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「新ヨゴ国の都はもうじき、消えてなくなる!」チャグムは新ヨゴ国の民とラウル王子の軍勢を救えるか?第9回(最終回)「旅立ち」感想 精霊の守り人最終章

此花(このはな)です

今回は精霊の守り人最終章の第9回(最終回)「旅立ち」の感想を書いていきたいと思います

第9回(最終回)「旅立ち」
あらすじ
バルサ綾瀬はるか)と捕らわれの身であるタンダは、魂をトロガイの元に飛ばし、ナユグに春がきたことを伝え、光の鳥を飛ばし人びとに早く逃げるよう警告することを提案。そのさなか、タルシュ帝国が滅びる。

やがて一気に濁流が押し寄せ、川の水が増水。大勢の人たちが逃げまどう。そして、物語はクライマックスに。新ヨゴ国の都は消えてなくなるのか?再び離ればなれになったバルサとタンダは再会できるのだろうか…。

公式より
最終回 「旅立ち」 | あらすじ | 精霊の守り人 最終章 | NHK大河ファンタジー

ついに迎えた最終回。
雪解け水が来るのと、ラウル王子との戦いが同時進行で面白かった。
まさか、ラウル王子が泣くなんて思ってもみなかった…。ものすごくきゅんときたぞ!
ヒュウゴの本音の熱い想い、しかとラウル王子と伝わったでしょう

帝とニノ妃のやり取りも泣ける…!
王子”たち”を頼むって…帝の本音はやっぱり…父としての気持ちもあったんだね…。そして、未来の国の為にも、都と共に消えることで民たちがそれを受け入れられるように。



さて、本編の感想へ行きましょうか!
「”新ヨゴ国はヤズノ砦の戦いでロタ王国、カンバル王国の援軍と共にタルシュ帝国を撃退した。しかし、帝はロタ、カンバル両国の助けを拒み、我々が戦に勝つ望みが絶たれた。

バルサはタルシュ軍の総司令官、ラウル王子に捕らえられ、この世と重なるもう一つの世界、ナユグには大きな異変が起きていた”」

「”バルサ、私はなんとしても民を救いたい。
 この国が無くなる前に”」

オッカ村・タルシュ軍本陣では都攻めの準備が進んでいた。
バルサとタンダは梁に縛られ、動けない
「もうすぐ、都攻めの戦が始まる。帝はカンバルとロタの援軍を返したとしたら
 ……チャグムはどうなったのか」

何も言わないタンダにバルサは不審に思い、声をかける
「…おい、タンダ? おい!……足が痛むのか? おい!タンダ!」
そう呼ぶバルサだが、タンダは何も答えない
魂飛ばしをしたのか…タンダ

新ヨゴ国ー王宮―
チャグムはシュガの元へ
「殿下!」
「シュガ! トゥグムが居なくなったとはどういうことだ?」

「申し訳ございません。それが、星読みのガガイもいないのです」
シュガはいう
「ガガイが?」

チャグム達はニノ妃の元へ
「チャグム!」
「母上!」
ニノ妃はチャグムに駆け寄る

「トゥグムが…!」
「必ず、私が見つけ出します」
そう、安心させるようにチャグムは言った

「チャグム……聖導師を死なせたのは私なのです…」
ニノ妃はいう
「私が、帝に聖導師が裏切っていると告げたのです!」

「星読みガガイから聞いたのです」
悲しむニノ妃はシュガに向かって言った

「……母上、聖導師が裏切っていたことは事実です」
チャグムは言う
「チャグム…?」

「聖導師がその罪を告白し、聖導師を退くといいました。
 おそらくは死を覚悟していたのでしょう」
チャグムは言う

「ジン」
「ガガイがトゥグムを連れて、
 逃げているとしたらその行き先はひとつかと思われます」
そう話すジン
「タルシュ帝国か……」

一方、ガガイとトゥグムは
「ガガイ? どこへ行くのだ? ガガイ?」
トゥグムはガガイに連れられて言う
「トゥグム王子。お急ぎください!新ヨゴ国は終わりです!
 王宮にいては、いずれタルシュに殺されてしまいます。ですから逃げませんと!」

