認めにならず、タルシュとて、生かしてはおくまい」

「しかし…」
「チャグム王子にもう生きる道は残されておらぬ。
 あきらめよ」

聖導師はいう

「それでは、新しい帝はトゥグム王子と考えてよろしいですね」
シュガと聖導師の間に立って、ガガイは言う

「お待ち下さい」
シュガは言う
「シュガ、諦めろと言われたはずだ」

とはいえ、新ヨゴ国の危機をチャグム王子が救えば…
帝はどう思うのだろうか

聖導師が帝と二ノ妃の水を運ぶ
二ノ妃は自分の水と帝の水を取り替える
…しかし、その水は本当に毒が入っているのか…?今の状況だと考えにくいのだけど

場面が変わり、シュガはガガイを連れ、星読塔の屋上へ向かっていた。
「シュガ、どこまで行くつもりだ!」
そこにいたのは”トロガイ”で


「どうして、そんな奴を連れてきた」
ガガイを一目見て、トロガイはいう
「こ、こ、こやつは穢わらしいヤクーの呪術師ではないか!」

「私の師匠です」
シュガはいう
「何!?」

「ナユグのことを教わっています」
「ナユグ、そんな精霊の世界に構っている場合でないであろう!」
ガガイはいう

「それが違うのです! ナユグに春が来ていると
 師匠が教えてくれました」
シュガは言う
「何がきていると?」

「こいつに話しても、無駄なんじゃないのかい」
トロガイは言う
「こいつって……」

「ガガイさんにわかってもらいたいのです。
 今は戦をしているような時ではないと」
シュガは言う

「こいつが戦をしているのか!」
トロガイは言う
「こいつって!」

「いや、ガガイさんにそんな力はありません」
シュガは言う
(笑)ばっさりと言い切った

「ただ、星読みの本分は天道を読む事。
 そのことを思い出してもらいたいのです」
シュガの言葉にガガイの表情が変わる

「ナユグの春がこの国に何をもたらすのか、
 師匠それを教えてください」

シュガは言う

「ナユグの春は精霊たちが一斉に新しい命を生むときさ。
 その熱でこの世の大地は温まり、豊かな実りと同時に災いももたらされるであろう」

「その災いとは?」
シュガは言う
「青霧山脈の万年雪が解かされる。それだけではない。青霧山脈はそれよりも高いカンバルのユサ山脈ともつながっている。その万年雪も解かされるが、その地下水はこの国に一斉に流れ込む。
早くその備えをしなければならない」