トゥグム王子は急に足を止める
「母上は?」
「もう先に逃げてございます! ですから殿下も急ぎませんと」

ガガイはトゥグム王子を背負い、どこかへと走る
これいらない、と明かりを放り投げるのにちょっと笑った

場面が変わり、タルシュ軍の本陣へと向かうチャグム達
すると、後ろからカームが現れた。
「カーム…」
「あやうく殿下を見失う所でした」

「カンバルへと戻っていたのではないのか?」
「兵は仕方なく返しましたが、
 私はカンバル王より王の槍として、チャグム殿下をお守りするように命じられています」
カームは言う
「しかし……帝が援軍を拒んだのだ。その気遣いは不要だ」

「それならば、私は用心棒としてお供にお加えください」
カームは言う
「用心棒?」

「カンバル生まれの用心棒はたいそう使えると聞き及びます」
ジンがいうと、チャグムが笑う
「……そうだな」

チャグムがうなづくと、はっとうなづくカーム
この笑みが良いなぁ…カンバル生まれの用心棒ってバルサの事だもんね
「急ごう!」

場面が変わり、オッカ村タルシュ軍本陣―
ヒュウゴは突然、視界がゆがむ
荷物に倒れ掛かり、手のひらを見ると水の中にいるようで。
頭上を見ると、ここは水の中だった

新ヨゴ国ータンダの小屋ー
「おやまぁ…また魂かい。
 もうすっかり、魂を飛ばすのが上手になったねぇ」
タンダの魂に気づき、トロガイは外へ出る

「師匠! 青霧山脈が心配で飛んできたんです」
両足があるという認識のままなんだね、タンダ

「あぁ、お前も見たかい。
 万年雪が、猛烈に溶け始めているさまを」

「早く人々に知らせないと!大変なことになります」
タンダは言う
「しかし……どうやって知らせるんだい。
 ナユグに春が来たと言ったところで、実際に洪水でも起きない限り、人の住み慣れたところを離れやしないだろうさ」

「師匠! 
 それなら我々ヤクーの呪術師はいったい何のためにいるんですか!」

タンダはそう、トロガイに言う
「どうしたんだい、タンダ」

「私は……バルサに会う前に新ヨゴ人の村人に助けてもらいました。
 今度は呪術師として、一人でも多くの人々を助けたいんです」
タンダは言う
「けどね……国中の人に触れ回って回る事なんてできないさ」

「コチャやアスラのような人々に伝えたらどうでしょう」
そう、提案するタンダ
「どういうことだ?」

「この世とナユグにまたがって生まれてきたような人々です。
 きっと、もっとたくさんそういう人がいるはずです。そういう人なら、師匠のいう事を素直に受けとれるはずです。それを人々に警告してもらうんです」

「なるほど……
 お前は私に光の鳥を飛ばせというのかい。あれは命がけの術だよ、魂をバラバラにして飛ばすんだからね。元に戻れなくなることだってある」

「私にできればいいのですが…」
タンダは言う
「私にしかできないさ」
そう言って、小屋の中に入るトロガイ

「師匠?」
「やってみよう、タンダ」
トロガイはそれを了承した

「ありがとうございます! 
 私は一生、師匠の魂を追い続けます!」
タンダの言葉に”馬鹿”と怒るトロガイ
「もう私が死んだみたいに言うんじゃないよ!」

「……いいかい、お前とバルサは逃げ遅れるんじゃないよ」
トロガイはいう
「…わかりました!」

「ならもう、戻りな。バルサが心配しているよ」
優しくトロガイは言う
「師匠、必ず師匠の下にまた帰ってきます」
そう言うと、ゆっくりと消え、タンダは鳥になって身体の元へ帰って行った

「頼んだよ。お前とバルサは私の……」
「この世の証だからねぇ」

バルサもタンダも、
そしてトロガイも共同体と呼ばれるところから外れた人たちだからなぁ…。

トロガイにとって、二人は自分の子供ような存在なんだろう…

場面が変わり、タルシュ軍本陣にてー様子をうかがうチャグム達―
「都に攻め上がる気だ」
チャグムは言う
「殿下…今出るのは危険です。殿下も人質にされます」

「カームはここで待て」
チャグムの一言に驚くカーム
「え?」

「村に行って、武器ととられては何も出来まい。
 もし、私が囚われたり、死んだと思ったときはカンバルに帰れ。カンバル王を守るのだ!」
チャグムは言う
「殿下!」

「それがお前の使命だ!」
そう言うチャグム

「行くぞ、ジン」
「はっ!」
チャグムはジンと共に本陣へ

一方、バルサは目を覚まさないタンダに声をかけ続けていた
「タンダ、おい、タンダ!」
バルサ……!」

「死んだかと思ったぞ」
「魂を飛ばしてたんだ」
タンダは訳を言うが、バルサは不満そうだ

「そういうことは先に言ってから、やれ」
「ごめん…」

バルサ、早くここから逃げないと」
「逃げられるもんなら、とっくにそうしてるよ」
バルサは言う

「そうじゃなくて、
 逃げないといけないのは俺達だけじゃないんだ」

タンダは訴える
おそらくタルシュ軍もそうだろうな…

バルサたちが囚われている所へ誰かが来た音がした
そこに現れたのはヒュウゴとタルシュ兵で。
梁から外される二人だが、バルサだけが連れて行かれそうになる
「都攻めが始まるのか?」

「ちょっと待ってくれ! そんなことしている場合じゃないんだ。
 都はもうじき、水の中に沈むんだ」
タンダがそう叫ぶ
「水に…?」

「あんたに話しても、分からないだろうがな…」
タンダはつぶやく
いや、ヒュウゴは見える人だ。タンダは知らないだろうけど

「そういうことか……」
何処か納得した様子のヒュウゴ
ヒュウゴは無言でバルサを連れて行く

「ダメだ、俺も連れてけ! バルサと一緒に俺も連れてってくれ!」
タンダは必死に言うが、バルサ
「大丈夫だ、タンダ。あんたを残して、死んだりしない」
バルサ……」

「先に帰っててくれ!」
そう言うバルサ

場面が変わり、チャグムはラウル王子がいる本陣の中へと来ていた。
「ラウル王子、お久しぶりです」
チャグムはそう挨拶をする
「わざわざ、降伏に来たのか」

「いいえ、休戦を申し入れます」
チャグムは言う
「あり得ぬ」
「どうしても、お話しなければならない事があります」

ラウルは立ち上がる
「今更話すことなど何もない。
 お前は私の話を全て無駄にした」

「無駄なのはこの戦そのものです」
チャグムは言う
「殿下、ここは私が…」
クールズが前に出ようとするが、ラウルは止めた
「かまわぬ。連れてまいれ」

「人質を連れてこい」
というシュバルの声にチャグムは振り返る

そこにいたのはバルサ
バルサ!」
チャグムが駆け寄ろうとしたとき、ヒュウゴが阻止する

バルサ、これが一人で生きているチャグム王子か。
 お前のためにわざわざ、あいに来たんだ」
ラウルはそう語り掛ける

「これはどういうことだ! ヒュウゴ」
チャグムは言うが、ヒュウゴは黙ったまま。

「さぁ! 
 この戦の何が無駄なのか、申してみよ!」

ラウル王子は言う

チャグムはラウル王子に向き直って
「その事はそこにいるヒュウゴがよくわかっているはずだ」

「やはり二人は通じていたか…」
クールズの声を遮り
「この国は! 新ヨゴ国の都はもうじき消えてなくなる!」
チャグムは叫んだ

新ヨゴ国-王宮―
シュガは帝の前で膝を折っていた
「どういうことだ?」

「ナユグの水が、ユサ山脈や青霧山脈の根雪を溶かし、一気に濁流が青弓川に押し寄せます。 一刻も早く、民たちを山の上に避難させてください。
 お願い申し上げます」
頭を下げるシュガ