「治水の備えですか」
シュガは言う

「それで済めばいいがね……。
 私はもう一人の弟子から大事なことを教えられた。それで分かった」
トロガイは言う
「……もうじき、この国は無くなる」

「はぁ!?」
ガガイは言う

大量の地下水が川に流れ込み、増水。扇状地に作られた光扇京は一番被害が大きい場所だ。その為、帝が住まう王宮に水が襲い掛かるのだ。

場面が変わり、ヤズノ砦ー
地響きがしながら、タルシュの軍勢が現れる。
「動いた。弓隊、一の矢をそなえよ!」
ラドウ大将軍が言う
「風は我が陣にあり」

王宮では戦勝の祈りがささげられている

「先鋭が動きません」
そう報告する
タルシュが動かないのにしびれを切らしたラドウ大将軍は言う
「……何をしている!放て!」

一の矢が放たれる、が、
一斉にタルシュの歩兵隊が後ろに下がり、矢をよけた

「ダメです、届きません。
 タラノ平野の一戦で、敵は我らの矢の間合いを見切ったようです」

一方、タルシュの司令塔ではー
「こちらからもあいさつをしてやりましょう」
シュバルはいう
「やれ」

クルーズが言うと、指令役が指令をし、全体へと伝わる
「アラルムの放て!」
鉄球を投げる機械で”鉄球”を放つ

「ニの矢を使えー!!」
ラドウ大将軍の声が聞こえ、弓を構えるが

その前にヤズノ砦に鉄球が襲い掛かる
「何だあれは……」
それが何なのかわからない新ヨゴ国側

次々と襲い掛かる鉄球
「いつでも砦を出て、敵を迎え撃つ用意をさせておけ。
 絶対にこの砦は通させん!」
ラドウ大将軍はいう

それを見るクルーズとシュバル
「このまま総攻撃を仕掛けますか?」
シュバルはいう
「いや、今日の所はもういい。兵を休ませよう」

「はっ」
「ただし、炎と太鼓を絶やすな。
 敵を一睡もさせず、夜通しおびえさせ、夜明けとともに一気に片をつける」
クルーズはいう

「この地につかれたばかりのラウル王子にすぐに王宮に上がってもらうには慌ただしすぎる。
 それに王宮にいる内通者が慌てて今夜のうちに片を付けんとも限らん」

「いずれにせよ、
 勝利ののろしを上げるのは明日の朝だ」
クルーズはいう
この決断がいずれにせよ、この先の未来への油断だったとしか言えないんだろうなぁ…

場面が変わり、オッカ村近くの岩場でヨーナたちは身を寄せていた
タンダの容態は日に日に悪くなっている。そして、戦の悪夢ばかり見ていた。
うなされているタンダに気づいて、ヨーナに知らせてくる

「タンダさん!タンダさん!」
ヨーナはタンダをゆする。タンダが目を覚ます
「戦の夢を見ていたんですね」

「ここは…?」
「村の近くの岩屋です。タルシュに家を取られたので
 覚えていませんか?」

「あぁ……あれから酷い目に遭ってないか?」
タンダはいう
「大丈夫です。タルシュは見張っているだけで何もしません。
 作物や採ってきた山菜も買ってくれます。戦が終われば、家も返してくれるそうです」

「タルシュはもう、勝った気でいるんだな。
 ……コチャは?」

「今、ちょっと出ています」
ヨーナは言い、器にお茶を注ぐ

それをタンダに飲ませた
「身体、大丈夫ですか?」
「ヨーナ……」

「タルシュ兵の前で夫なんて言って、ごめんなさい。あれは気にしないで。
 ただ、貴方のことを守りたいと思っているだけですから」
そう、ヨーナは言う

「ヨーナ、ありがとう」
そう、お礼を言うタンダ
「俺はこんなにヨゴ人に大事にされたのは生まれて初めてだ」
タンダ…

バルサさんは……カンバル人ですか? 
 寝言で名前を呼んでいました。よほど、大事な人なんでしょう」
ヨーナは言う

「向こうが……どうか。俺は…バルサにとって、薬みたいなものだから。
 ……いらない方がいいんだよ」
タンダは言う
そんなことないよ、ちゃんとバルサだって、大事に思ってるよ