「ナユグというのは…
 ヤクーと呼ばれる先住民が信じている異界の事か」
帝は言う
「さようです。精霊たちが住む世のことです」

場面が戻り、オッカ村タルシュ軍本陣―
「ヒュウゴ、そのナユグというのはお前にも時々見える奴か?」
「はい」

「ならば、チャグムのいう事も信じるか?」
ラウルは問う
「はい…信じます」

「殿下、ヒュウゴのいう事は信じられません」
クールズは言う

「ヤクーの呪術師も同じような事を言っている」
バルサは言う
ヤクーの呪術師って、タンダの事かな…

「お前は黙ってろ!」
クールズはバルサをぶん殴る

再び、場面が戻り、新ヨゴ国王宮ー
「この国は初めの帝・トルガル帝と共にナナイ大聖導師が築きました。しかし、ナナイ大聖導師にはナユグの行く末も見えていたのです。いずれ、この国が消えることをひそかに予言しておりました」
シュガの言葉に控えていたモンが反応する

「それならば何故、この地に都を築いたのか! 私はずっと考えてきました。
 おそらくそれはそれまでに新しく民が生きられる場所を作れ、と我々星読みに伝えたかったのです。
 新しい都を築くのは神ではなく、我々人であると」

「神に国をゆだねるなと伝えたかったのです。しかし、ナナイ大聖導師の弟子である星読みたちは代々、そのことを読み解くことはございませんでした。
 いつまでもこの国を神が君臨し、神が守る国だと民に信じさせてきたのです」

「そして、代々の帝を苦しめ続けてきたのです。
 ……私はそのことを陛下に謝りたいのです」
シュガは言う
「聖導師に代わって、謝ります」

「申し上げございませんでした!」
頭を下げ、謝るシュガ

「……そなたの申す通りならば、天が怒っているのだ」
帝は言うと、突然大きな風が吹く

帝は立ち上がると
「ならば、私は神とする。それを受け入れなければなるまい。
 すぐに民を逃がせ」

「殿下!」

「行け。
 そなたはチャグムと共にこの王宮から追放いたす」

「陛下! 
 陛下もどうか、山ノ宮にお逃げください!」
シュガは言うが、帝の意志は変わらない

「陛下!」
帝に駆け寄ろうとするが、モンが止める

「穢れを聴くのはもう十分だ。
 我の魂は天に清めてもらわねばならぬ」

滝を見ながら、帝は言うのだった

場面が戻り、オッカ村タルシュ軍本陣ー
「チャグム、民を引き渡せ。タルシュ帝国は面倒を見てやろう。
 新ヨゴ国の神に守られるよりも人らしく、豊かな暮らしをさせてやろう」

「お前を生かす道も与えよう」
ラウルは言う
「殿下、この者はヤズノ砦で我が軍の兵を殺しています」

クールズの言葉も聞かず、ラウルはチャグムを見つけ続ける
「ヒュウゴのようになれ」
その言葉にチャグムはヒュウゴを見る
「さすれば、お前を許そう」

「なぜ、降伏させねばならぬ。
 民の事を思ってくれているなら、私と同じだ!」

「私にはどのような国を創ってよいか、分からない。
 新ヨゴ国をどうすればよいか、分からない。
 だから、この国の人々と共に考えていきたい」
そう言うチャグムの言葉にラウルは左肩を掴み、力を入れる

そこは傷を負った場所。痛みが走る
「弱いふりをして、人を欺くな。強いものだけ生き残る。
 それがこの世」
傷口が開き、血が出てしまう
「降伏せねば、民を殺すまでだ」

「このまま戦を続ければ、皆死ぬだけだ!」
チャグムはそう言い返す

すると、オッカ村の周りでも大きな風が吹き始める
立てかけていた槍が倒れ、獣たちが騒ぎ始める

オッカ村近くの岩場にて、コチャは不安感を強めていた
「コチャ?」
ヨーナが声をかける
「姉ちゃん…! 水が来る!」

「みんな、早く逃げるんだ!」
コチャは叫ぶ
湧水が出ていた水場の量が突然、増え始めた

この事態にタルシュ兵たちも動揺する
そして、ラウル王子がいる本陣でもー
「この……化け物が!…我らの勝利を!」
チャグムが起こしたような偶然にクールズが剣を抜く

バルサはなんとかして、ヒュウゴの拘束から抜け出そうとするが、ヒュウゴの拘束は強い
チャグムを守ったのは隠し武器を持っていたジンだった
攻撃を続けようとするジンを必死に止めるチャグム

この事態にタルシュ兵たちもチャグムに剣を向け始める
ジンが必死にチャグムを守るが、多勢に無勢。守り切れない。

建物側に追い詰められたとき、カームが現れた。
2本の槍を持って

バルサは後ろに回転し、ヒュウゴの拘束を解いてしまう
「カーム!」
バルサがそう叫ぶと、カームは一本の槍を投げた。
バルサ!」

その槍を使って、縄の拘束を切り、ラウルに槍を向けるバルサ
くるっと回って、縄に切った瞬間にラウルがほぉ…と感心した顔してた。

「動くな!」
槍をラウルに向け、バルサは言う
「動けば、この王子の首が転がるよ!」

その時、この場にセナがあらわれる
「タルシュ帝国より、知らせが届きました」
その巻物をヒュウゴが受け取る

「ベリス総督からです」
ヒュウゴはラウルに告げた
「ベリス?」

ヒュウゴは建物の上へと上がり、巻物を読み上げる
「タルシュ帝国は滅んだ。皇帝と皇太子はもはや、この世にはいない。
 タルシュの王都は今、反乱軍によって抑えられております!」

「裏切り者!」
言いながら、多数のタルシュ兵が入ってくる
この状況にバルサはラウルの拘束を解いた。

「反乱…?」
この刃を向けた人たちは属国兵たちだろうか?そして、クルーズはタルシュ人だからなぁ…

「ヒュウゴ! お前が反乱の首謀者だったのか!」
ラウルの言葉

回想ーベリスとヒュウゴ―
「私と一緒に、このタルシュ帝国そのものを変えませんか?」
ヒュウゴは言う
「ラウル王子の行く道を変えるのです」”

黙ったままのヒュウゴ
「だから、わたしをここに導いたのか、ベリスとお前が」
ラウル王子に言われても、ヒュウゴは黙ったまま

「ラウル王子、騙されてはなりません。
 ふざけたことを申すな! その書状が本物とは思えん!」
クールズが言うが、その前にタルシュの司令官であるシュバルが
クールズをぶん殴った
シュバルもこっち側か

シュバルはヒュウゴに主従の意志を示した

その状況にラウルは
「やっとお前の本心が見えた!」
嬉しそうな笑みを見せ、笑いだす
イッちまってる感すごい

一方、タンダは隠れて、
タルシュ兵たちが動揺している隙に何とかしようと考えていた。

オッカ村の人々はコチャの言葉で山の上へと逃げ始めている。
「皆、急いで! このままは先に!」

場面が戻り、タルシュ軍本陣ー
「みんな、早く逃げろ!」
チャグムは叫ぶ

ラウル王子の前に立ち
「あなたも早く逃げてください!」
チャグムは言うが…。

バルサ、私を殺せ」
ラウルは言い放ったのだ
「私は負けた。さぁ!殺せ!」

その言葉にクールズはその場から去って行った
あれはどういう意味なんだろう…。結局、何の為にラウルに仕えてたんだろうか

そう言われたバルサは黙ったままだ
「殺さねば、私が殺す」
そう言い放ち、ラウルは剣を抜いた

バルサはラウルの攻撃を受け、反撃をする
やはり、あのバルサには勝てないか

バルサの攻撃を受ける中、地面が泥状になり、足を取られ、ラウルの身体は傾く
ラウルの周りの地面が水があふれてきたように泥状になり始める
「なぜ、殺さぬ?」
ラウルは問いかける