場面が変わり、青霧山脈の近く
四路街の人々は護衛士に守られながら、カンバルに向かっていた
しかし、異変に気付いた護衛士が四路街の人々の足を止めさせる

バルサは後ろにいたので、先頭に向かう
「どうした?」
「向こうに何かいます」
オズルがそうバルサに告げる

「あたしが見てくる。
 しばらくして、戻らなかったら、引き返せ。皆を頼む」
バルサは言う
「はい」

その方向に向かうと、食糧を持った村人らしき人達が盗賊に襲われていた
バルサはその盗賊を倒しにかかる

「アスラ~!」
マーサさんの声が聞こえ、アスラが走ってくるのが見えた
「来るな!」

アスラが人質に取られた瞬間、盗賊の背中に矢が刺さった
盗賊が倒れた
アスラに駆け寄るバルサ

「アスラ、大丈夫か?」
心配そうにバルサがアスラに声をかける

バルサさん、盗賊か?」
オズルがそう言う
「あぁ」

「アスラ! 
 ごめんね、急にアスラが駆け出してしまって…」
マーサさんたちも駆け寄ってくる
「アスラ! だめじゃないか!」

「アスラはバルサさんがどこに行ってしまうと思ったんだ」
チキサは言う

その名前に襲われた村人の一人が反応する
「心配してくれたんだね」
バルサは言う

「どなたか存じませんが、ありがとうございました」
お爺さんがそう言って、頭を下げる
「お礼を差し上げたいが、あいにく今は……」

「そんなものはいりませんよ」
バルサは言う
「いや、あれを売れば少しだけでも」

「売るってどこに売る気だ」
オズルはいう

「この近くで商いが出来るところがあるんですか?」
マーサさんが反応する
「ヤズノだ。タルシュ軍に運ぶのさ」

「高値で何でも買ってくれるの?」
「おふくろ!? 
 まさか商いする気じゃないだろうな」
トウノはマーサに言う

「あ、あの!」
一人の村人が声を上げる
「あなたはバルサさんですか?」

その言葉に怪訝そうな顔するバルサ
「もしかして、タンダさんの……」
コチャがここで会うとは…

”タンダ”の名前にバルサが反応した
「タンダを知っているのか?」

「う、うん! 今、一緒にいる」
コチャの言葉に喜ぶ一同
「よかった」

「タンダは生きているんだね」
コチャはうなづく
「でも、酷いけがをして…」

「どこにいる? そこへ連れてってくれ」
バルサは言う
「一緒に付いて来てくれたら、案内するよ」

バルサはアスラの方を向いて、近づく
「ごめん、アスラ」
アスラはぎゅっとバルサに抱き着いた

「アスラも喜んでいます。
 タンダさんが生きていて」
チキサはそう通訳する

「アスラ、いいかい。あんたは強く優しい心を持っている。
 皆を頼んだよ」
そう、バルサがいうと、アスラはおでこに手を当て、バルサのおでこに触る

「心配しないで、行きなさい、バルサ
マーサさんは言う
「はい」

その頃、タンダは怪我で苦しんでいた。
”切ってくれ!”とそう叫んでいた
しかし、ヨーナにそんなことはできない

コチャと共にバルサはオッカ村へとやってくる
しかし、入り口でタルシュ兵に止められた
「待て。お前は農民ではないな?」

「この人は用心棒です。夜盗に襲われましたが、おかげで助かりました。
 また次の為に雇っておきたいのです」
お爺さんがタルシュ兵に説明してくれる

そして、オッカ村の本陣にいたヒュウゴはバルサに気づく
あの、バルサだと。

バルサは短槍をタルシュ兵に預け、中へと入る
オッカ村の近くの岩場でバルサはタンダと再会する
「姉ちゃん!」
眠っているタンダ

「タンダ……」
すぐにタンダに駆け寄り、心臓の音を確認する
「この人がバルサさんだ」

「……生きてる」
バルサは怪我の具合を確認する
「これは……」

「切って、って、足を切ってって頼まれたの! 
 でも、そんなことは出来ない!」
ヨーナは言う
普通の女の子の力ではそう簡単に足の骨が切れないよな…

「コチャ、すぐに切るものを用意して。ナタや斧、何でもいいから集めろ。
 それから砥石ときれいな布と丈夫な紐糸、急いで!」
バルサはそう強く言う
「私が切る!」

「タンダ、タンダ!」
バルサはタンダと向き合い、声をかける
「私だ、分かるか? タンダ!」

すると、タンダの目が明く
バルサ……?」
「そうだ……いいかい? タンダ。
 あんたの足は腐ってしまっている。放っておくと、毒が回って死んでしまう」

「……バルサ、すまない。切ってくれ」
涙声でタンダはつぶやく
「あぁ、わかった」
震える声でバルサは言う

「大丈夫だ。あたしがあんたを死なせやしない。
 あんたが死んだら、あたしも生きてはいけないだだろう」

「絶対、わたしがあんたを助ける」
バルサはいう

場面が変わり、新ヨゴ国王宮ー
二ノ妃は帝を守る為、自分の水と帝の水を変えていた
「何をしている? 何故、器を取り替える? 
 何故だ!?」
ついに帝にばれてしまったのだ