「なぜ、逃げる? 
 あんたが今までさんざん、してきたことだろう」
バルサは言い、自分の槍を地面に置いた
「あんたが勝ち取った国の人々は負けた事から逃げられたのか」

ラウルはこぶしでバルサに向かっていくが、
バルサは受け止め、2発の拳をラウルに入れた

「力のない者は、ある日突然、自分の国をなくしても、巨大な力に大切なものを踏みにじられても、必死に心の支えを見つけて、生きていこうとするもんだ」

それでも、ラウルは向かってくる。
「そう簡単にはくたばらないんだ!」
バルサに何発も食らうラウル

ヒュウゴは巻物を巻き、ラウルがいる下へと降りていく

「力のあるものがなぜ逃げようとする? 
 なぜ、生きようとしない?」
バルサの問いかけにも答えず、バルサに向かってくるラウル

「負けたから死ぬ? ふざけるな! 
 そんなもん、初めから力でも何でもない!」
ラウルを、泥の中へと投げた

泥だらけになるラウル
バルサはラウルを掴み
「負けたものこそが生きるべきなんだ」

そんなバルサの元へヒュウゴがやってくる
ヒュウゴはラウルに膝を折ると
「ラウル王子、ここには貴方を迎えると書いてある」

「武力によって守られる国境を無くし、一つの大陸をつくりたいのです。新しい大陸の在り方を求めたいのです。
 その為にはラウル王子、貴方の力が必要です」

「我々の理想をかなえることは貴方しかできないと!
 私も、ベリス総督もそう見極めておりました!」

「だからこそ、生まれた国を焼かれ、
 親兄弟を殺されても、私は貴方についてきた!」

「ラウル王子、
 どうか我々の共に南の大陸で思う存分、その手腕を発揮してください!」

そんなヒュウゴの言葉にラウルは腕で顔を隠し、涙をこらえる
「裏切り者が……何を言うか……」
この言葉に”きゅん”と来てしまった。そのツンっぷりにときめいた

そんな中、カンカン!と鐘が鳴り響く
「みんな―!早く逃げろー!」
上をみると、そこにはタンダがいた
「急げ―!」「大水が来るぞ! 早く逃げろ!」

「ぼやぼやするな!こいつのいう事を信じろ!」
あ、タルシュ兵の!

「タンダ!」
バルサ、何してんだ! 早く逃げろ!」
タンダに言われるバルサ

鐘が鳴り響く中ー
「カーム、ありがとう」
助けに来てくれたことにお礼を言うバルサ。槍を胸につけ、カンバル流の挨拶をする
その言葉と行為に笑みを見せるカーム

タンダはタルシュ兵たちに逃げるように叫び続けていた。

一方、トロガイは光の鳥を飛ばす術を行っていた。
……トロガイの身体は木の中に包み込まれ、一斉に飛び散る

山を登っていたオッカ村の人々、コチャの元にトロガイの光の鳥が届いた
「ダメだ…もっと上だ…」
「え?」

「姉ちゃん…もっと山の上に逃げるんだ! 
 大水が来るよ!お願いだ、みんなに言って!」
コチャは訴える

「皆! もっと上よ!早く山の上に上がって!」
ヨーナは村人たちに言う
こうやってコチャの言葉を信じてくれる人がいるから、ここまで上がってきた。

一方、新ヨゴ国の王宮でもシュガは逃げる為の鐘を鳴らしていた。
シュガもトロガイの光の鳥を受け取る
「師匠……」
「”シュガよ! 逃げろ!”」

そして、アスラの元にも光の鳥が来ていた
「都で何があったんだろ?」

それを受け取ったアスラは慌てて、マーサに抱き着く
「どうしたの、アスラ?」
必死に何かを伝えようとするアスラ
「げて、ここにはいたら危ない」

「アスラ!」
アスラの声が聞こえ、チキサが駆け寄ってくる
「お兄ちゃん、早くみんなに言って! ここは無くなってしまうの!
 水の中に沈んでしまう!」

「アスラがしゃべった!」
喜ぶ四路街の人たち
ここでアスラの声が戻るの…熱い…!

場面が変わり、ガガイとトゥグムは崖を通っていた
「ガガイ……どこまで逃げるのだ?」
「わかりませぬ。どこまで逃げればよろしいんですかね」

大きな風が崖に吹いた
そのせいで、トゥグムは足を滑らせ、崖から落ちそうになるが、
ガガイはトゥグムの手を掴み、引き上げた

「トゥグム王子、大丈夫でしたか?」
そう言っていたガガイはバランスを崩し、木のツルに捕まるが、そのツルが切れ、
崖から落ちていく
「ガガイ~!!」


誰もいなくなった新ヨゴ国の王宮に帝は座り続けていた。
そこへ”二ノ妃”が現れる
「……何をしておる?」

「陛下が行かないのであれば、私もここに残ります」
ニノ妃は言う
「トゥグムはどうした?」

「もう逃げました」
「チャグムは?」

「もうよいではありませんか」
玉座へと続く階段を上がる二ノ妃
「あの子たちはもう、あたしや陛下は必要ないのです」
そう言って、帝のそばにすわった
「これでようやく陛下は私だけのものになりました」

「私は……誰のものにもならぬ。
 私は私のものですらなかった」

帝はつぶやく
私のものですらない…か…。なんて悲しい事だろうか

そっと二ノ妃に手を伸ばす帝
その手のひらをそっと包み込む二ノ妃

「だが、そのぬくもりだけは感じられる。
 これを感じるときだけ、私は人であったのかもしれぬ」

「もし、人に生まれていたら、お前と逃げたいものだ」
帝…
そんな言葉にすがりつく二ノ妃

そんな中、足音が聞こえ
「二ノ妃!」
シュガはその場に現れる

ゆっくりと二ノ妃と共に階段をおりる帝
「シュガよ、妃を連れて行け」
帝は言う
「はい」

「いやです! 陛下!」
二ノ妃はいうが
「山ノ宮に行け。王子たちを頼む」
そう言い残した

二ノ妃ともに部屋から出ようとしたとき
「シュガよ
 ……山の上からこの国が勝つ姿を見よ」
そう言った

バルサたちも必死に山を登っていたが、
急にチャグムが気を失った

「チャグム!」
慌てて駆け寄るが、チャグムは気を失ったままだ

新ヨゴ国の王宮―
帝はモンと共に滝が見える王の間にいた
ゆっくりと雪解け水が溶けていく中、帝は両手を上げる

その時、大量の雪解け水が光扇京へ襲い掛かった

帝は水に飲まれ、走馬灯のように幼いチャグムと笑った日々を思い出す
笑っている帝

帝はいつの間にか玉座の間にいた。
ゆっくりと幼いチャグムが歩いていくのが見える

そして、今のチャグムへと変化する
チャグムは手を差し伸べた

その手を帝はゆっくりと掴むのだった
チャグムは帝に抱き着く
帝は初めて、チャグムを抱きしめる

精霊の卵が通ったのが見えた
あれは水の精霊たちのプレゼントのかもしれない

バルサの腕の中で目が覚めたチャグムは
「……バルサ
「目覚めたか」

「……父上が神になられた」
涙がこぼしながら、チャグムはつぶやく
最後に和解できて、よかった
「魂を飛ばしてたのか…」

「殿下! もうそこが山ノ宮です!」
ジンの声が聞こえる


「チャグム殿下!」
山ノ宮にいたシュガはチャグムの姿を見て、ほころぶ
「シュガ! 民はどうした」

「大丈夫です。これは帝のおぼしめしです」
シュガの言葉に嬉しそうな笑みを見せる

「チャグム!」
二ノ妃も現れる
「母上!」
嬉しそうな笑みを見せるニノ妃

バルサとタンダもたどり着き
「トゥグムは?」
「やはり、ここにも来ていませんか」

「殿下!」
声が聞こえ、そこにはトゥグムの姿があった
ジンに抱えられたトゥグムが

「トゥグム…」
「トゥグム!」
二ノ妃はトゥグムを抱きしめる
「お一人で、山を登って来られました」

「トゥグム王子、よくぞ御無事で。
 あの、ガガイは?」
シュガは聞く

「ガガイは崖から落ちた」
トゥグムは言う