「……聖導師を疑っております」
「聖導師を?」

「聖導師がタルシュ帝国と内通しているという噂を耳にいたしました」
ニノ妃は正直に打ち明ける
「誰がそのような事を?」

「星読みのガガイです。
 ガガイによれば、聖導師はタルシュの密偵と会っていたとか」

「そなたはそれを信じたのか?」
帝は言う
「信じたわけではありません。案じたのです。
 ただ、陛下のお身体を案じたのです」

二ノ妃の言葉に帝の視線は水の器にそそがれる
「聖導師が……この私を…」

ゆっくりとニノ妃の視線に合わせる帝
「私に盛られたかもしれぬ毒をそなたが飲んでいたという事か」

ニノ妃は頭を下げ
「お許しください、陛下! お許しください!」
そう謝罪をする

「聖導師が……」
帝はつぶやく

場面が戻り、オッカ村近くの岩場
タンダの足を切る為に村人が協力して、準備をしていた
バルサさん! こんなものしかなくて…」
コチャが持ってきたのは粗末な刀ばかり…
「これだけか…」

「武器になるようなものは皆、取り上げられたんだ」
コチャはいう

バルサは岩場を出て、タルシュ兵に話しかける
「お願いです! 剣を貸してください!」
「何を言っている! 下がれ」

「けが人の足を切るだけです。お願いします」
「ダメだ、下がれ!」
槍を向けられ、攻撃されるが、するりとよけ、タルシュ兵が持っていた剣を奪うバルサ

「何をしている? 剣を捨てろ!」
続々とタルシュ兵が現れる
多数のタルシュ兵を相手に意に返しないバルサ

すると、一本の剣がバルサに放たれる
するりとよけるバルサ

そこに現れたのはヒュウゴだった
「その女に聞きたいことがある」
「あんたは……」

バルサ、どこから来た?」
「…カンバルだ」

「一人か?」
「そうだ」
バルサは答える

バルサは岩場へと戻っていく。
ヒュウゴはある確信を得ていた
「そういうことか……」

”「チャグム殿下に会ったら、伝えて欲しい事がある。
 この北の大陸で同盟を結ぶつもりなら、急いでカンバル王国へ向かえと言え。カンバル王国にロタ王国と同盟を結ぶよう促せ。そう、チャグム殿下に伝えてほしいんだ」

「カンバルにロタと?」”
自分が言った言葉を着実に実行したという確信である。チャグムはこちらへと向かっているという事実だ。

場面はヤズノ砦へと移る
夜明けとともにタルシュ軍の攻撃が再開された
矢は鉄の盾にはかなわない。

ヤズノ砦に油が入った壺が投げられ、砦が燃え上がった
”帝は戦勝の祝詞を上げ続ける”

太鼓の音と共にヤズノ砦にタルシュ軍の橋がかかった
タルシュ兵が砦に入り、戦闘となる

司令塔までタルシュ兵が迫っていた
「ラドウ閣下! お逃げください」
「ここを動かん! この砦は帝の魂だ。戦え!」
ラドウ大将軍は叫ぶ
「帝の為に! 戦えー!」

戦勝を願い、帝が祝詞をささげる中、ヤズノ砦で戦闘

一方、オッカ村近くの岩場では
タンダの足を切る準備が進められていた
何故か、タルシュ兵の人いるし…

足を縛り、剣を酒で消毒する
コチャが足をささえ、みんなでタンダを抑える

バルサは一気にタンダの足を切った
血しぶきが顔に飛びながらバルサは、冷静に処置をする
「コチャ!」

そう言われ、はっとなってコチャはもつれながら剣を取ろうとする

同時刻、ヤズノ砦では
「もはや、これまで」
「ならば、差し違えるまでだ!」
そう、ラドウ大将軍が言った瞬間、何かの音が響いた

鉄球を飛ばしていた機械に大きな矢が刺さったのだ!
大きな機械が次々と倒れていく

どこから攻撃を加えているらしい
「何だあれは」
「わかりません。しかし、味方の様です」

ラドウ大将軍の視線の先には何かの軍勢が山の上にいた
それは新ヨゴ国ではない掛け声で
そこの中心にいたのはチャグムだった

場面が戻り、オッカ村近くの岩場では
火で熱くなった剣を何とかコチャがバルサへと渡す

バルサはそれを使って、足の出血を止めにかかる
熱で焼き固める

……痛そう。タンダ、失神したし
原作だと、しびれ薬のプサムを飲ませるシーンもあるけど…ドラマだとなかった。
無かったら、激痛で意識失ってもおかしくない

次回はついにチャグムの初陣だ。
帰ってきたチャグムに帝は何を思うのか…

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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