「一人で来たのか?」
チャグムは言うと、
「はい。光る鳥が見えたので」

「見えたのか!? じゃあ、君も…」
そんな言葉にタンダは食いつく
「光る鳥が女の人になって、ここに連れてきてくれました」

「女の人…?」
「トロガイだ」

「しわくちゃのおばあちゃんだったの?」
チャグムの問いにトゥグムは否定する
「いいえ、とてもきれいな人です」

回想でトロガイさんが若返ってて、笑った
”「さぁ、おいで」
笑顔でいわれたトゥグムはそれについていったのだった”

高島さんだった意味がこれだったのか。
元々綺麗な人だったってことね

一方、トロガイは無事、元に戻り、タンダの小屋へと戻ってきていた。
「私の魂も、まだまだ、若いわ!」


そして、崖から落ちたガガイは奇跡的に岩に引っかかり、助かっていた。
意識を取り戻したガガイは驚く
「新ヨゴ国が……消えた…? けど……助かった…」
ほっとするガガイだが、その周りは水に満たされており、どうやって上がっていいかわからない

新ヨゴ国の山ノ宮ー
「”都は水に沈んだが、多くの民は山に避難して助かった。
 彼らを助け、新しい国を創ることは私の務めだった”」

「チャグムはとうとう、帝になるときが来たんだね」
バルサがチャグムに言う

「いや、この国にもう生きた神はいらない。戦をした私はもう神になどなれない。
 我々も、ヤクーもヨゴ人も同じように自分の荷は自分で背負い、自分の足で歩けるようにしたいのだ、バルサのように」

「チャグムなら、できるよ。
 ……ちゃんと自分の足で歩いてきたチャグムならば」

バルサは言う

「それにはまだまだ果てしない努力が必要だ。我々が変わり、民が変わるならば、新しい国が生まれる。
 私がバルサに出会えたように……私が変われたように」
チャグム……

「ジン、シュガ」
チャグムに名を呼ばれ、二人がやってくる
「はっ」

「まずは、山に避難した民一人一人に出会いたい。
 行こう!」
チャグムは歩き始める
「殿下…」「お供します!」
二人の表情がいいなぁ…

シュガの胸に帝の言葉が響いていた
”「シュガよ……山の上からこの国が勝つ姿を見よ」”
こういう姿だったのかもしれないなぁ…

シュガはバルサに頭を下げ、チャグムの元へ

そこへ二ノ妃がやってくる
「あなたに用心棒を雇って、本当に良かった。
 それだけが、私の人生で流れを変えることが出来た、ただひとつのことです」

「それは、貴方に似たのです」
バルサは言う

「そして、貴方に育てられた。母として、心より礼を言います」
二ノ妃は頭を下げる
「……その報酬なら、十分に頂きました」


役目が終わったバルサはタンダの小屋へと帰っていく
小屋の前に来ると、タンダが外へ出てきた。
「ただいま」
「おかえり」

「鳥の鍋出来てるぞ」
タンダは言う
バルサは自分の槍を小屋の前に置き、小屋の中へと入っていった

ただいま、っていたのは此処で初めてなんだよね。
いつも、おーい!とかだったし。
そう言ったってことはここが我が家だってことを意味するんだろうなぁ…


あー終わっちゃったな…精霊の守り人ドラマ
こんな長い物語を第22回という限られた中で、くみ上げるなんて、構成はうまかったと言わざる負えません。ほんとよくできてる。

あれがやってほしかった、とか、これをやるのか!とか、色々ありますが、大切なシーンは大事に表現されていたので、本当に良かった。ドラマなりの設定に表現、凄く楽しめました。こう来るのかと毎週ドキドキしてましたから、本当にNHKの皆様方、お疲れ様でした!

ここまで読んでくれてありがとうございました!
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